更年期の症状【ホットフラッシュ】
ホットフラッシュは更年期の代表的な症状として知られています。のぼせや発汗によって「もしかして更年期かも」と自覚される女性も多い症状です。
ホットフラッシュは具体的にどのような症状が含まれるのか、そして原因や対策についても今回は学んでいきましょう。
ホットフラッシュとは
- 顔や上半身がほてる
- 顔が赤くなる
- 大量の汗が出る
このような症状を「ホットフラッシュ」と呼びます。
一般的に前触れなく症状が起こり、持続時間は数分〜30分以上と幅があります。頻度は1日に何度も起こることもあれば、週に何回かだけ起こる場合もあります。このように頻度や持続時間は、人によって差が大きいと言われています。
ホットフラッシュは突然起こるため、予測ができないことに不安を感じたり、いつおさまるのかも分からないことでパニックになり、症状がよけいに悪化したりしたという声も多く聞かれます。
また就寝中にホットフラッシュが起こり、睡眠に影響をおよぼすケースもあります。
ホットフラッシュはどうして起こるの?
更年期に入ると卵巣の機能が低下して、エストロゲンという女性ホルモンの分泌が急激に減少します。このエストロゲンを出すように指令を出している脳の視床下部という部分は、血圧・心拍・体温・発汗などを調整する自律神経を調節する働きをしています。
そのためエストロゲンの急激な減少に影響されて、自律神経の調節機能も乱れてしまい、ほてりや発汗などのホットフラッシュが起こります。
ホットフラッシュの対策
まず医療機関での治療についてお伝えします。ホルモン補充療法(HRT)と漢方療法が中心となります。特にホルモン補充療法については、ホットフラッシュへの効果が高く、発現回数で75%減少、症状の強さは1/10程度まで改善されたと報告されています。1
セルフケアとしては以下のような工夫が挙げられます。
- ストレスを溜めすぎない
- 辛い物などの刺激物を摂らない
- カフェイン・アルコールを控える
- 通気性・速乾性が高い服を着る
- 大豆やビタミンEを含む食品(アーモンドなどのナッツ類、うなぎ、たらこ、かぼちゃ、アボカドなど)を摂る
- 寝る時の室温・寝具を調整する
またホットフラッシュが起こってしまった場合には、深呼吸をして自律神経を整えることも有効だと言われています。
実はホットフラッシュではないことも
ホットフラッシュと同じような症状が、甲状腺や心臓の病気によって起こることがあります。自分の症状が更年期症状なのかどうかを知るには婦人科で相談してみる必要があります。
他人には伝わりづらいホットフラッシュですが、適切な治療やセルフケアで、毎日を快適に過ごしましょう。
- ホルモン補充療法ガイドライン2017年版,日本産科婦人科学会,日本産科婦人科学会/日本女性医学学会 ↩︎
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