更年期に乳頭(乳首)から分泌液?原因と危険なサイン、受診の目安を解説

更年期になり、下着に染みができて驚いたことはありませんか。乳頭(乳首)から分泌液が出ると「もしかして乳がんでは」と不安になる方も多いはずです。
実はこの時期にみられる分泌液の多くは、ホルモンバランスの変化による良性のものが多いといわれています。とはいえ、中には注意すべきサインが隠れていることも。
本記事では、更年期に乳頭から分泌液が出る原因から受診の目安までをわかりやすく解説していきます。
更年期に乳頭(乳首)から分泌液が出る3つの主な原因
更年期に乳頭分泌液が出る背景には、いくつかの要因が重なっていることがあります。まずは代表的な3つの原因をみていきましょう。
① 更年期による女性ホルモンの乱れ
更年期は卵巣の働きが低下し、エストロゲン(女性ホルモン)の分泌量が不安定になりやすい時期です。1このホルモンバランスの乱れによって乳腺が刺激され、分泌液が出やすくなると考えられています。
乳腺は女性ホルモンの影響を強く受ける組織のため、更年期のゆらぎに敏感に反応してしまうのです。
ストレスや睡眠不足が重なると、ホルモンバランスが乱れ、症状がより出やすくなることもあります。
② 乳腺の良性疾患(乳腺症・乳管内乳頭腫など)
分泌液の原因として、乳腺症(にゅうせんしょう)や乳管内乳頭腫(にゅうかんないにゅうとうしゅ)といった良性疾患が関係しているケースもあります。
乳腺症とは、乳腺組織が硬くなったりしこりのように触れたりする状態で、更年期世代に多くみられます。2
乳管内乳頭腫は、乳管の中に小さないぼのようなものができる病気です。
左右どちらかだけから分泌液が出ている場合、これらの疾患が関わっている可能性があります。
③ 薬の副作用
普段服用している薬が、乳頭分泌液の引き金になっていることもあります。
特に一部の降圧剤や胃腸薬、精神科領域の薬には、プロラクチン(乳汁分泌を促すホルモン)の分泌を高める作用を持つものがあります。
これらの薬に心当たりのある方は、自己判断で中止せず、まず処方医に相談してみてください。
【見分け方】様子を見ていい乳頭分泌液 vs すぐに受診すべき「危険なサイン」
分泌液の色や出方によって、緊急性は大きく異なります。ここでは、自宅でできる見分け方の目安を紹介します。

「透明・白色・淡黄色」の乳頭分泌液は様子を見て大丈夫なことが多い
透明や白色、淡黄色の分泌液の場合はホルモンの変動による生理的な反応であることが多く、緊急性は低いとされています。また、乳頭を絞ったときだけ分泌液が出るケースも、多くは様子見で問題ないケースが多いです。
なお、「気になってつい絞って確認したくなる」という方も少なくありませんが、繰り返し絞る行為はおすすめできません。乳頭への刺激が脳に伝わり、乳汁を作るホルモンの分泌を促してしまうため、かえって分泌が続きやすくなることがあるためです。
量が増えた場合やしばらく続いている場合は、絞って確かめるより先に、一度医療機関で相談してみましょう。
「血液混じり・片方から」などの乳頭分泌液は要注意
一方で、血液が混じった分泌液や、赤茶色・黒っぽい色をした分泌液には注意が必要です。特に、片方の乳頭から血性の分泌液が続く場合は、乳管内乳頭腫や乳がんなどの疾患が隠れている可能性もあるため、できるだけ早めに医療機関を受診しましょう。
病気の早期発見・早期治療につなげるためにも、自己判断はせず、専門医の診察を受けることが大切です。
しこりを伴う場合や、分泌液が自然に出てくる(絞らなくても出る)場合も要注意のサインです。

40代・50代女性必見!乳頭分泌液に気づいたら何科に行くべき?
乳頭分泌液に気づいたら、まず受診すべきは「乳腺外科」または「乳腺科」です。婦人科でも相談は可能ですが、乳腺そのものを専門的に診てもらうなら乳腺外科が適しています。
受診すると、まず視診・触診で状態を確認し、必要に応じてマンモグラフィ(乳房X線検査)や乳腺エコー(超音波検査)が行われます。3
分泌液がある場合は、細胞診(分泌液を採取して顕微鏡で調べる検査)を追加することも。検査自体は短時間で終わることが多く、大きな痛みを伴わないケースが一般的とされています。
更年期世代が心がけたい乳房のセルフケア
変化に早く気づくためには、日頃からのセルフケアが大切です。ここでは、今日から始められる2つの方法をご紹介します。

お風呂上がりの「月1回の乳房セルフチェック」を習慣に
お風呂上がりは肌が滑らかになり、しこりなどの変化に気づきやすいタイミングです。
月に1回はセルフチェックを心がけることで、小さな変化にも早い段階で気づくきっかけになります。
鏡の前で左右差がないか見比べたり、指の腹で優しく触れたりするだけでも十分です。
月経前・月経中はホルモンバランスの影響で胸が張りやすく、乳房の変化がわかりにくい時期。そのため、閉経前の方は、月経終了後の4〜7日が触診しやすいとされています。
2年に1回の定期的な「乳がん検診」を
セルフチェックに加えて、定期的な乳がん検診も欠かせません。
厚生労働省は、40歳以上の女性に対して2年に1回のマンモグラフィ検査を推奨しています。3)
自治体の検診制度を利用すれば、比較的安価に受けられることも多いです。
自覚症状がなくても、定期的に検査を受けておくことで病気の早期発見につながりやすくなります。
【更年期の乳頭分泌液】不安なときこそ、一人で抱え込まずに相談を

本記事では、更年期に乳頭分泌液が出る原因や受診の目安、セルフケアのポイントについて説明してきました。
更年期にみられる乳頭分泌液の多くはホルモンバランスの変化による良性のものですが、片方だけから出る場合や血液が混じっている場合は、注意深く経過を見る必要があります。
色や状態に不安を感じたら、我慢せずに乳腺外科へ相談してみてください。
気になることがあれば、一人で悩まず専門医に話を聞いてもらいましょう。

参考
- 公益財団法人 日本産科婦人科学会 更年期障害 https://www.jsog.or.jp/citizen/5717/ ↩︎
- 日本大学病院 乳腺症 https://www.nihon-u.ac.jp/hospital/search/4 ↩︎
- 国立研究開発法人国立がん研究センター がん情報サービス 乳がん検診について https://ganjoho.jp/public/pre_scr/screening/breast.html ↩︎






