男性の更年期は何歳から?年齢の目安と症状を解説

年齢を重ねるにつれて不調を感じ、「男性の更年期は何歳から始まる?」と戸惑う人もいるのではないでしょうか。
男性更年期にともなう症状は、おおむね40代以降のどの年代でも現れる可能性があります。
ただし、始まる年齢や現れる症状には個人差があり、年齢だけでは判断できません。
この記事では、男性更年期が始まる年齢の目安と主な症状、気になるときのセルフチェックや症状に応じた相談先を解説します。
男性更年期が始まる年齢

男性更年期は、症状が始まる年齢が一律に決まっているわけではありません。
目安は40代以降ですが、症状が現れる時期には個人差があります。1)
始まる目安は40代以降
男性更年期の症状は、おおむね40代以降のどの年代でも起こる可能性があります。
男性ホルモンであるテストステロンは、20~30歳頃にピークを迎え、30歳以降は緩やかに低下するとされています。2)
ただし、テストステロンが低下し始める年齢と、男性更年期の症状を自覚する年齢は必ずしも一致しません。
そのため、年齢だけで男性更年期かどうかを判断することはできず、症状が現れ始める時期には個人差があります。
始まる年齢に個人差がある理由
男性更年期が始まる時期に個人差があるのは、テストステロンが低下する速さや程度、時期が人によって異なるためです。1)
血液中のテストステロンのうち、たんぱく質と結合せず、男性ホルモンとして作用するものを遊離テストステロンといいます。
日本人では、総テストステロンの加齢による減少は小さい一方、遊離テストステロンは年齢とともに低下しやすいとされています。2)
ただし、遊離テストステロンの値と症状の現れ方は必ずしも一致しません。
また、テストステロンの値は加齢だけでなくストレスや肥満、持病などの影響も受けます。2)
男性更年期には女性の閉経のような明確な節目がないため、始まる年齢や症状が落ち着く時期を一概に決めることはできません。

男性更年期でみられる主な症状

男性更年期では、体の不調だけでなく、気分や性機能にも変化が現れます。
症状や強さも人によってさまざまです。
疲れやすさやほてりなどの身体症状
男性更年期では、疲れやすさやほてりなどの身体症状が現れることがあります。
テストステロンは筋肉や骨など、体のさまざまな機能に関わっているためです。2)
具体的には、だるさや発汗、眠りの浅さなどが挙げられます。
筋力の低下や関節・筋肉の痛みを感じる人もいます。2)
ただし、これらはほかの病気や体調不良でも起こり得る症状です。
症状だけで男性更年期と決めつけないようにしましょう。
意欲低下やイライラなどの精神症状
男性更年期では、意欲低下やイライラなどの精神症状が現れることがあります。
テストステロンの減少は、気分の変化と関わるとされているためです。2)
たとえば、以前よりやる気が出ない、仕事に集中できない、ささいなことでイライラするといった変化です。
不安感や気分の落ち込みが現れる人もいます。
これらはうつ病などでもみられる症状です。
症状が強い、または長く続くときは、男性更年期だと自己判断しないことが大切です。

性欲低下やEDなどの性機能症状
性機能の変化も、男性更年期の代表的な症状です。
主な症状は、性欲の低下、十分な勃起が得られない・続かない、早朝勃起の減少などです。
こうした性機能の症状は、テストステロンの低下との関連が比較的強いとされています。2)
ただし、EDには、血管の状態や生活習慣病、心理的な要因など、男性更年期以外の原因もあります。
性機能の変化だけで原因を決めつけず、ほかの症状も含めて考えることが大切です。

男性更年期が気になる場合のセルフチェックと相談先

気になる症状があるときは、まず自分の状態を振り返り、必要に応じて医療機関に相談することが大切です。
ここでは、その具体的な流れを紹介します。
症状を振り返る目安となるセルフチェック
症状を確認する方法のひとつに、Aging Males’ Symptoms(AMS)スコアがあります。
これは、心身や性機能に関する17項目を点数化し、症状の程度を振り返るための質問票です。
【AMSスコア】2)
| 症状 | なし1点 | 軽い2点 | 中等度3点 | 重い4点 | 非常に重い5点 |
| 総合的に調子が思わしくない | |||||
| 関節や筋肉の痛み | |||||
| ひどい発汗 | |||||
| 睡眠の悩み | |||||
| よく眠くなる、しばしば疲れを感じる | |||||
| いらいらする | |||||
| 神経質になった | |||||
| 不安感 | |||||
| 体の疲労や行動力の減退 | |||||
| 筋力の低下 | |||||
| 憂うつな気分 | |||||
| 「絶頂期はすぎた」と感じる | |||||
| 力尽きた、どん底にいると感じる | |||||
| ひげの伸びが遅くなった | |||||
| 性的能力の衰え | |||||
| 早朝勃起の回数の減少 | |||||
| 性欲の低下 |
合計点数によって、訴えの程度を以下のように判定します。
- 17〜26点:なし
- 27〜36点:軽度
- 37〜49点:中等度
- 50点以上:重度
各項目を5段階で評価し、合計点で訴えの重さを確認します。
自分がどのような不調を、どの程度感じているかを把握する際の目安です。
ただし、AMSスコアは症状を幅広く拾いやすい一方、男性更年期以外の不調でも高得点になることがあります。
つまり、点数が高いからといって男性更年期と確定するわけではありません。2)
セルフチェックの結果は自分の状態に気づくきっかけとして活用し、診断については医師に相談しましょう。

症状に応じた診療科
気になる症状が続くときは、症状に応じた診療科への相談を検討してください。
男性更年期でみられる不調は体・心・性機能にまたがり、ほかの病気でも起こり得るためです。
体や性機能の症状が中心の場合は泌尿器科や男性更年期外来、気分の落ち込みなど心の症状が強い場合は心療内科や精神科が選択肢となります。3)
医療機関によっては、男性更年期外来やメンズヘルス外来を設けています。
どの診療科を受診すればよいかわからない場合は、かかりつけ医や内科に相談してもよいでしょう。
受診前に、医療機関のホームページや電話で男性更年期の診療に対応しているか確認しておくと、受診先を選びやすくなります。
不調が続く、または日常生活に支障が出ているときは、セルフチェックの結果だけで判断せず、早めに相談することをおすすめします。医療機関では、症状や既往歴などを伺った上で、血液検査を行い、総合的に判断することで、個々に適した治療法が見つかる可能性があります。

男性更年期は年齢だけで判断せず、不調が続く場合は相談を

男性更年期にともなう症状は、40代以降のどの年代でも現れる可能性があります。
一方で、テストステロンの低下には個人差があるため、始まる時期や現れる症状は一律ではありません。
疲れやほてり、気分の落ち込み、性欲低下といった症状が気になるときは、セルフチェックで振り返ることはできても、それだけで診断できるものではありません。
不調が続くときや日常生活に支障が出ているときは、年齢やセルフチェックの結果だけで判断せず、症状に応じて泌尿器科などの医療機関へ相談してください。
出典
1. 日本内分泌学会「男性更年期障害(加齢性腺機能低下症、LOH症候群)」
2. 日本泌尿器科学会・日本メンズヘルス医学会「LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き2022」
3. 神奈川県「男性の更年期障害」






