肌ケアは「毎日続けられるもの」を中心に
オトナの女性にとって、年齢に応じた肌ケアのアップデートは大きな関心ごと。美容クリニックでの施術について検討する方も多いのではないでしょうか。しかし、皮膚科医の中村淑子先生にご自身のケアとして重視するものは「毎日続けられる」お手入れだそうです。
ビタミンAで肌のターンオーバーを促進
普段の肌のお手入れは、30歳からずっと同じものを使っています。医療機関とエステサロン専売品のビタミンA配合のスキンケア用品で、他の商品と比較してもはっきりと効果を感じられたのが使い続ける理由です。普通肌でトラブルの少ない肌質なので、ほかの化粧品の効果を感じにくかったのかもしれません。
ビタミンAのレチノールは肌のターンオーバーを促進させることでしみや皺を改善し、ハリを出す働きをもっています。また、加齢により減少する表皮の厚みを増してふっくらさせ、真皮のコラーゲンを生成し、天然保湿成分であるグルコサミンのGAG成分が増やするともいわれます。加えて、ビタミンAには紫外線をブロックする働きもあるので、シミができにくくなります。
一方で、レチノールは「A反応」と呼ばれるほてり、かゆみ、ニキビなどに注意が必要です。特に乾燥肌の人は症状が出やすい傾向にありますね。私が使用しているスキンケア用品はパルチミン酸レチノールが中心なので、A反応が出にくく、お肌に優しい使用感です。
技術が進歩したからこそ化粧品選びは慎重に
子育て中なので、日中の外出が多く、紫外線を毎日あびています。時間があるときは、ビタミンCやトラネキサム酸などのイオン導入をしています。
近年さまざまな導入機が開発されたり、スキンケア商品のナノ化が進んできたりして、化粧品の成分が肌に入り込みやすくなりました。その影響で、化粧品成分が原因でアレルギーを起こす方もいます。皮膚への浸透力が高くなる分、その成分が大切になってきます。特に乾燥肌の方はアレルギーを起こしやすいので、使用する際は注意してくださいね。
毎日のケアは続けられる範囲で
私は毎日のケアとして、ピーリングが欠かせません。
最近は自宅できるお手軽なピーリング剤や化粧品が増えているので、取り入れやすくなりましたよね。クリニックでも以前よりダウンタイムの少ない製剤が増えてきていますので、おすすめです。
ピーリングは肌の表面にある不要な角質をとり除き、透明感のある肌へと導くスキンケアです。化粧品の浸透をよくし、シミ・毛穴・黒ずみ・ニキビ跡にも効果的です。
美白・シミ対策には、内服でトランサミン、シナール、タチオン、ビタミンAや、飲む日焼け止めも併用しています。
この仕事に就いて16年目になりますが、美容医療が日進月歩であること肌で感じています。自宅のケアで解決できないことがあれば、クリニックで相談してみるのも良いと思います。
締めくくり
中村先生が実践する日々の肌ケアは以下のとおり。毎日実践しても負担にならないものばかりですね。
毎日の肌のお手入れ
ピーリング
ビタミンA配合のスキンケア用品
内服
トランサミン、シナール、タチオン、ビタミンA、飲む日焼け止め
スペシャルケア
ビタミンCやトラネキサム酸のイオン導入
先生によると、スキンケア商品の進歩によって肌への浸透などがアップした一方、トラブルへの注意点も多くなったそう。
自宅のケアで解決できない肌トラブルや、スキンケア商品によるトラブルが起こった場合はクリニックで相談をしてみましょう。
(C)Adobe Stock
この記事を監修した専門家
監修医師
中村淑子
北朝霞メディカルクリニック院長
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
順天堂大学非常勤助教
大学病院で7年勤めたのち、美容皮膚科クリニックで研鑽を積み現職。 商品開発アドバイザリーやメディア取材など皮膚科領域で幅広く活動している。
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