【服装でホットフラッシュ対策】夏&冬で変える工夫を解説

「気づいたら顔や首がほてって、汗がじんわり…」
そんなホットフラッシュの不快感に悩む更年期女性は多く、とくに気温の高い夏は「汗が服に染みて目立つ」「暑さで体力を奪われる」と外出が億劫になることもありますよね。
一方、冬でも「自分だけ汗ばんでいて浮いている気がする」「厚着すると熱がこもってさらにしんどい」といった声も聞かれます。
この記事では、季節に合わせた服装の工夫によって、ホットフラッシュが起きても快適に過ごすための具体策を解説します。
お出かけ前に知っておきたい!夏&冬にホットフラッシュが起きやすい状況
ホットフラッシュは更年期のホルモンバランスの変化により、自律神経が乱れることで発生します。そのため、日常のちょっとした刺激でも誘発されることがあります。
緊張やストレスを感じたとき
人前での会話、混雑した場所、プレゼンテーションの前など、ちょっとした緊張やストレスで突然ほてりを感じることがあります。
ストレス反応中は自律神経も影響を受けやすく、体温調節が乱れ、ホットフラッシュが誘発されやすくなります。
急な温度変化にさらされたとき
室内と屋外の温度差が大きいときは要注意です。[1]
たとえば、夏場はエアコンが効いた屋内と炎天下の外を行き来すると、身体が温度差に反応して、屋外で過剰に「暑い!」と判断しやすくなります。
反対に冬の寒い日には、冷えた身体が急に暖房の効いた部屋に入ることで、血管が急激に拡張して急に温まり、身体がほてるように感じることがあります。
こうした温度差のある環境を行ったり来たりしていると、身体がストレスや疲れを感じ、さらにホットフラッシュが生じやすくなるのです。
食事・飲酒・カフェイン摂取後
辛い料理、熱い飲み物、アルコールやカフェインなどは、交感神経を刺激しやすいことから、ホットフラッシュの引き金になることがあります。
就寝前などのホットフラッシュが出やすいタイミングや、外出前や仕事中など特に起こってほしくないタイミングでは、こうした飲み物を控えるのが無難です。
ホットフラッシュでも快適に過ごせる服装選びのポイント
日ごろの服装をちょっと工夫するだけで、ホットフラッシュのつらさは楽になります。
ポイントは「汗をためこまずに、すぐ外へ逃がすこと」と、「暑くなったときや寒くなったときにすぐ調整できる服装」にすることです。
通気性と速乾性に優れた素材を選ぶ
ホットフラッシュ対策には、汗をすばやく吸って乾かす素材を選びましょう。
おすすめの素材の特徴と、使いやすいシーンをまとめました。
素材 | 特徴 | おすすめのシーン |
綿(コットン) | 吸水性が高く、肌ざわりがやさしい。通気性もよく、汗を吸ってくれる。乾きはやや遅め。 | 在宅、就寝、日常使い全般 |
リネン(麻) | 高い通気性と速乾性を持つ。シャリ感があり、汗をかいても肌離れが良い。シワになりやすい点に注意。 | 外出、通勤 |
冷感ポリエステル | 肌に触れるとひんやり感じる「接触冷感」素材が多い。軽くて乾きやすく、見た目もスッキリ。 | 外出、通勤、インナー |
吸湿速乾素材 | 汗を素早く吸って乾かし、さらっとした状態を保つ。化学繊維が主だが機能性は抜群。 | 通勤、家事、スポーツ、寝巻き |
シルク混素材 | 肌ざわりがなめらかで、吸放湿性に優れる。繊細なため扱いには注意が必要だが、通気性と上品さを兼ね備える。 | 就寝時や肌トラブルがあるとき |
素材選びに迷ったら「汗をこもらせない」「乾きやすい」などを目安にすると選びやすくなります。
インナーとトップスの重ね着で温度調整をしやすくする
汗対策にはまず吸汗速乾インナーを活用しましょう。
さらに、気温や体調に応じて調整しやすいように、羽織りもの(カーディガンやシャツ)を持ち歩くと安心です。
急な冷房やほてりにも対応しやすくなるため、室内外の寒暖差が大きくなりやすい夏・冬におすすめです。
汗をかいても目立ちにくい色やデザインを選ぶ
ネイビーやブラックなどの濃色、ドットやボーダーといった柄物の服は、汗のシミが目立ちにくく、ホットフラッシュ対策に向いています。
ふんわりしたゆとりのあるデザインのAラインワンピース、ドルマンスリーブのカットソーなどにすると、空気の通りがよくなって汗が乾きやすく、快適性が増します。
汗取りパッド付きのタンクトップやキャミソールも、夏の必需品として持っておくと良いでしょう。
<夏におすすめ>暑さに負けないコーディネート
夏のホットフラッシュは、ただでさえ暑い時期にさらに汗をかいてしまうため、不快感が強くなりがちです。
通気性・速乾性を重視しながら、見た目にも安心できるコーディネートを選びましょう。
外出・通勤スタイル
- インナー:吸汗速乾素材のタンクトップ
- トップス:リネンやコットンのシャツ・羽織り
- ボトムス:ゆったりしたパンツやスカート(風通しが良く、肌に貼りつかない)
- 小物:冷感ストール、ハンディファン
在宅ワーク・家事中の服装
- 通気性・速乾性のあるカットソー+軽量パンツ
- 洗濯しやすく、すぐ乾く素材を選ぶと快適さが持続
就寝時のパジャマ・寝具
- パジャマ素材:冷感ガーゼ、綿100%、シルク混、吸湿速乾素材
- 寝具:冷感シーツ・枕カバー
- 吸水パッド・タオル
<冬は要注意>厚着は厳禁?寒い日のコーディネート
冬は重ね着をしやすい分、熱がこもりやすく、反対に汗をかいてしまう人も少なくありません。
温度差やムレを避けながら、身体を冷やさずに快適に過ごせる冬の工夫をまとめました。
外出・通勤スタイル
- インナー:吸湿速乾タイプ(※吸湿発熱素材は熱がこもりやすいため避ける)
- トップス:薄手ニット+脱ぎ着しやすい羽織り
- ボトムス:裏起毛タイツ+ウール混パンツ
- 小物:ストール、ネックウォーマー、レッグウォーマー
在宅ワーク・家事中の服装
- フリースベスト+長袖Tシャツ
- スリッパ・レッグウォーマー
- ゆったりした服・すぐ脱げる羽織り
就寝時のパジャマ・寝具
- パジャマ:綿100%・ダブルガーゼ(フリースは熱がこもりやすく不向き)
- 寝具:吸湿放湿性のある布団・毛布
- 汗取りパッド・タオル
服装でもホットフラッシュ対策!季節に合わせて上手に工夫を
ホットフラッシュは多くの更年期女性にとって悩ましい症状ですが、服装の工夫で快適さは大きく変わります。
夏は通気性と速乾性、冬は脱ぎ着しやすい重ね着を意識し、綿やリネンなど汗を逃がしやすい素材を選びましょう。汗じみが目立たない濃色や柄物、冷暖房に対応しやすいアイテムを取り入れることで、外出時の不安も軽減されます。
日々の服選びを少し見直すだけで、ホットフラッシュによる不快感をやわらげ、自信を持って日常を楽しめるようになります。
つらいときは無理をせず、婦人科への相談も選択肢に入れてくださいね。


