【体験談】妻に隠れてEDの治療…パートナーにも言えない男性の悩み
今回TRULYでは、実際にEDの症状に見舞われているという45歳の男性Kさんの体験談をご紹介します。
年齢を重ねると、性別を問わず誰でもさまざまな不調を感じるものですが、男性特有の悩みのなかでも、他人に明かしにくい症状のひとつとされているのがED(勃起不全)。日本の成人男性の4人に1人がEDである*とも言われているほど、実は多くの人が抱えている悩みとされています。
取材対象者
Kさん(会社員・45歳)
家族構成:妻(育休中)、子ども2人(2歳、0歳)
現在、2児の父でもあるKさんですが、EDの症状が出たのはまだ独身だった31歳の頃。年齢が若かったことと、突然のことにショックを受けてしまい、誰にも相談できないまま、病院に行くまでは半年かかったといいます。
「インターネットで検索した記事を読んでいたら、精神的なものが関連していると知ったので、気分転換もしてみましたが、それでも改善されず。いろいろと調べるうちに、若くてもなることがわかったので、治療を受けることにしました」
当初は、病院に行くことに対してハードルが高いと感じていたそうですが、実際に受診してみたら、思っていたものとは違ったのだとか。
「問診のあと、勃起不全治療薬の内服を開始し、症状は改善しました。先生も話をよく聞いてくれる方だったので、続けて通うことができたと思います。治療内容には満足していたこともあり、42歳頃まで薬を飲み続けていましたが、2年前に仕事内容が変わったことが原因でうつ状態になり、EDの治療は中断。精神的な薬を飲むようになってから性欲が低下したのもありますが、EDの治療薬を飲まなくなってから、夫婦生活も自分から避けています」
夫婦でも言えないED患者の抱える不安
EDは夫婦関係においても大きな問題でもあるため、「妻が内心どう思っているのか気になっています」と話すKさん。現在0歳の第二子は不妊治療によって授かったそうですが、自身がEDであることも、通院していたこともいまだに伝えられていないのだとか。
「夫婦生活の前にこっそりと薬を飲んでいたので、妻は僕がEDの治療薬を服用していたことは知りません。うつの治療薬を飲んでいなければ、EDの治療も続けていたと思います。薬代は月2万円ほどかかっていましたが、自分にとっては必要経費なので、治療をやめようと思ったことはありません。薬を飲むタイミングを計る必要がある以外は、不便に感じることも特になかったです。ただ、薬を飲まないとセックスができないので、『これから先ずっと薬に頼らなければいけないのか?』という不安はありました。」
今後期待するのは、患者同士によるコミュニティの拡大
治療を再開することも検討しているようですが、以前通っていたところが閉院してしまったため、インターネットでの口コミを参考に新たな病院を探すことも考えているのだといいます。そんななか、いま望んでいることとは?
「同世代で、同じような症状を持っている人たちのコミュニティがあればいいですね。悩みについて話したいですし、相談して楽になりたいという気持ちがあるので。おそらく、そういったものに参加したいと考えている人は多いと思います」
EDとは、男性にとって誰にも打ち明けられないほどデリケートな悩み。とはいえ、パートナーシップや妊活などにも関係することもあるため、一人で抱え込んでしまうのではなく、まずは医師やパートナーなどに相談することから始めてみましょう。
*白井將文 :日本臨牀 60(増刊号6): 200-202, 2002
この記事を監修した専門家
監修助産師/看護師
東衣里
助産師として大学病院産科病棟・外来にて勤務。その後、大手百貨店で妊娠・出産・育児を中心とした相談業務を担当。また、都内複数の区からの委託を受け、こんにちは赤ちゃん訪問(出産後の新生児訪問)にも従事。
現在はTRULYにて、チャット相談業務や記事執筆などを担当。地方へ移住して、リモートワークという形で仕事とプライベートを両立。自身も、働く女性・一児の母として、困っている女性の気持ちに寄り添った、実現可能なアドバイスを心がけている。