更年期に変わる?【デリケートゾーンのにおい】対策法

誰にも相談できない「更年期にアソコがくさくなった」
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「デリケートゾーンのにおいが気になる」
「人に気づかれるのではないか」

そんな不安から外出するのも気が億劫になってしまうことはありませんか?デリケートゾーンの悩みは非常に繊細で、なかなか他人には相談しづらいものです。

とくに閉経をはさんだ前後5年間である更年期は多くの女性が、デリケートゾーンの悩みを抱えています。

今回の記事では、更年期における「デリケートゾーンのにおい」の原因と対策について、詳しく解説します。

これを読むことでセルフケアの方法受診の目安がわかります。においに関する悩みを解決する手助けとなるはずです。

目次

「生臭い」「魚みたいなにおい」深い悩みの体験談

50代のYさんは更年期のピークを迎えていて、とくにホットフラッシュがひどく、大量の汗に困っていました。

そんなある日、おりものシートを交換する時に、生臭い、魚のようなにおいを感じました。

「もしかして、わたしのアソコって臭いのかしら」Yさんは気になって仕方ありませんでしたが、こんなこと誰にも相談できないと、ずっと一人で悩みを抱えています。

Yさんのように更年期世代で、デリケートゾーン(陰部)のにおいに悩んでいる女性は少なくありません。更年期に入って、いままでよりデリケートゾーンのにおいが強くなったと感じる方が多いのです。

更年期のデリケートゾーン(陰部)においの原因は3種類

デリケートゾーンのにおいの主な原因は、雑菌の増殖です。更年期は女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が減るため、腟内を酸性に保つのが難しく、雑菌が増殖しやすい環境になります。

➀内側【腟】の原因

細菌性腟炎

通常、膣内はデーデルライン桿菌という善玉菌によって、酸性に保たれ、他の悪玉菌の繁殖を防いでいます(=自浄作用)

しかし更年期は、エストロゲンの低下によりデーデルライン桿菌が減少し、、腟内のpHを酸性に保つのが難しくなります。このように自浄作用が低下すると、悪玉菌が増殖しやすくなり、生臭いにおいが発生します

萎縮性腟炎

更年期以降の女性に多く見られる腟の炎症です。

エストロゲンが低下することで腟の壁が薄くなり、乾燥しやすくなります。乾燥した粘膜は傷つきやすく、細菌やウイルスの侵入経路となり、炎症が起こりやすくなります。

萎縮性腟炎そのものが悪臭の原因となることは少ないです。しかし、萎縮性腟炎によって、バリア機能が低下すると、細菌性腟炎や感染症を引き起こし、においの原因となることがあります。

②外側【外陰部】の原因

外陰炎もにおいの原因となります。

外陰部(大陰唇、小陰唇、クリトリス、腟前庭、尿道口、腟口、会陰、肛門)の皮膚や粘膜が炎症を起こすことを外陰炎といいます。かゆみや痛み、腫れなどの不快な症状を引き起こします。

炎症により外陰部が湿った状態になると、細菌や真菌が繁殖しやすくなり、においの原因となることがあります。

➂尿漏れの可能性

においの原因が尿漏れである可能性もあります。

更年期には骨盤底筋の緩みにより尿漏れを経験する女性が多くなります。

尿漏れが頻繁に起こると尿のにおいがデリケートゾーンに残り、不快なにおいの原因になります。特にホットフラッシュなどで汗をかきやすい状況では、蒸れてにおいが強く感じられることがあります。

