「SELF LOVE FES(セルフラブフェス)」@BE AT TOKYO イベント参加レポート《後編 その2》

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前回のレポート《お悩み#1》に続き、今回もTRULYユーザーから実際にいただいたオトナの女性の性やパートナシップに関するお悩みに、リレーションシップコンサルタントの此花さんがじっくり向き合い、お答えします!

目次

《お悩み#2》

セックスでオーガズムに達したことがありません。マスターベーションでも同じです。このままセックスの良さを知らずにいることが、寂しく感じています。

《お悩み#3》

パートナー(男性)が、過労とメンタルの不安定により性欲を消失しています。私はどうすればよいのでしょうか?

セックスからオーガズムを感じる女性はたったの25%

此花:まずは、オーガズムにまつわる誤解をとくことが先かなと思うのですよね。女性のオーガズムは男性の射精よりもずっと複雑なんですよ。なぜなら、性欲に関係あるテストステロンという男性のホルモンが女性は男性の1/20ほどしかないからです。

アメリカのある研究によれば、毎回挿入でオーガズムを感じる女性はたったの6%しかいないんですね。それどころか、セックスからオーガズムを感じる女性は25%しかいない、ということなんです。

私も意外に思ったんですけど、実はセックスからオーガズムを感じない男性も52%もいるんですよ。男性もフェイクしているんだなと思ったんですけど(笑)。

オーガズムにこだわるのではなく、今感じている喜びをマックスにすることに集中する

オーガズムとはいったいなんだろうとなった時に、「頭の中が真っ白になって、全身がふるえて痙攣するようなものだ」というふうに思っている人がいるかもしれないんですけれど、実はそうではなく、エミリー・ナゴスキー博士によれば、オーガズムとは筋肉が収斂してクライマックスになって、ポンッと下にさがるような、そんなものです。そして人により感じ方は様々

ですからオーガズムをAVで見るような男性の射精のようなものだと思ってしまったら、女性にとって、それは実現するのは難しいのではないのでしょうか。というわけで、まずはオーガズムというのはなかなか複雑なものなのであるということを知ることが大事です。

オーガズムにこだわるとそれがストレスになって、オーガズムを得られなくなるので、そうではなくて「自分の今感じている喜びをマックスにしよう、増やしていこう」そこに集中していってほしいですね。

性機能障害や性欲減退に悩む人のための「スティック STICK」療法とは

此花:性機能障害や性欲減退に悩む人に生み出された療法があるんです。アメリカのエド・ワインバーグ博士が生み出した療法なんですが、脳やカラダの感覚を高める感覚集中療法で、「スティック STICK」療法というものです。英語のSTICKです。

S -(Stroke)

ストロークは心をなでる、ストロークする、ということです。相手の好きなところを言葉で表現する、外見でも、中身でも、性格でも、感情でもなんでもいいんですけど、心理的になでてあげる。それがストローク。

T – (Touch)

Touchは触る、スキンシップ。ここで気をつけなければいけないのは、急にプライベートゾーンを触ると、女性は性的モノ化された気分がするのでやめてほしいということです。

そうではなくて、服の上からのハグで始めて徐々に、肩から腰へ、前と後ろからマッサージをしていきます。胸などプライベートゾーンは避けて、お互いの足を触ったりマッサージをして、同意を得てから胸や太もも、エロティックなゾーンを優しく愛撫していくという方法なんですね。

I – (Insert)

Insertは挿入なんですけれど、もし性機能障害があって濡れなかったり、勃起していない人でも、パートナーの性器に触れ合う、もしくはこすりあってもいいんです。

ソフトエントリーというアプローチなんですけれども、それをすることによって肌と肌の触れ合い、オキシトシン、幸せホルモンが分泌されるんですね。なので挿入を急いではいけませんし、こだわってもいけません

C – (Cuddle)

これはハグとかスキンシップなんですね、抱き合ったり、身体的・精神的な温もりを感じること、お互い好きだと言ったり、イチャイチャしたり、そういうことでますます幸せホルモンが分泌されるので、こちらもぜひやってみてください。

K -(Kiss)

日本人はなかなか人前でキスをするやる習慣がないですが、日々大切なものです。人前でやらなくてもいいので、セックスをする時は急にセックスするのではなくて、唇、頬、背中に首からウエストまで、唇だけでなく、ほっぺたとか髪とか、色々なところをお互いのカラダを使ってキスしていきましょう。

すぐにプライベートゾーンを触るのではなく、足や太ももにキスを繰り返して、それからエロティックゾーンにキスしていくことで脳が覚醒されるし、神経が覚醒されるんです。

海外では日本よりも自然にこういうことができる環境や文化がある?

