更年期の頻尿は私だけ?トイレが近い女性の原因と対策【体験記あり】

「最近、トイレに行く回数が増えた」「夜中に何度もトイレに起きてしまう」
40代・50代になってトイレが近くなった場合、更年期に伴う体の変化が関係しているかもしれません。
ただし、頻尿にはさまざまな原因があり、症状に合った対策が必要です。
この記事では、更年期の頻尿の原因と自宅でできる対策、病院を受診する目安を解説します。
急にトイレが近くなった更年期女性の体験記
50代の早紀さんから相談がありました。
早紀さんトイレの回数が急に増えてしまって困っています。
ひどい時は1時間も我慢できません。
好きだった旅行も、トイレが気になってしまい行けなくなりました。
「漏らしてしまうかも」という恐怖で、最近は家から出るのも億劫です。
頻尿は、トイレの回数が増えるだけでなく、外出や仕事、睡眠にも影響する症状です。
美奈子さんのように「間に合わなかったらどうしよう」と不安になり、外出を控えてしまう方もいるでしょう。
しかし、頻尿は原因に応じた対策や治療によって改善が期待できます。年齢のせいと諦める必要はありません。
更年期に頻尿が起こる原因


更年期の頻尿には、女性ホルモンの減少や加齢による体の変化などが関係しています。原因は一つとは限らず、複数の要因が重なっている場合もあります。
エストロゲンの減少による腟や尿道の変化
更年期にエストロゲンが減少すると、腟や尿道の粘膜が薄くなり、頻尿につながることがあります。
エストロゲンには、腟や尿道の粘膜の厚みや潤いを保つ働きがあるためです。
分泌量が減ると、粘膜が乾燥して刺激を受けやすくなるほか、腟内の環境が変化して尿路感染(膀胱炎、尿道炎など)を起こしやすくなります。1
その結果、トイレが近くなるだけでなく、急に強い尿意を感じたり、排尿時に違和感が生じたりする場合もあります。


加齢と骨盤底筋のゆるみ
年齢を重ねると、膀胱の働きや骨盤底筋の衰えによって、頻尿が起こりやすくなります。
膀胱は尿をためる袋のような臓器です。加齢によって尿をためる働きが低下すると、少ない尿量でもトイレに行きたくなることがあります。
また、膀胱や尿道を下から支える骨盤底筋は、加齢や妊娠・出産などによって弱くなる筋肉です。骨盤底筋が衰えると、尿を我慢しにくくなったり、尿もれが起こったりする場合があります。
なお、夜間のトイレの回数が増えた場合は、更年期に多い不眠が関係している可能性もあります。尿意で目が覚めるだけでなく、眠れずに目が覚めたためにトイレへ行くケースもあるでしょう。


これって頻尿?過活動膀胱との違い
頻尿とは、一般的に日中の排尿回数が8回以上になる状態を指します。2ただし、水分摂取量や生活習慣によって回数は変わるため、8回未満でも困っていれば相談の対象になります。
また、昼間は問題なく睡眠中に尿意で1回以上起きる状態は「夜間頻尿」です。3
一方、過活動膀胱は、突然我慢できないほど強い尿意が起こることを特徴とする病気です。2)
主に次のような症状がみられます。
- 急に強い尿意が起こる:突然トイレに行きたくなり、我慢するのが難しい
- 尿もれ:急な尿意に間に合わず、漏れてしまうことがある
- 頻尿・夜間頻尿:日中や夜間にトイレへ行く回数が増える
こうした症状が繰り返し起こる場合は、過活動膀胱の可能性も考えて医師に相談しましょう。
更年期の頻尿対策【4つのセルフケア】


更年期の頻尿は、セルフケアにより改善できる可能性があります。 頻尿が気になる場合は、以下の対策を試してみましょう。
水分の摂り方を見直す
頻尿が気になる場合も、水分を極端に減らすのは避けましょう。
水分が不足すると尿が濃くなり、かえって膀胱を刺激して頻尿を悪化させる可能性があるためです。一方、水分を摂りすぎると尿量が増え、トイレの回数も多くなります。
まずは普段の水分摂取量とトイレの回数を確認し、飲みすぎていないか見直しましょう。
一度に大量に飲まず、日中にこまめに水分を補給するのがポイントです。
夜間頻尿が気になる場合は、日中に必要な水分を摂り、就寝前の大量の水分摂取を控えるなど、飲む時間帯も調整してみましょう。
カフェインやアルコールを控える
コーヒーやお酒をよく飲む方は、量や飲む時間帯を見直してみましょう。
カフェインやアルコールには尿の量を増やす働きがあり、頻尿を悪化させる場合があります。
たとえば、夕方以降のコーヒーをカフェインレスに替えたり、寝る前のお酒を控えたりする方法です。
すべてをやめる必要はありませんので、普段の摂取量を確認し、無理のない範囲で調整してみましょう。


骨盤底筋を鍛える
骨盤底筋トレーニングは、尿もれを伴う方や、急な尿意に悩む方の対策の一つです。
骨盤底筋は、尿道や膀胱などを支え、尿を我慢するときにも働く筋肉を鍛えることで、更年期の頻尿にアプローチします。
基本的な方法は次のとおりです。


- 椅子に座るか、あおむけになる
- おならと尿を我慢するように、肛門や腟の周囲を締める
- 3〜5秒ほど締めたら、同じくらいの時間ゆるめる
- これを10回程度繰り返す
お腹やお尻に力を入れすぎず、呼吸を止めないことがポイントです。
すぐに効果が出るものではないため、無理のない範囲で継続しましょう。


膀胱訓練を試す
膀胱訓練は、尿意を感じてもすぐにトイレへ行かず、少しずつ排尿の間隔を延ばす方法です。
とくに、急な尿意が起こる過活動膀胱の対策として用いられます。3)
たとえば、いつもより5分だけトイレへ行くのを遅らせ、慣れてきたら徐々に時間を延ばしていきます。
ただし、誰にでも適した方法ではありません。排尿時の痛みや血尿、尿が出にくいなどがある場合は、更年期症状や過活動膀胱の症状とは異なる可能性があるため、自己判断で我慢せず受診しましょう。
なお、外出時に尿もれが心配な方は、尿もれパッドを利用する方法もあります。不安を減らすための補助として活用してください。
更年期の頻尿は治る?病院受診の目安と診療科
更年期の頻尿は、原因に合った治療によって改善が期待できます。
次のような場合は医療機関に相談しましょう。
- セルフケアを続けても改善しない
- 頻尿によって外出や睡眠に支障が出ている
- 急に強い尿意が起こり、我慢するのが難しい
受診先は婦人科と泌尿器科のどちらでも問題ありません。 ただし、血尿や排尿時の痛み、発熱がある場合は、泌尿器科を早めに受診してください。
治療には、膀胱の働きを調整する薬や局所ホルモン療法のほか、八味地黄丸(はちみじおうがん)や牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)などの漢方薬が用いられることもあります。症状や体質によって適した治療は異なるため、医師と相談して選びましょう。
更年期の頻尿は年齢のせいと諦めずに相談しよう
更年期の頻尿には、女性ホルモンの減少や加齢、膀胱の働きの変化など、さまざまな原因があります。
水分の摂り方や生活習慣の見直し、骨盤底筋トレーニングなど、自宅で取り入れられる対策もあります。
ただし、すべての頻尿が更年期によるものとは限りません。トイレが気になって外出を控えたり、夜間に何度も目が覚めたりする場合は、婦人科や泌尿器科で相談しましょう。
頻尿を年齢のせいと諦めず、原因に合った対策を見つけることが大切です。
参考

