こうした問題には、骨盤底筋エクササイズなどの対策が効果的です。

デリケートゾーンのにおいを消す方法

デリケートゾーンのにおい対策の基本は、清潔に保つことです。

清潔にする

不潔にしていると雑菌が増殖しにおいの原因となるので、清潔に保ちましょう。

デリケートゾーンはヒダ状で汚れが溜まりやすい形状をしています。適切な洗浄とケアを行うことで、雑菌の繁殖を防ぎ、においを抑えることができます。

デリケートゾーンのケアには、以下のポイントが重要です。

優しく丁寧に洗う:ヒダの内側まで丁寧に洗いましょう。腟内は善玉菌のバランスが崩れるため洗わないようにします。においが気になるとゴシゴシ洗いたくなりますが、洗いすぎは傷をつけたり、自浄作用に必要な善玉菌まで取り除いてしまうため逆効果です。

低刺激の製品を使用:低刺激のデリケートゾーン専用の製品を使い、ぬるま湯で優しく洗いましょう。水分を拭き取る際も、柔らかいタオルでこすらずに押し拭きしてください。

おりものシートやナプキンの取り替え:おりものシートやナプキンはこまめに取り替え、常に清潔を保ちましょう。

保湿する

保湿することも大切です。乾燥を防ぎ、外陰炎の予防に効果があります。

乾燥した皮膚はバリア機能が低下し、外陰炎を引き起こしやすくなります。特に更年期はエストロゲンの減少により乾燥が進みやすいため、保湿ケアが重要です。保湿剤は大陰唇や小陰唇、腟口周辺の皮膚に塗ります。

デリケートゾーン専用の保湿クリームを使用することで、皮膚のバリア機能を保ち、外陰炎の予防に繋がります。

下着選び

通気性の良い綿素材の下着を選ぶことで、においの予防になります。通気性の悪い下着は湿気をこもらせ、雑菌を増殖させます。

また、タイトな下着やボトムスは通気を妨げるため、緩やかな服装を心がけましょう。

下着を洗濯する際は低刺激の洗剤を使用し、十分にすすいでください。香料や強い化学物質が残ると、皮膚を刺激する可能性があります。

湿ったままの下着は雑菌の増殖を助長するため、汗やおりもので湿ったら交換できるように、替えの下着を準備して外出しましょう。

ストレスケア

デリケートゾーンのにおい対策にはストレスケアも重要です。

ストレスはホルモンバランスに悪影響を及ぼし、免疫力を低下させます。これにより腟内の細菌叢のバランスが崩れ、自浄作用が弱まります。その結果、雑菌が増殖し、においの原因となることがあります。

リラックスできる時間を持ち、適度な運動や趣味に時間を使うなど、ストレスを軽減する方法を見つけましょう。

セルフケアでも改善しない場合は婦人科で相談

セルフケアでも症状が改善しない場合は、早めに婦人科で相談しましょう。

デリケートゾーンのにおいの変化は、原因によっては早期の診断と適切な治療が必要になることもあります。

正常なおりものは透明もしくは薄いクリーム色で、無臭かわずかに酸っぱいにおいがします。

生臭いにおいや、黄緑灰色カッテージチーズ状のおりものなど、普段とは異なるにおいや色、性状である場合は早めに婦人科を受診しましょう。抗生物質やホルモン療法などの治療が必要なこともあります。

更年期の特徴を知ってデリケートゾーンのにおい対策

更年期はエストロゲンの減少により腟炎感染症が起きやすくなり、それがにおいに関係することをお伝えしました。

多くの女性が抱えているにおいの問題も、更年期の特徴を理解することで効果的に対策できます。清潔、保湿、下着選び、ストレスケアを実践してみてください。セルフケアでも改善しない場合は、早めに婦人科で相談しましょう。

誰にも相談できない「更年期にアソコがくさくなった」

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この記事を書いた人

十枝明日香のアバター 十枝明日香 【看護師】

総合病院にて13年、職場を変え乳腺外科クリニックで勤務。その間、婦人科疾患の手術と重症妊娠悪阻により入院を経験。3児の子育て中で、自分自身が女性のキャリアや働き方の壁に突き当たり、仕事・育児・夫婦関係について、楽しみながら模索している最中。女性特有の悩みに左右されることなく、日々ご機嫌さんに過ごすことが当面の目標。

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