【体験談】更年期最後の大暴れとは?閉経前に起きる生理の変化
更年期の女性にとって、気になるのが【最後の生理=閉経 】
「大量出血して最後の大暴れ状態だった」「ドバドバといつまでも生理が続いた」という体験談を耳にすると、不安に思う人も多いはずです。
生理が来ない状態が1年以上続いたときに、最後の生理にさかのぼって閉経と判定されます。後になって振り返ってみて、1年前が閉経だったのだなと分かるということです。
閉経かどうかは後になってみないと分からないとなると、前兆はあるのか、どんな閉経を迎えるのか、何歳で閉経するのか……など少しでも手がかりを知りたいと思うのは自然な気持ちです。
しかし閉経の年齢はもちろん、様子も人によって異なるため、予測することは難しいのです。
そこでTRULYでは、閉経を経験した女性たちに、最後の生理の様子や閉経前後の体調の変化などについて体験談を聞きました。自分の閉経をイメージする参考にしてみてください。
ケース1 「閉経したと思ったら半年ぶりの生理にびっくり」(57歳・女性の場合)
「3年前に閉経しました」と話す女性がまず初めに感じたのは、周期の変化。以前は28日だったものが20日と短くなったと思ったら、その後は逆に2ヶ月、3ヶ月、半年おきと間が空くようになったのだとか。経血の量も色も臭いもそれまでとは変わらなかったようですが、最後は生理期間が3日ほどになって閉経を迎えたそうです。半年おきまで間が空くと、「閉経したと思ったら生理がきた!」と感じる方もいるかもしれません。
当時は、更年期障害にも見舞われていたこともあり、倦怠感、吐き気、食欲不振、頭が重いといったさまざまな症状が1年ほど続き、「かなりしんどかったです」と振り返ります。そんななか、症状を和らげるために意識していたのは気分転換。ラジオ体操をしたり、大好きな音楽を聞いたり、サプリやプラセンタ注射も取り入れながら何とか乗り越えたといいます。
閉経前で不安になっている方へアドバイス
更年期障害の症状が出ているのであれば、自分の好きなことをして、それに夢中になってみてください。しんどいとは思いますが、若い頃にハマっていたことなどを懐かしみながら取り組むのはいいですよ!
ケース2 「閉経前のドバドバ大量の生理にナプキンが追いつかず困った」(53歳・女性の場合)
50歳で閉経したこちらの女性が感じた変化は、経血の量。「閉経が近づくにつれて、急に量が多くなり、期間が長くなりました。ナプキンで対処できないくらい多い時もあって困りました」と話します。個人差はありますが、経血の量が減ったり、増えたりするのは多くの女性が感じる症状のひとつです。更年期に入るとホルモンの分泌が不安定になるため、経血の量や期間の変化が起こるとされています。
量が減ったり、期間が短ったりする場合には困りごとは少ないのですが、この方のように閉経前の長引く生理、量の多い生理に悩んでいる女性は多くいます。
そのほかに、閉経の半年くらい前から感じていたのは体のだるさや体力の衰え。それらを解消するために、ヨガなどの軽い運動にも取り組むようになったそうです。
閉経前の生理に悩む方へアドバイス
つらいかもしれませんが、オススメは体を動かすこと。そうすれば清々しく過ごせると思うので、ぜひ試してみてください。
ケース3 「臭いが強くなった」(51歳・女性の場合)
もともとは、生理痛がひどかったというこちらの女性。最後の生理は、これまでよりも臭いが少し強く、量も多いと感じたそうです。
肉体面以外での症状としては、精神的に鬱っぽくなる日が不定期にやってくるのだとか。病院にも相談したものの、年齢的によくある症状だという説明で、特に治療などは行わず、ゆっくりと過ごすことを心がけていたと教えてくれました。
閉経前で不安になっている方へアドバイス
私は閉経に対して「悲しい」とか「年を取ったな」といったマイナスな感情よりも、「やっと解放される!」という気持ちのほうが強かったです。閉経後は、骨密度などのケアも必要にはなりますが、より女性らしく楽しく過ごしていきたいと思っています。
ケース4 「特に閉経前の前兆もなくピタッと止まった」(55歳・女性の場合)
2年前に閉経を迎えたこちらの女性は「生理もその他の体の変化もとくに感じなかったですね」と話します。後から考えてみると、何となく量が少なくなったかなと感じる程度だったそうです。周期もほとんど乱れず、急に閉経したため、「本当に閉経したのかな?」と戸惑うほどだったとか。
更年期症状を感じはじめていたため、アロマを楽しんだり、好きな音楽を聴いたりと家でゆっくり過ごす時間を大切にしていたとのこと。いつ閉経するのかは誰にも予想できませんが、更年期の症状を感じ始めたら、閉経に向けて自分の体と心を大切に過ごすことが必要なのかもしれませんね。
閉経前で不安になっている方へアドバイス
普段の健康管理をしっかりやっていれば、閉経は自然な流れなので悩む必要はないです。時間がたてば、生理があった時より快適な生活ができますよ。
更年期はいつがピーク?どれくらいで終わる?閉経がひとつの目安に
日本人の平均閉経年齢は約50歳。一般的には閉経の前後2年間は、女性ホルモンであるエストロゲンが乱高下するため不調のピークと言われています。その後、更年期の終わりを迎える55歳に近づくにつれて、女性ホルモンが少ない状態に身体が慣れて、症状が落ち着いていくことが多いようです。
更年期の不調がいつピークなのかを知る、ひとつの手掛かりに閉経が役立つかもしれません。
更年期になるとだらだら生理が続くのはなぜ?
