「SELF LOVE FES(セルフラブフェス)」@BE AT TOKYO イベント参加レポート《後編 その3》

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リレーションシップコンサルタントの此花わかさんが、TRULYユーザーから寄せられたリアルなお悩みに答えるワークショップもいよいよ最終回。

前回までの記事はこちらです。

今回は更年期世代ならではのセックスのお悩みである「セックスレス」やセックスにまつわる体のお悩みに、此花さんがアドバイスいたします。

目次

《お悩み#4》

50代の夫婦ですが、セックスレスです。夫婦仲は良く、スキンシップもあるのですが、夫に「疲れている」という理由で私から誘っても断られてしまいます。乳がんのため乳房を全摘したことから、女性として劣ってしまった気がしていますが、まだ女性でありたいという思いがあり、セックスレスに納得がいきません。

《お悩み#5》

50代となり体験も変化し、アンダーヘアに白髪を見つけたり、なかなか濡れなくなったりしてきました。50代のカップルはどんなセックスをしているのでしょうか。スキンシップの方法も知りたいです。

◯十代のセックス、◯歳だからこういうセックスをしないといけないというのは全く無い

此花:最初に言いたいのは、◯十代のセックスというのはないということです。みんなそれぞれ、何歳になってから性欲がなくなるとか、何歳だからこういうセックスをしないといけないというのは全く無いのです。それだけははっきり言いたいです。

最初の方の、乳がんにかかられてから夫がセックスを拒否するようになったというのは辛いですね。ただ、この情報だけだと夫がセックスを拒否する理由が分からないですね。

ですのでまずは、本人に聞くしかないと思います。夫さんに「いつも私のことを支えてくれてありがとう。でもあなたが私を拒否する理由がわからないもし乳がんの手術を受けたことが理由だったら、すごく私は悲しいと思う。あなたの本当の気持ちをきかせてくれる?」

というふうに言葉を穏やかに聞けば、たぶん向き合ってくれるんじゃないでしょうかね。

男性のテストステロンは50代で一気に下降し、性欲や勃起力が下がる

もうひとつお伝えしたいことは、50代になると男性のテストステロンは一気に下降するということです。性欲も一気に低下して、勃起力も低下します。セックスレスの取材で知ったことなのですが、男性の方が一度でもセックスがうまくいかないと、かなりプライドが傷ついて、セックスレスになってしまったりするんです。繊細なんですよね、男性って。

女性は、そういったこともお友達どうしで話したりするんですけど、男性には男らしさという呪縛がかかっているんです。女性が抑圧されているのと同じように、男性は違う意味で、男らしさに呪縛されているんですよね。だから気持ちを言えないのです。

もしかしたら夫さんは疲れていて、勃起力が下がっていて、それを言えないのかもしれませんね。本当に疲れていてセックスできないのかもしれないし、自分のセクシュアリティに自信が失くなってセックスができないのかもしれない。だからやっぱり大切なのは話すことですよね。

連絡事項だけではなく、自分の喜怒哀楽や、感じていること、根底的なことについて話す練習を毎日少しずつ

真坂:話すということは、結構、勇気がいることですよね。普段からコミュニケーションが取れていれば、そもそもセックスレスになっていないのかもしれないし。そこを向き合っていないということだし。

病気とかがあると自信が失くなったりするとは思うのですが、そこを一歩踏み出すということも選択肢として入ってくるということですね。

此花:日頃から私達は忙しいので、話すことも今日起こったこととか、連絡事項になってしまいますよね。

そうではなくて、もっと自分の喜怒哀楽とか、将来の夢とか自分がやりたいこととか、もっと根底的なことについて深いところで話す練習を、毎日一つでもいいので、「私はこう思っている、あなたはどう思う?」という自分の感情を共有する練習を毎日した方がいいと思いますね。

誰かのため、何歳だからではなく自分が幸せになるための選択を

此花:アンダーヘアに白髪を見つけたり、体型の変化が悩みになっているということもすごく日本的だなと思ったんですね。もちろん誰だって加齢が受け入れられない、私もそうでしたし、なかなか難しいですけれど。

日本はメディアが作ってきたエイジズムというのがありますよね、アラフォー、アラフィフ……、アラフィフなのにあんな短いスカートはいてはしたないとか、アラフィフNGファッションとか……、たくさんありますよね。

そういうので私達はネガティブなボディイメージを植え付けられているんですよね、小さな頃から。実際に男性もそんなに意識せずに女性の外見をいじること、ありますよね。女性でももちろんありますけれど。太った?とか。

そういうことを毎日経験していると、自分のボディに対してネガティブになっているんですよね。年取ってカラダが変わっていった、女の美しさは若い時だけ、という価値観を持っていると、それがすごくセックスを抑制してしまうんですよね。

自分のセクシュアリティを出せない、自分のカラダを見せられないから、裸になりたくないし、自分を解放できないからセックスできない、そんなふうに働いてしてしまうんですよね。

意識的に私達が普段からネガティブなボディイメージを持っているんじゃないか、というふうにちょっと考えてほしいところです。

真坂:メディアから自然に植え付けられていることってあるかなと思うんですけど、どの年代も生きていることに価値があって、どの年代もすばらしいというのは変わらないんですけど、どうしてもやっぱり若いほうがいいという固定概念はあります。

そこが自分自身で蓋をしてしまっているのかなと、とくに日本に住んでいると感じてしまうのかもしれません。それがメディアだけでなく個人のセックスというようなパーソナリティの部分まで影響を受けているというのは、こういう機会がなければ考えなかったです。

此花:アンダーヘアが気になる、体型が気になるというのは自分の嫌な気持ちを尊重していただきたいんですね。アンダーヘアがグレーになって嫌だったらワックスしたり脱毛したり、体型が嫌なのであれば健康になるために筋トレしたり運動すればいいんです。

ただ誰かのためにとか、何歳らしくいたいからするからそうするのではなく、自分を幸せにするために、セルフラブのためにぜひやってほしいと思いますね。

真坂:自分がそこで納得するとか、自分のことを好きになるためということでやる分には、色々な方法があるのでチャレンジしていただきたいですね。誰かという視点でやるのではなく、セルフラブで。

濡れにくいだけでなく、セックスのマンネリを防ぐためにも、潤滑剤はおすすめ!

