閉経後に気をつけることは?時系列でわかる体の変化と今日からできる対策

閉経後の私をもっと健やかに!今日から始めるセルフケア
  • URLをコピーしました!

閉経したら体はどう変わっていくの?」という不安を、多くの女性が言葉にできないまま抱えています。

閉経後の変化は一度に起こるのではなく、時期をずらして順番にやってきます。

全体像を知っておけば、必要以上に怖がることなく、今の自分に合った備えができるでしょう。

この記事では、閉経後の体の変化を時系列で整理し、時期ごとに気をつけたいことを解説します。

目次

閉経後の体の変化のポイントは「エストロゲン」

閉経後の体の変化を理解するうえでポイントとなるのが、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの減少です。

エストロゲンは、月経や妊娠にかかわるだけでなく、骨や血管、皮膚、腟など、全身のさまざまな組織に影響しています。

閉経を迎えると卵巣の働きが低下し、エストロゲンの分泌量も大きく減少します。そのため、これまでエストロゲンの影響を受けていた体のさまざまな部分に、少しずつ変化があらわれるようになります。

たとえば、骨量が減少しやすくなったり、脂質代謝が変化したり、腟の乾燥や皮膚の変化が気になったりすることがあります。

「閉経したら急に体が変わる」というより、エストロゲンの減少に伴って、体の状態が少しずつ変化していくと捉えておくとよいでしょう。

【時系列で解説】閉経後の体の変化

閉経後は、エストロゲンの減少に伴って、さまざまな体の変化が少しずつあらわれます。

症状や変化のあらわれ方には個人差がありますが、時期ごとの傾向を知っておくと、今後の体調変化や健康管理について考えるきっかけとなります。

時期起こりやすい変化
閉経直後〜数年・ホットフラッシュ・のぼせ・気分の波・不眠
閉経後数年〜・腟や尿のトラブル(GSM)・肌や髪の乾燥・コレステロール上昇
閉経後5年以降・骨密度の低下・高血圧・動脈硬化

閉経直後〜数年:更年期症状が続く

閉経してすぐの時期は、ホットフラッシュやのぼせ、気分の波、不眠など、更年期にみられる症状が続くことがあります1)

これらには、エストロゲンの変動・低下に伴う自律神経の変化などが関係しています。

この時期は無理をせず、体調の波とうまく付き合うことが大切です。

閉経後数年〜:腟・尿・肌の変化があらわれる

閉経後は、腟の乾燥や尿もれなどのGSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)がみられることがあります。

肌や髪の乾燥など、外見にかかわる変化が気になる人もいるでしょう2)

また、エストロゲンの低下に伴って脂質代謝にも変化が生じ、悪玉(LDL)コレステロールが上昇し始めるのも特徴です3)

閉経後5年以降:骨と血管の変化が進む

閉経後は、エストロゲンの低下に伴って骨量が減少しやすくなり、骨粗しょう症のリスクが高まります。また、血圧や脂質などにも変化が起こり、動脈硬化につながるリスクにも注意が必要です。

こうした変化は自覚症状がないまま進むこともあります。閉経後は症状だけでなく、骨や血管などの健康状態にも目を向けることが大切です。

閉経後の変化に対して今日からできること

閉経後の体の変化には、食事や運動など、日々の生活でできる対策があります。

ここからは、骨・血管・腟や尿路、体重管理のために、今日から取り入れやすい方法を紹介します。

カルシウム・ビタミンD・荷重運動で骨を守る

骨の健康を保つには、骨の材料となる栄養素をとることに加え、適度な運動で骨に刺激を与えることも大切です。

カルシウム乳製品・小魚・大豆製品などビタミンD魚・きのこ類などから摂取できます。ビタミンDは日光を浴びることでも体内でつくられます。

また、ウォーキングやスクワットなど、体重をかける運動を習慣にすると、骨の健康維持に役立つとされています4)

