更年期予防のカギは腎にあり!?薬膳を取り入れるセルフケア方法【基礎編】

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更年期はホルモンなどの変化によって心身のバランスが乱れやすくなります。病院に行くほどではないけれど、不調によって日常生活に支障が出てしまう人も。

更年期は子育てや介護、仕事など社会的にもやらなければならないことを多く抱える時期です。そのため、なるべく体調を整えておきたいという人も多いのではないでしょうか。

今回は、更年期の不調を防ぐセルフケア方法の一つである薬膳についてご紹介します。

目次

薬膳のもとになる中医学の視点:体を構成する基本要素とは

薬膳とは、季節や体質、体調に合わせた食材を取り入れることで体を養う料理です。食材の特性を活かして調理するため、普段の食事に取り入れやすいのが特徴です。

そもそも薬膳のもとである中医学では、心身のバランスを表す方法として「気・血・水」が重要とされています。

この3つはそれぞれが影響し合い、過不足なく心身を満たすことでバランスが保たれます。いずれかが多すぎたり少なすぎたりすると、さまざまな不調が現れます。

また、「気・血・水」に密接に関係しているのが体を構成する「五臓」。五臓には肝・心・脾・肺・腎があり、内臓機能がもつ本来の機能のほかにより広い働きがあります。

気・血・水が行き渡ることで、五臓は本来の働きをします。そして、五臓がきちんと働くことで、気・血・水が滞りなく全身を巡るのです。

中医学の視点でみる更年期に現れやすい体の変化

中医学では、更年期には五臓の中の「腎」が弱まると考えられています。

「腎」は、生命力のもとになるエネルギーを蓄え、生殖やホルモンとも関わりが深い場所です。そのほかにも、泌尿器系・骨・耳・髪・脳などの臓器をサポート。そのため、腎が弱まることで以下のような症状を引き起こします。

  • 足腰の弱り
  • 髪が細くツヤがなくなり白髪が多くなる
  • 骨や歯の弱り
  • 体の冷え
  • 視力や聴力の低下
  • 口が渇きやすくなる
  • トイレが近くなる
  • 記憶力の低下

腎はエネルギーを蓄える場所であるため、その働きが弱くなると、「気・血・水」やほかの臓器もバランスをくずしやすくなってしまうのです。

更年期の体調を整えるためには、まず体の変化に気づくことが大切。そして、腎の弱りを補う「補腎」の特性をもつ食材を取り入れることが重要です。

更年期で心身のバランスを整えるために取り入れたい薬膳食材

腎の弱りを補うために普段の食事に取り入れやすい食材をご紹介します。

■ ヌルヌル食材(おくら、山いも、長いもなど)

胃腸や泌尿器系のトラブルを改善する食材が多い。

■ 黒い食材(黒豆、黒米、黒ごま、黒きくらげ、ひじき、海苔、わかめなど)

腎の弱りを防ぎ、白髪予防や貧血予防でも知られる食材。

■ 魚介類(いか、ホタテ、カキ、アワビ、カツオ、海老など)

女性ホルモンのバランスを整え、体を潤してくれる食材が多い。

■ ナッツ類(くるみ、カシューナッツ、栗、松の実、クコの実など)

腎の衰えを防ぎ、関節痛などを和らげてくれる食材が多い。特に、くるみは冷え予防や記憶力を高めるのに適した食材。

普段の食事の一品に取り入れたり、食材の上からトッピングしてもOK。ナッツ類は、小腹がすいた時の間食として取り入れてもよいでしょう。

普段の食事に薬膳を取り入れて毎日をイキイキと過ごそう

更年期は心身のバランスをくずしやすい時期であり、さまざまな症状を抱えて悩むことも多いでしょう。

中医学では心身のバランスを整えて、病気にならないように予防することを重要視しています。

その一つである薬膳は、体調に合う食材を選ぶことで普段の食事に取り入れやすいものです。まずは自分の体の変化に気づき、早めに対処できれば心身のバランスを保てるはず。

腎を補う食材を取り入れることで、心と体を少しでも楽にしてイキイキとした毎日を過ごしましょう。

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この記事を書いた人

榎本真美子のアバター 榎本真美子 【看護師・保健師】

看護師・保健師
女性の健康総合アドバイザー
薬膳コーディネーター

都内総合病院の婦人科・乳腺科などに勤務後、女性総合診療のクリニックに従事。女性ホルモンと体・心のつながりについて理解を深め、さまざまな患者さんをサポートする。
その後、家族の転勤に伴い海外生活を経験。
健康管理やセルフケアの大切さを実感し、看護師ライターとして健康に役立つ情報発信に努めている。

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