「職場で私だけ汗だく…」更年期のホットフラッシュと仕事のリアル

急に顔がカーッと熱くなり、汗が止まらなくなる。更年期のホットフラッシュは、時間や場所を選ばずに起こります。会議中や接客中に起きると、体のつらさに加えて、人の目も気になるものです。
TRULYでは、仕事中のホットフラッシュを経験した40〜50代の女性にインタビューを行いました。職場で感じるつらさ、周囲に伝えるかどうかの迷い、乗り切るための工夫を、働き方の違う3人の声を中心に紹介します。
回答者の75%が「ほぼ毎日」。ホットフラッシュが起きる理由

仕事中にホットフラッシュが起きる頻度を聞くと、回答者の75%が「毎日」「仕事のたびに」と答えました。
直美さんほぼ毎日です。常に動いている仕事なので、顔に汗をかくと全身が暑くなって、しんどいと感じることがあります
ホットフラッシュの主な原因は、女性ホルモン(エストロゲン)が大きくゆらぎながら低下することです。体温を調節する自律神経のバランスが乱れ、暑くないのに血管が広がって熱を逃がそうとするため、急なほてりや発汗が起こります1。
更年期は、閉経をはさんだ前後5年ずつ、あわせて10年間のこと。日本人の平均閉経年齢は50歳前後といわれています2。40代後半から50代は、仕事で責任ある立場を任される時期とも重なります。
いちばんつらいのは「汗」より「恥ずかしさ」
つらい場面を聞くと、汗そのものより、人に見られる気まずさを挙げる人が目立ちました。



汗で下着や服が濡れて気持ち悪いです。部屋で1人だけ汗をかいていて、とても恥ずかしい



接客業なので、汗をかくと恥ずかしいです。汗で眉毛やメイクが落ちて、見苦しくなってしまいます
恵子さんは「目立たないようにしようと焦ると、さらに汗が出てしまう」とも話していました。
職場の環境が、つらさに追い打ちをかけることもあります。回答では、次のような声も挙がりました。
● 空調の温度を自分で変えられない
● 汗をかいても、すぐに着替えに行けない
● 休憩所が遠く、少し涼みに行くこともできない
● 浴室清掃や入浴介助など、湯気のこもる場所での作業を避けられない
暑さや汗への対処だけでなく、周囲に気づかれないよう気を配ることも、仕事中の大きな負担になっていました。
職場に伝える?伝えない?半数が「言っていない」


職場の人にホットフラッシュや更年期症状を伝えているか聞くと、回答者の半数が「伝えていない」と答えました。



更年期が恥ずかしいので伝えていません。更年期がバレないように気をつけています
「上司もスタッフもいい人ばかり。でも、同年代でも症状を理解してもらえそうになくて言いにくい」という声もありました。職場の人を信頼していても、言い出しにくさは残るようです。
伝えている人にも、それぞれの思いがあります。



親しい同僚には言っています。隠しているつもりはないけれど、仕事ができないわけではないので、自分からは話していません
更年期症状がつらくて退職した40代の女性は、周囲に伝えていたものの、真剣には受け止めてもらえなかったといいます。「生理には生理休暇があるのに、更年期は配慮がなく、つらいだけでした」
症状を伝えることと、必要な理解や配慮を得られることは、必ずしも同じではありません。
一方、職場に自分用の扇風機を置いている48歳の女性は「それくらい言えない人間関係ではだめだと思う」と、率直に話していました。
働き方で違う、それぞれの乗り切り方
【デスクワーク】汗が目立たない服と、手元の風



汗が目立たない服を着ています。汗拭きシートは必需品です
デスクワークの人からは「コンセントにつなぐ扇風機を置いている」「デスクファンをつけっぱなしにしている」という声もありました。
【接客】首元を冷やし、メイクは崩れにくく



首まわりに、目立たないクールマフラーをつけています。眉はマスカラで描いて、ファンデーションは薄めにしています
【体を動かす仕事】ポケットに保冷剤



小さい保冷剤をポケットに入れたり、タオルに巻いて首の後ろに当てたりしています
首の後ろや脇の下など、太い血管が通る場所を冷やすと、効率よく熱を逃がせます。汗を多くかく日は、こまめな水分補給も忘れずに。




「辞めたい」と思うほどつらいときは



特に夏はつらすぎて、数え切れないくらい退職を考えました。でも秋口になると、次の春まで頑張れるかもと自分を励ましています
由美さんも「フルリモートで働きたいと思ったけれど、無理だった」と話します。アンケート回答者の中には、症状がつらくて実際に退職した人もいました。
厚生労働省の調査では、更年期障害の可能性があると考えている女性は、40代で28.3%、50代で38.3%。一方、更年期症状があっても医療機関を受診していない女性は、40代で81.7%、50代で78.9%にのぼります3。
ホットフラッシュは、婦人科で治療を相談できる症状です。女性ホルモンを補うホルモン補充療法(HRT)や漢方薬など、症状や体質に合わせた治療法があります。発汗や動悸はほかの病気でも起こるため、別の原因が隠れていないかを確かめる意味でも、受診は大切です。


働きながらホットフラッシュを経験した人たちが伝えたいこと


最後に、回答者から同じ悩みを持つ人へのメッセージを紹介します。



更年期は、時期が来たらきっと終わるはず。無理せず、自分を大切にしていきましょう



ホットフラッシュがひどいときは、好きなことや好きな食べ物で、自分にご褒美をあげています
退職を経験した女性からは、「つらいときは休んでください。無理に働かないでください」という声も。
回答者の言葉には、「きっと終わる」という前向きさと、「無理はしないで」という願いが込められていました。ただ、更年期が終わるまでの時間を我慢して過ごす必要はありません。症状が仕事に影響しているときは、婦人科や更年期外来で相談してみましょう。
※本記事は実際の体験談をもとに構成・編集しております。
参考