此花:この方はなかなか濡れなくなってきているということですが、濡れなくなるというのは加齢もあるんですが、若くてもその時の体調やホルモンのバランスによって濡れないことがあるんですよね。実際に4人に3人の女性が性交痛を感じたことがあるという統計もあります。

これを軽減するためには潤滑剤を使えばいいんです。今可愛い潤滑剤がたくさんあって、潤滑剤だけで6種類あるんですよね。

おすすめは味付きとか、リキュールの味、お酒の味のする、モヒート味のプレジャーオイルとか、はちみつ味とかイチゴ味とか、バニラの匂いとかつけると温かくなったり冷たくなったり、そういったものを使えばセックスのマンネリも防ぐことができるんじゃないかなと。もし濡れなくならなくても、潤滑剤はおすすめです。

真坂:前よりもそういったものに対してオープンになってますよね。わりと身近なところで売っていたりしますよね!

《お悩み#6》

夫と10年以上セックスレスです。話し合いをしても、「私のことは特別で大事な人だし、大好きだけどセックスはできない」と何度も言われています。それなのに、数年前から夫が風俗に通っていることが分かり、私も他の男性とセックスしたいと強く思うようになりました。これは我慢すべきなのでしょうか?

あなたの性に関する境界線は?

此花:パートナーに向き合った相談者さまは偉いなと思います。何度も話し合って。まず明確にしておきたいのは、彼女の性の境界線はなんだろう、ということです。

夫の風俗通いについて書いておられるということは、気にしているということですが、それが別れの原因になるほどではない、という感じですかね?とにかく、彼女は我慢していますよね。

夫さんの行動を見ていると「あなたのことはすごく好きで妻としておいておきたいけれど、あなとはセックスはしないが他で解消する」と言っていますよね。彼女も他で解消したいけれど、聞く耳を持たないのか、言えないのか……。彼は一切歩み寄りをしていませんね。自分がやりたいことだけをやって、一切歩み寄ってきていません。

これはパートナーシップとしてよくない形で、不健康ですよね。パートナーシップとは50/50で歩み寄ることが大前提なので、こういった場合、我慢してはいけません。だからといって婚外恋愛をしてください、ということではなく、まずは自分の性の境界線を明確にして、それを話すことです。

相談者様に5つの選択肢があります。

1:夫と境界線について率直に話し合う

2:夫がそれ以上歩み寄らなければ、お互いの了解の上でオープンリレーションシップをする。

オープンリレーションシップとは結婚や付き合っていても、お互いが了承して、他の人と付き合うという関係です。アメリカでは25組に1組がオープンリレーションシップのカタチをとっていると言われていますし、あの有名なウィル・スミス夫妻もオープンマリッジだと噂されています。それほど珍しいことではなくなっています。

人生100年の間で一人だけを身も心もを愛し続けるということが難しくなってきていると思います。すすめているわけではなくて、お互いが了解であればそういう選択肢もあるということ。

3:夫がオープンリレーションシップに同意しない場合、慰謝料請求の危険を承知して婚外恋愛をする。

4:離婚して、もっと相性のよいパートナーを見つける

5:不満を抱えたまま結婚生活を続ける

この5つしか無いかなと思います。向き合って何度も話し合ってきたのはすごく偉いなと思うし、大変だったと思います。

真坂:共通することとしては、一歩踏み出すために、色々な選択肢があるということを知って、自分で様々なことを決められるのではないかということをお話してもらいましたし、自分で決める基準を境界線のやセルフチェックシートなどを使っていただければと思います。

此花:私が一番伝えたいことは、自分自身を知って、人を愛するということは、まずはセルフラブ、自分を愛するということです。

「Noと言う」ことが、自分の価値を作る、ということなんですね。今回のタイトルである自分で自分の価値を作る、自分をの境界線を知って、Noと言って、自分の価値を作る、それが健康的なパートナーシップに導く、というふうに思っています。

今回イベントで此花さんに回答いただいたお悩みは、すべて実際の読者の方にいただいたものです。事前にこれらのお悩みを此花さんにお渡しし、此花さんが一人ひとりのお悩みに真剣に向き合い、答えを探し、イベントで共有してくれました。

此花さんは今回のワークショップやお悩みへの回答を通して、人を愛するということは、まずは自分を大切にして、自分を愛することということを教えてくれました。

イベントのテーマと同様に、自分を大切にするためには時にはきちんと「No」と言えることが必要です。そしてNoを言うためにも、自分自身のことを理解しなければなりません

ぜひご自身の境界線やセックスのアクセルとブレーキを知り、自分が何を大切にしていて、何が自分をハッピーにするのかぜひ改めて確認してみてください。

TRULYではこれからもパートナーシップをはじめ、更年期のホルモンの不調やお悩みに寄り添う情報を発信していきます。

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この記事を書いた人

此花わかのアバター 此花わか 【リレーションシップコンサルタント】

ジャーナリスト
リレーションシップコンサルタント

アメリカの性とリレーションシップのコーチングスクールで学ぶ。セックスポジティブな社会を目指す「セクポジ・マガジン」を発信中。FRaU 、Newsweek、Huffpost、SPA!、FRONT ROW、GLITTERなどで執筆。

このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法や専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません。

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