【泌尿器科の医師に聞く!《後編》】男性更年期の改善方法と治療について

記事更新日: 2023/09/23 TRULY編集部

【監修医師】佐々木裕

  • 男性更年期障害の相談ができる代表的な診療科は「泌尿器科」や「メンズヘルス外来」です。

  • TRULYでは、泌尿器科医師である【佐々木クリニック泌尿器科 芝大門】院長の佐々木裕先生に、男性更年期障害について治療の実際や生活でのアドバイスなど、幅広く教えていただきました。


  • 前半の「【泌尿器科の医師に聞く!《前編》】保険診療or自費?男性更年期障害の診断とセルフ検査」では男性更年期障害の診断や、TRULYのセルフ検査キットについてお伝えしました。

  • 後半では、実際の治療や、予防法・セルフケアについて伺った内容を紹介します。


    • 男性更年期障害:ストレスなど様々な原因での男性ホルモンの低下による不調
    • 加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群):加齢による男性ホルモンの低下による不調
    • 注)記事内での男性更年期障害は、LOH症候群も含んだ意味で使用しています。


  • Q.男性更年期障害にはどんな治療がありますか?

  • 男性ホルモンを補充する方法があります。注射剤を3~4週間ごとに投与する方法や塗り薬による方法です。

  • 症状や検査結果によって治療法が異なる場合もあり、また、自費での治療となることもあるため、医師とよく相談し、納得して治療を受けることが大切です。



  • Q.男性更年期障害の患者さんに日常生活改善でアドバイスされていることを教えてください。

  • いかにして、日常の生活の中で男性ホルモン上げるかということをアドバイスしています。


  • ①運動は重要!

  • 1日40~60分の有酸素運動を週3回、具体的にはウォーキングや軽いジョギングなどですね。

  • ※「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)診療の手引き2022」にて推奨

  • あまり極端な運動はかえってマイナスとなることもあります。無理のない範囲で楽しく運動することがベターです。


  • ②メタボリックシンドロームを防ぐ!

  • メタボリックシンドロームは、男性ホルモンの低下と密接に関係しているため、予防していくことが重要です。

  • その中で、毎日の食事はとても重要です。高脂肪食や炭水化物の摂りすぎを避けましょう。また、アルコールも飲みすぎにも注意してください。

  • どうしてもお忙しい年代で外食も増えることが多いと思います。一旦、自分のおなかの張り具合をみてバランスのいい食事を心がけたり、アルコールは休肝日を作りましょう。


  • ③ストレスを避ける・楽しいことをする!

  • ストレスはテストステロンを下げるため、できるだけ自分にかかるストレスを少なくしたいところです。とはいっても現代社会ではストレスを完全に避けることは難しいかもしれません。

  • 趣味や好きなことをするとテストステロンが上昇するとも言われています。限られた時間の中でリラックスできる工夫が出来るといいですね。



  • Q.男性更年期障害かもしれないと悩んでいる男性にメッセージをお願いします。

  • 更年期症状のひとつに、うつ症状があります。これが男性ホルモンの減少による場合と、そうでない場合があります。

  • もしうつ病であった場合は、無理をしてはいけません。心療内科や精神科など適切な診療科で診察を受ける必要性があります。

  • 自分では判断が難しいことも多いので、まず、お近くの医師にご相談ください。 


  • 男性の方も更年期かもしれないと悩んでいる方はたくさんいらっしゃいます。ご自分だけではありません。

  • 更年期障害と思っていたら別の病気ということもあります。不安ならぜひお気軽に専門医に相談してみることをお勧めします。



  • Q.更年期障害、家族や周囲の方はどのように接したらいいですか?

  • 家族や周りとのコミュニケーションは非常に重要です。イライラや元気がないことを「更年期障害だね」「更年期障害じゃない?」などの言葉を安易に使用するのは、出来るだけ避けてほしいです。

  • こうしたことを言われると、ご本人もより内向きになってしまうことがあります。もし、更年期かと思ったら優しく受診や検査を勧めてみてください。

  • 更年期症状は治療で改善することがあり、お互いに充実した日々を過ごせるようになる場合があります。普段から相手を思いやり、感謝の言葉をかけることを忘れないでくださいね。



  • Q.更年期障害以外にも泌尿器科関連の病気、症状で気を付けてほしいメッセージを更年期世代の男性へお願いします。

  • 40~50代以上で多くみられる泌尿器症状は、尿が赤い、排尿困難、精液が赤い、頻尿など様々あります。こうした症状、更年期同様に年齢のせいと片付けていませんか?

  • 治療により改善する症状も多いです。また、こうした症状の中に膀胱がんや前立腺がんなどの初期症状といった場合もあります。

  • 特に無症候性血尿といい、症状がない血尿は泌尿器がんの初期症状といった場合があります。血尿を認めた場合は、泌尿器科でご相談いただく事を強く推奨いたします。(泌尿器がんは見つかりづらいことがあります!)

  • 気になる症状があるときは、まずは、お気軽にお近くの泌尿器科でご相談してみてください。


  • 最後に、そうはいってもなかなか泌尿器科の受診は、恥ずかしいなどハードルがあると思います。

  • 最近は、名前で呼ばれない、待合室・トイレが男女別、WEBでの問診などプライバシーに配慮した施設も多くあります。

  • お近くの泌尿器科やメンズヘルス外来を探してみてください。



  • 佐々木クリニック泌尿器科 芝大門 院長

  • 佐々木裕先生

    • 日本泌尿器科学会認定医 泌尿器科専門医・指導医
    • 日本癌治療学会 がん治療認定医
    • 日本泌尿器ロボティックス・内視鏡学会腹腔鏡技術認定医
    • 日本メンズヘルス医学会 テストステロン治療認定医
    • ぼうこう又は直腸機能障害 指定医
    • がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修修了



  • 男性更年期について、専門家である泌尿器科医師佐々木先生に詳しく教えていただき、悩みを抱える男性本人だけでなく、周りの人の理解が適切な検査・治療の近道ということが分かりました。

  • 佐々木先生、色々と教えていただきありがとうございました!



  • 髪の毛や爪を郵送するという自宅で気軽に受けられる、TRULYのセルフ検査キット「MENOPO CHECK FOR MEN(メノポチェック)」は、身近な男性へすすめていただくことで、いいきっかけとして活用できそうです。

  • https://menopocheck.com/

監修者プロフィール

【監修医師】佐々木裕

1999年 東京慈恵会医科大学卒業。虎の門病院や東海大学医学部付属病院、トロント大学サニーブルックヘルスサイエンスセンターなどで臨床経験を積み、東京慈恵会医科大学講師などを経て2022年11月、芝大門に泌尿器科専門のクリニックを開院、院長となる。泌尿器科の専門施設として、プライマリケアはもちろんのこと、大病院での精査の判断、病院での治療後の継続フォロー、泌尿器以外の病気の相談等、きめ細やかな対応ができる施設を目指している。特にPSA高値・前立腺がんのマネージメント、日帰りの経会陰前立腺生検に力を入れている

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