更年期の肩こりに湿布は効かない?40代から知っておきたい原因とセルフケア

「湿布を貼っても、肩のガチガチがなかなか取れない……」そんな経験はありませんか? 40代・50代に入り、肩こりが長引くようになった方は少なくありません。
更年期の肩こりには、女性ホルモンの減少や自律神経の乱れが関係していると考えられています。
本記事では、更年期の肩こりに湿布が効かないと感じる理由と、自宅でできるセルフケア、受診の目安についてご紹介します。
湿布を貼ってもスッキリしない…肩こりは「更年期のサイン」かも?

更年期(閉経前後の約10年間)に入ると、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌が減っていきます。1その影響が、肩や首まわりにも及ぶことがあるのです。
そのため、更年期の肩こりにはいくつか共通した特徴があるといわれています。「肩以外にも広がる」「休んでもまた症状が出る」「ほかの不調を伴う」などです。具体的には、以下のようなケースがみられます。
- 肩だけでなく首の付け根や背中、後頭部まで重だるさが広がる
- マッサージや湿布で一時的に楽になっても、すぐ戻ってしまう
- 天気や気分、時間帯によってつらさが変わる
- のぼせや動悸、寝つきの悪さ、気分の落ち込みなどもみられる
一つでも当てはまれば、更年期のサインのひとつかもしれません。ホルモンの変化で血の巡りや自律神経が乱れやすくなることが、背景にあると考えられています。

【肩がガチガチ】更年期の肩こりに「湿布が効かない理由」
更年期に入って肩がガチガチになるのは、体の内側の変化が関わっているためです。ここでは2つの主な理由をみていきましょう。
エストロゲン低下による「血行不良」
エストロゲンには、血管をしなやかに保つ働きがあるといわれています。エストロゲンの分泌量が減ると血管が硬くなりやすく、血の巡りが悪くなりがちです。
血流が滞ると筋肉に酸素や栄養が届きにくくなり、疲労物質もたまりやすくなります。その結果、こりが長引く一因になると考えられています。
湿布は皮膚の表面から働くため、血の巡りの悪さそのものには届きにくいのも理由のひとつです。
自律神経の乱れによる「筋肉の持続的な緊張」
エストロゲンには、自律神経を安定させる働きもあります。2エストロゲンの分泌量が減ると自律神経が乱れやすくなり、肩や首の筋肉にも影響が出やすくなるのです。
湿布が効かないのは、痛みの原因が筋肉の使いすぎだけでなく、神経の緊張やホルモンの変化にもあるためだと考えられます。
湿布は一時的に痛みをやわらげる助けにはなっても、筋肉の緊張そのものまでは変えにくいのです。

湿布に頼らない!40代からの肩こりを根本から和らげるセルフケア

更年期の肩こりは、体の内側と外側の両方を少しずつ整えていくことが大切です。
ここでは、無理なく続けやすい3つの習慣をご紹介します。できそうなものから、気軽に試してみてください。
ホルモンバランスを整える栄養素
まずは、毎日の食事の見直しから。大豆イソフラボン(エストロゲンに似た働きをするといわれる成分)は、納豆や豆腐、豆乳に含まれています。3
血の巡りを支えるビタミンEはナッツ類に、筋肉の緊張に関わるマグネシウムは海藻やバナナに多く含まれます。青魚やビタミンB群もあわせて取り入れましょう。
サプリメントで補う場合は、摂りすぎに注意が必要です。持病や服用中の薬がある方は、医師や薬剤師に相談してから選びましょう。
体を温めて血行促進
血の巡りを助けるには、体を温める習慣が役立つといわれています。38〜40度ほどのぬるめのお湯に、10〜15分ゆっくりつかるとよいでしょう。
シャワーだけで済ませた日は、蒸しタオルを首の後ろに当ててみましょう。腹巻きをつけたり、首元をスカーフで包んだりして冷えを防ぐのも手軽な方法です。
軽い運動やストレッチ
肩甲骨まわりを動かすと、固まった筋肉がほぐれやすくなります。両肩をすくめてからゆっくり下ろす動きや、ひじを大きく回す動きから始めてみましょう。
ウォーキングのような軽い有酸素運動も、血流促進や気分の切り替えに向いています。
ただし、効果の感じ方には個人差があります。痛みが強い日は無理をせず、自分のペースで続けましょう。
つらい肩こりが続く時は、我慢せずに医療機関へ相談を
セルフケアを続けても改善しない場合は、専門家に相談してみましょう。婦人科や更年期外来では、ホルモンの状態や全身の不調をまとめて相談できます。
更年期の治療には、いくつかの選択肢があります。症状の強さや体質、持病の有無によって、合う方法は人それぞれ。つらさや生活への影響を伝えながら、医師と一緒に選んでいきましょう。
更年期の肩こりには、以下のような治療法を選べることがあります。
漢方薬
体質や全身の状態に合わせて処方されます。冷えやのぼせ、気分の波が気になる方などに検討されることがあります。
ホルモン補充療法(HRT)
減ったエストロゲンを、飲み薬や貼り薬などで補う治療法です。1)のぼせや発汗といった症状が強い場合に、選択肢になることがあります。
乳がんや血栓症の既往がある場合などは、受けられないケースもあります。
その他の治療
不安感や眠れない症状が強い場合は、気持ちを落ち着かせる薬や、睡眠を整える薬が検討されることもあります。1)
どの治療にもメリットと注意点があります。気になる方法があれば、専門の医師に質問してみてください。
また、次のような症状がある場合は、ほかの病気が隠れている可能性もあります。
- 腕や手にしびれがある
- 経験したことのない強い頭痛を伴う
- 胸の痛みや息苦しさがある
- 肩の痛みが2週間以上続き、日常生活に支障が出ている
これらの症状に心当たりがある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

湿布が効かない肩こりは更年期のサインかも? 自分に合うケアを見つけよう

本記事では、更年期の肩こりに湿布が効かないと感じる理由と、40代からできるセルフケア、受診の目安について説明してきました。背景には、エストロゲンの減少による血行不良と、自律神経の乱れによる筋肉の緊張があると考えられています。
湿布で楽にならないのは、決して珍しいことではありません。更年期は、体が変わる時期。ケアの方法も少しずつ見直していきましょう。
まずは食事や入浴、軽いストレッチなど、できることから始めてみてください。それでもつらい時は、無理せず婦人科などの専門家に相談してみましょう。
参考
- 公益財団法人 日本産科婦人科学会 更年期障害 https://www.jsog.or.jp/citizen/5717/
↩︎ - 働く女性の心とからだの応援サイト https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/lifestage.html
↩︎ - 厚生労働省 大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/h0202-1a.html#q04
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