男性の性欲減退はなぜ起こる?主な原因と対策、受診目安

「性的なことへの関心や欲求が、以前より薄れてきた」
勃起不全(ED)とは別に、こうした性欲減退が気になり、「年齢のせいなのか」「何か病気があるのか」と不安を感じる人もいるのではないでしょうか。
男性の性欲減退には、年齢に伴う男性ホルモンの低下だけでなく、心の状態や薬、病気など、さまざまな要因が関わっている場合があります。1),2)
この記事では、男性の性欲減退で考えられる主な原因と、見直したい生活習慣、受診の目安や相談先を解説します。
男性の性欲減退で考えられる主な原因

性欲減退の主な原因を、男性ホルモン、心理的な要因、薬や病気の3つに分けて紹介します。原因はひとつとは限らず、いくつかが重なっている場合もあります。1),2)
男性ホルモン(テストステロン)の低下
男性ホルモンであるテストステロンは性欲に関わっており、テストステロンの値が低いことと性欲減退との関係は、多くの研究で示されています。1)
性欲減退は、男性更年期(LOH症候群)でよくみられる症状のひとつです。男性更年期は、加齢やストレスに伴うテストステロンの分泌低下によって、心身にさまざまな症状が現れる状態です。1)
テストステロンの分泌は、30歳以降になると年齢とともにゆるやかに減っていきます。1)
ただし、加齢によるテストステロンの変化には個人差があり、減少する速さや程度、時期は人によって異なります。そのため、何歳から性欲が減退するかは一律に決められません。1),3)
一方で、性欲減退のすべてがテストステロンの値で説明できるわけではありません。
心の状態や薬など、ホルモン以外の原因もあるため、若い年代でも性欲減退が起こることがあります。2)

ストレスや気分の落ち込みなどの心理的な要因
性欲は、ストレスや不安、気分の落ち込みなど、心の状態にも影響されます。
うつなどの心の不調が、性欲減退の背景にある場合もあります。2)
たとえば、性的な場面で「うまく勃起できるだろうか」と不安になることもあるでしょう。こうした不安や、パートナーとの関係での気がかりが心の負担となり、性欲に影響する場合もあります。2)
性欲の変化にはこうした背景もあるため、性欲が減退したからといって、パートナーへの愛情が薄れたと決めつける必要はありません。
服用中の薬や病気の影響
服用中の薬や、男性更年期以外の病気が、性欲減退に関わることもあります。1),2)
たとえば、一部の抗うつ薬により性欲減退がみられることが知られています。2)
薬を飲み始めたり変更したりした時期と、性欲の変化が重なることもあるでしょう。その場合は、自己判断で薬をやめたり量を減らしたりせず、処方した医師や薬剤師に相談してください。
病気の影響としては、テストステロン以外のホルモンの異常などが挙げられます。2)
性欲減退が気になるときに見直したい生活習慣

睡眠や休養、運動、食事などの生活習慣の見直しは、男性更年期への対応として勧められています。3)
性欲減退の原因によっては、こうした生活習慣の見直しが役立つ場合があります。
十分な睡眠と休養をとりストレスをためこまない
忙しさから睡眠や休養を後回しにしていないか、日々の過ごし方を見直してみてください。
睡眠不足やストレスは、男性ホルモンの低下に影響することがあります。3)
夜更かしが続いている場合は、就寝前に仕事をする時間や、スマートフォンを見る時間を調整し、睡眠時間を確保しましょう。疲れを感じたときは、意識して休む時間をとることも大切です。
ストレスを完全になくそうとする必要はありません。
趣味や散歩、身近な人との会話など、自分に合った気分転換を取り入れましょう。
無理のない運動を続ける
運動不足が続いている人は、日常生活に運動を取り入れましょう。運動は、男性更年期への対策として勧められている生活習慣のひとつです。1),3)
ウォーキングなど、日常に取り入れやすいものから始めてみましょう。階段を使う、ひと駅分歩くといった工夫でも、体を動かす機会は増やせます。体力に合わせて筋力トレーニングを組み合わせてもよいでしょう。
無理なく続けられるペースを見つけることが大切です。
なお、持病がある人や運動の制限がある人は、かかりつけ医に相談したうえで取り組んでください。
食生活を見直す
特定の食べ物に頼るのではなく、まずは普段の食事全体を振り返りましょう。
外食や間食が多く栄養が偏っていないか、食べすぎや極端な食事制限をしていないかがポイントです。
主食・主菜・副菜を組み合わせることで、必要な栄養素をバランスよくとれます。4)
また、肥満とテストステロンの低下は、互いに影響し合うとされています。1)
体重が増えてきた人は、食事の量や内容をあわせて見直すとよいでしょう。

性欲減退で受診を考える目安と相談先

性欲減退が気になる場合や、生活に支障を感じている場合は、年齢のせいと決めつけず、医療機関への相談も考えてみましょう。
受診を考えたい変化や症状
性欲の強さには個人差があり、性欲減退を感じたからといって病気とは限りません。そのうえで、次のような場合は、一人で悩まず相談を検討してください。
- 以前と比べて急に性欲がなくなり、気になっている
- 性欲減退が続き、不安を感じたり、パートナーとの関係に悩んだりしている
- 疲れやすさや気分の落ち込み、勃起不全(ED)など、ほかの変化もある
- 服用中の薬が影響していないか気になる
疲れやすさや気分の落ち込み、EDは、男性更年期でもみられる症状です。1)
診察では性欲だけでなく、こうした心身の変化もあわせて伝えることが、原因を考える手がかりになります。1),2)
症状に応じた相談先
性欲減退やED、男性更年期が気になる場合は、泌尿器科や男性更年期外来が相談先です。気分の落ち込みや不安が強い場合は、精神科や心療内科にも相談できます。1)
どこに行けばよいか迷うときは、まずかかりつけ医に相談してもよいでしょう。薬の影響が気になる場合は、処方した医師に相談できます。
受診の際は、いつごろから変化を感じているかなどをメモしておくと伝えやすくなります。薬を服用中の場合は、お薬手帳も持参しましょう。
診察では、症状や持病、服用している薬などを確認し、必要に応じて血液検査でテストステロンの値などを調べます。症状と血液検査の結果などを総合的に判断して、背景にある病気の治療や薬の調整などが検討されます。1),2)

性欲減退が気になる男性は年齢のせいと決めつけず相談を

男性の性欲減退には、男性ホルモンの低下だけでなく、心理的な要因や服用中の薬、病気などさまざまな原因が関わります。
原因はひとつとは限らず、年齢だけで決まるものでもありません。
日々の生活習慣を振り返り、十分な睡眠や休養、無理のない運動や食生活の見直しなど、取り組めることから始めてみるとよいでしょう。
性欲減退が続いて気になるときや、ほかの心身の変化もあるときは、一人で抱え込まずに医療機関へ相談してください。
原因を知ることが、自分に合った対処を考える第一歩になります。
出典
1.日本泌尿器科学会・日本メンズヘルス医学会|LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き2022
3.一般社団法人日本内分泌学会|男性更年期障害(加齢性腺機能低下症、LOH症候群)
4.厚生労働省健康日本21アクション支援システム|健康な食事をとりましょう!