骨密度を上げる食事や生活習慣については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

魚の油・食物繊維・有酸素運動で血管を守る

血管の健康を保つには、食事や運動を含めた生活習慣を整えることが大切です。

肉の脂身などに偏らず、魚や植物性の油を取り入れ、野菜・海藻・きのこ類などから食物繊維をとりましょう

また、ウォーキングや水中運動などの有酸素運動は、血圧や資質の管理にも役立ちます5)。無理なく続けられる運動を生活に取り入れてみましょう。

骨盤底筋トレーニングと保湿で尿もれ・乾燥を防ぐ

腟や尿路のトラブルには、骨盤底筋のトレーニングやデリケートゾーンの保湿などが対策の一つです。

骨盤底筋トレーニング、尿もれの改善に役立つことがあります。また、腟や外陰部の乾燥には、保湿剤などを使ったケアによって潤いを与え、不快感の軽減が期待できます。

症状が続く場合や痛み・出血などがある場合は、セルフケアだけで済ませず、婦人科などに相談しましょう。

たんぱく質と筋トレで筋肉量を維持する

閉経後は、加齢などの影響も重なって筋肉量が低下しやすくなります。筋肉量を維持することは、体力や運動機能を保つうえでも重要です。

肉・魚・大豆製品・卵などのたんぱく質を毎日の食事に取り入れ、スクワットなどの筋力トレーニングも無理のない範囲で続けましょう。

閉経後を元気に、綺麗に過ごすためのヒント

閉経後のケアは、不調や病気のリスクに備えるだけでなく、元気で自分らしく過ごすことにもつながります。

前章で紹介した骨・血管・筋肉を守る習慣は、肌や姿勢、体力を保ち、活動的な毎日を送るための基礎にもなります。健康を守るための習慣を続けることが、若々しく過ごすことにもつながるでしょう。

また、豆腐・納豆・豆乳などの大豆製品を食事に取り入れるのもおすすめです。大豆イソフラボンを含む食品を、バランスのよい食事の一部として取り入れてみましょう。

さらに、閉経には毎月の生理から解放されるという側面もあります。ホルモンの変動が落ち着くことで、月経に伴う不調から解放され、心穏やかに過ごしやすくなる方も少なくありません。

閉経は、体の変化に目を向けながら、これからの自分の健康や生活を考えるきっかけでもあります。自分の体をいたわりながら、人生の新たなステージを楽しんでいきましょう。

閉経後に気をつけたい受診のサイン

閉経後に次のような症状がある場合は、「年齢のせい」と考えず、早めに婦人科などの医療機関へ相談しましょう。

  • 閉経後に少量でも出血がある
  • 茶色いおりものや不正出血が続いている
  • 腟の強いかゆみ・痛み・乾燥などが続いている
  • 動悸・息切れ・急な体重変化など、気になる全身症状がある

とくに、閉経後の出血は少量でも、子宮内膜症や子宮体がんなどの病気が隠れている可能性があります。一度きりでも出血があった場合は、自己判断で様子を見ずに受診しましょう。

また、定期的な健康診断や骨密度検査を受けておくと、自覚症状のない体の変化にも気づきやすくなります。気になる症状があれば我慢せず、医療機関に相談することが、閉経後の健康を守ることにつながります。

閉経後に気をつけることを正しく理解し、前向きに過ごす備えをしておこう

閉経後の体は、エストロゲンの減少に伴って少しずつ変化していきます。しかし、どのような変化が起こりやすいのかを知り、時期に合わせて備えておけば、必要以上に不安を抱える必要はありません。

骨・血管・腟・筋肉の健康を守るために、食事や運動、日々のケアなど、今日から取り組めることもあります。閉経を「体を見つめ直すきっかけ」と捉え、自分の体と向き合いながら、これからの生活に必要な備えを少しずつ整えていきましょう。

参考文献

1.更年期に入ったかどうかを自分で知るサインはある? 更年期離職を防ぐためにも早めの婦人科受診を!|専門家コラム|働く女性のウェルネス向上委員会

2.更年期以降のデリケートゾーンのヒリつきや違和感は「GSM」 生産性低下やうつも招くが、一日たった数分のケア習慣で改善!|専門家コラム|働く女性のウェルネス向上委員会

3.脂質異常症 | KOMPAS – 慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト

4.骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版|日本骨粗鬆症学会

5.動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版第3章動脈硬化性疾患予防のための包括的リスク管理|日本動脈硬化学会

閉経後の私をもっと健やかに!今日から始めるセルフケア

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

「TRULY」LINE公式アカウント

医師・専門家による更年期のお役立ち情報&

LINE限定クーポン・イベント情報を定期的に発信中!

この記事を書いた人

榎本なつみのアバター 榎本なつみ 【看護師・保健師】

総合病院のCCU・ICUでの経験を通じて、命を支える医療とともに、家族看護の大切さを学ぶ。退職後は訪問看護師として地域に根ざしたケアで利用者や家族をサポートしている。

自身が性に悩んだ過去や、更年期に苦しむ家族を目の当たりにした経験から、フェムテック分野に強い関心を抱くようになる。ライターとして、同じ悩みを抱える方々に向けて情報を発信し、自分のからだを大切にするための知識を広めることに力を注ぐ。

このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法や専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません。

<専門家の皆様へ>
病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください。

目次