真坂:此花さんが学術的に、専門的に説明していただいたんですけれど、日本人ではできている人はほとんどいないと思うのですが、海外ではこういったことが自然にできる環境や文化がありますか?

此花:欧米では、スキンシップは彼らの習慣ですからね。英語で「flirt」という言葉があるんですけど、日本語に訳すのが難しいのですが、駆け引きとかイチャイチャするという意味です。欧米では夫婦でも夫婦でなくても「flirt」するんですよね。

ただ好きだよ、というのではなく駆け引きするんですね、じーっと目を見たりとか、ふっと目をそらしたり、急に誘うんじゃなく遠回しに誘ってみたり、遊びという意味では「flirt」文化が上手だなと思いますね。

セックスレスも少ないですね、アメリカとかイギリスだと15%〜20%くらいいると言われています。日本は51%

スウェーデンはセックスレスという概念はないんです。でも性的に不幸せという人はいるらしく、性的に不幸せな人は4割ぐらい。セックスしても性的に不幸せな人はいるので、色々な人が混じっています。なかなかおもしろいですね、セックスレスという概念がないというのは。

セックスレスは色々な要因があるので、今日すべてお話するのは難しいかなと思うのですが……。

性的スキンシップと非性的スキンシップのバランスが大事

先日スウェーデンのセクソロジストを取材したんですが、スキンシップで一番気をつけなければいけないのは、2種類のスキンシップがあるということ。

ひとつは非性的スキンシップ、髪を触ったり肩を触ったり、腕を触ったり、足を触ったり、性的ではないところを触ること。もうひとつは性的スキンシップ、これはエロティックゾーン、胸とか、顔とかです。

この2つのスキンシップのバランスが取れていないと、片方が非常に不満を抱えてしまうんですね。性的スキンシップが多すぎると、自分が性的モノ化されている気がして、セックスが嫌になってしまう。

非性的スキンシップばかりになってしまうと、例えば、すごくイチャイチャしているのにセックスに至らない、というのありますよね。実は非性的スキンシップ、肩組んだり、抱き合ったりというのをやりすぎると、テストステロン、性欲のホルモンが下がってしまうんです。オキシトシンが上がりすぎると、テストステロンが下がって性欲が失くなってしまう、だからこのバランスをうまく取らなきゃいけない。

真坂:すごく繊細なんですね。

此花:人間のセクシュアリティはとても複雑で、セックスレスを治す魔法の杖があるかといえば、無いんですね。

だからこそ、私たちは一人ひとり自分のセクシャリティに向き合って、自分が何をされたらいやなのか、何をされたら興奮が醒めてしまうのか、というのを知るのが重要なんじゃないかと。セックスに興味があればですが。

セックスにはオーガズムがマストと思っている人も多いのではないでしょうか。しかし、オーガズムを感じない人も意外と多いようです。また女性のオーガズムが男性よりも複雑だというのは、男性だけでなく当事者である女性さえも知らない人が多いかもしれませんね。

セックスにおいてオーガズムや挿入にこだわるのではなく、もっとゆっくりリラックスしながら、パートナーとの心や体のスキンシップを大事にすることが、自分自身の喜びにもつながるということなのでしょう。

さて、次回はいよいよ最終回。更年期世代ならではのセックスやセックスレスのお悩みと此花さんのアドバイスをご紹介しますので、お楽しみに。

次の記事はこちら。

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この記事を書いた人

此花わかのアバター 此花わか 【リレーションシップコンサルタント】

ジャーナリスト
リレーションシップコンサルタント

アメリカの性とリレーションシップのコーチングスクールで学ぶ。セックスポジティブな社会を目指す「セクポジ・マガジン」を発信中。FRaU 、Newsweek、Huffpost、SPA!、FRONT ROW、GLITTERなどで執筆。

このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法や専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません。

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