更年期は女性ホルモン分泌のバランスが不安定になるため、うまく排卵できなくなったり、子宮内膜がはがれにくくなったりすることで、ダラダラと生理の出血が続くことがあります。
しかし多すぎる月経血や不正出血などの症状が見られる場合は、病気の可能性もあります。少しでも気になることがあれば、婦人科の診察を受けるようにしてください。更年期はかかりつけ婦人科を見つけて、定期的に相談できるようにしておくのがおすすめです。
閉経前の生理は量が多くなる?レバーみたいな出血が出る?
更年期は子宮内膜を厚くする働きを持つエストロゲンが低下していきますが、一時的にエストロゲンの分泌量が増えることがあります。
また、もう一つの女性ホルモンであるプロゲステロンの分泌も不安定になるため、子宮内膜がうまくはがれずに厚くなり過ぎることもあります。
こうしたことから、閉経前は月経血の量が一時的に多くなったり、レバーのような血の塊が出ることがあるのです。
大量の月経は貧血に繋がることがあります。また、女性ホルモンの一時的な変化ではなく、婦人科の病気などが原因である可能性も考えられるため、更年期には定期的に婦人科で月経の変化について相談しておくと安心です。
閉経前のドバドバ出血に対する治療法
病気が原因ではない場合でも、大量の月経が続くと日常生活に支障が出たり、貧血につながることも。更年期・閉経前の過多月経に対する代表的な治療方法について説明します。
黄体ホルモン製剤
子宮内膜の増殖を抑える黄体ホルモン(プロゲステロン)の働きを利用して月経量を減らします。ピルと異なり、卵胞ホルモン(エストロゲン)を含まないので、血栓症の副作用がなく、更年期世代の過多月経治療で使われることが多いお薬です。
子宮内黄体ホルモン放出システム(ミレーナ®52mg)
子宮内に装着するプラスチック製の器具で、黄体ホルモンが負荷されています。一度挿入すると、5年間効果が持続します。黄体ホルモンを子宮内膜へ直接届けることができ、全身的な副作用が少ないため、こちらも更年期世代の過多月経で選択されることが多い治療法です。
偽閉経療法(GnRHアゴニスト・GnRHアンタゴニスト)
子宮筋腫が過多月経の原因になっている場合は、女性ホルモンを減らして、閉経に近い状態を作る偽閉経療法が行われることがあります。副作用として、更年期症状があらわれることがあります。また、骨粗しょう症のリスクがあるため長期間使用することができず、1年のうち半年までしか使用できません。
平均閉経年齢である50歳前後で、偽閉経療法によって卵巣の機能を落とすことで、そのまま閉経するのを期待するように使用されます。
その他|漢方・トラネキサム酸
芎帰膠艾湯(キュウキキョウガイトウ)や黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)など、症状・体質に合った漢方薬が使われることがあります。
また、止血作用を期待して月経中にトラネキサム酸を内服して月経量を減らす方法もあります。
ドバドバはいつまで?閉経時期がわかる計算方法がある?
一時的に量が増えたり、周期が不安定だったりすると「早く閉経してほしい」「いつになったら閉経するの?」と感じることもあるかもしれません。
閉経時期がはっきりと分かればいいのですが、残念ながら閉経時期を計算することはできません。
ただ月経の変化や、婦人科での検査(女性ホルモン、卵胞刺激ホルモン(FSH)アンチミュラー管ホルモン(AMH)など)が、閉経が近いかどうか予測する目安になると言われています。
閉経するとどんな気持ちになる?
私たち女性には、閉経してから平均寿命まで40年近くの長い時間があります。
閉経はよく「生理が上がる」という風に表現されますが、閉経は終わりではなくて、女性にとってまた新しい変化が起こる通過点なのです。10代の頃から付き合ってきた生理がなくなることに寂しさのようなものを感じるかもしれませんが、新しい自分への記念日として「閉経」を明るい気持ちで迎えたいですね。
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