【男性更年期の治療法】男性更年期かなと思ったら、我慢しないで早めに対処しよう!

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男性更年期についてのシリーズではこれまで、運動・睡眠・食事の観点からセルフケアをご紹介してきました。

前回までの記事はこちら。

セルフケアを行っても改善しない時や、症状が日常生活に影響がある場合、我慢は禁物。病院で治療を行うことも1つの選択肢です。男性ホルモンの低下に伴う症状は様々なため、治療も症状にあったものが選択されます。

今回のコラムでは、男性更年期の診断や治療についてご紹介していきます。

目次

男性更年期障害かなと思ったら

更年期の代表的な症状は「体がだるい」「やる気が起きない」「イライラする」「のぼせる」「眠れない」などがあり、男性特有のものだと「勃起力の低下や性欲減退」といったものもあげられます。

男性更年期の主な症状

性欲が低下した、朝の勃起が見られなくなった

興味・意欲の減退(仕事に燃えない)、パフォーマンスの低下、疲れやすい

集中力・判断力・記憶力が低下した

短気で怒りっぽくなった、自己中心的、神経質、不安、気分が落ち込む

睡眠のリズムが乱れやすく、夜間に目が覚めて眠れない

筋肉量の減少、内臓脂肪の増加、皮膚がたるむ、シワが出てきた、骨が脆くなった

関節痛、筋肉痛、頭痛、発汗、ほてり、手足の冷え

一見疲れや加齢によって誰にでも起こりそうな症状であはりますが、これらの症状が複数該当する場合はもしかすると男性更年期が原因かもしれません。

気になる場合は、病院を受診して検査をしてもらいましょう。男性ホルモンの低下が伴っているか否かで、治療は異なります。そのため、病院で血液検査と問診を行う必要があるのです。

男性更年期障害の治療とは?

男性更年期障害の治療として代表的なものを3つご紹介します。

アンドロゲン(男性ホルモン)補充療法

血液検査を行い血液中のテストステロンが低い値の場合には、「加齢男性性腺機能低下症(LOH症候群)」と診断されることがあります。

血中のテストステロンが著しく低下している場合は、テストステロンを補充するアンドロゲン補充療法(ART)が一般的です。

日本で健康保険が適用されているアンドロゲン補充療法では、男性ホルモン(エナント酸テストステロン)の注射を2〜4週間に1回程度実施します。3か月間ごとに効果や副作用がないかを確認しながら、1年間を目安に治療を継続します。

残念ながら現在は飲み薬の治療薬はなく、注射のみになります。また、症状が軽度の場合には、男性ホルモン軟膏を塗布することでホルモンを補充する方法も選択肢のひとつです。

漢方薬

血液検査で、テストステロンの値がそれほど低下していない場合には症状に合わせて、漢方薬を使用することもあります。生殖機能の低下や体力の低下など、更年期の症状に合わせて適した漢方薬を選択します。

《男性更年期で使用される代表的な漢方薬》

補中益気湯、八味地黄丸、柴胡加竜骨牡蛎湯など

抗うつ薬や抗不安薬

精神的な落ち込みや不安などの症状がある場合は、「抗うつ薬」や「抗不安薬」を使用することもあります。

受診は泌尿器科やメンズクリニック(男性専門外来)へ 

男性ホルモン補充療法は、主に泌尿器科で行いますが、近年はメンズクリニック(男性専門外来)をはじめ、一部の内科、心療内科、精神神経科などでも行っているところが増えています。

男性ホルモン補充療法が必要かは、血中のテストステロンを測定するなど医師の診断が必要です。気になる方はお近くの医療機関をチェックしてみてくださいね。

参考:加齢男性性腺機能低下症候群 診療の手引き

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この記事を書いた人

福島梨沙のアバター 福島梨沙 【薬剤師】

薬剤師/薬学修士
ハーバルセラピスト
メディカルハーブコーディネーター
アーユルヴェーダアドバイザー

外資系製薬メーカーにて薬の副作用や安全性情報に関わる、その後、在宅訪問薬局に転職。薬局勤務の傍ら、吉祥寺にシェア型レッスンサロンオリーブケアを開業。「あたま・こころ・からだを健やかにする」をモットーに、気軽で楽しく生活に取り入れられるハーブ・アロマの提案や講座を開催している。

このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法や専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません。

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