40代「生理の量が少なくなった」のは更年期の始まり?

生理の量が減ったのはそろそろ更年期?閉経?
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40代になり「生理の量が少なくなったのは更年期が始まったから?」と疑問に思う人も多いでしょう。更年期に向けて女性の体は変化します。生理の量の変化もそのひとつです。

40代の生理の変化は、女性ホルモンが減少することで起こります。

本記事では40代の生理の特徴や、なぜ生理の量が少なくなるのかを詳しく解説します。生理の変化を知って、安心して更年期を迎えましょう。

目次

生理の変化「量が減った」「少なくて茶色い生理」「短くなった」

40代に入ると、多くの女性が生理の変化を経験します。例えば生理の量が少なくなったり、少量の茶色い経血だけで月経期間が終わったりすることがあります。また、20〜30代の頃と比べて月経周期が2〜3日短くなる人もいます。

いずれの変化も、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が減少することで起こります。

「生理の量が少ない」の目安

生理の量が少ないとは、具体的にどの程度を意味するのでしょうか。

通常、月経の出血量は20mlから80mlとされており、20ml未満の出血量は「少ない」と言えます。しかし、日常生活で出血量を測るのは現実的ではありません。

目安としては、月経の2日目でもナプキンを変える必要がない、おりものシートで済んでしまうような量です。このような月経の量が少ない状態を過少月経」と呼びます。

また、月経が正常な3~7日よりも短い2日以内で終わることを「過短月経」と言い、過少月経と同時にみられることが多い月経の異常です。

過少月経や過短月経は、女性ホルモンの分泌量が減少することで起こることが多く、更年期の一つの兆候でもあります。

【40代】生理の量が少なくなる理由は「女性ホルモン」

40代で生理の量が少なくなる主な原因は、女性ホルモンの減少です。女性ホルモンには、エストロゲンプロゲステロンという2つの主要なホルモンがあります。

  • エストロゲン(卵胞ホルモン):子宮の内側の膜を厚くする作用があります。月経周期の前半に卵胞から分泌されます。
  • プロゲステロン(黄体ホルモン):厚くなった子宮内膜の維持と、はがれ落ちるのをコントロールする作用があります。排卵後に卵胞が黄体に変化しプロゲステロンを分泌します。

2つのホルモンバランスが正常に保たれることで、通常の生理周期が維持されます。しかし年齢とともに卵胞の数は自然に減少します。卵胞の数が減少すると、卵胞から分泌される女性ホルモンの量も減ってしまいます。

エストロゲンの分泌量が減少すると子宮内膜が十分に厚くならず、経血量が少なくなります。

プロゲステロンの分泌量が減少すると子宮内膜を維持できず、はがれ落ちる子宮内膜の量が減り、経血量が少なくなります。

生理の量が少ないのは更年期の始まり?

40代で生理の量が少なくなるのは、更年期の一つのサインと考えられます。

更年期は、女性の体がホルモンバランスの変化に適応するための過程です。この変化は自然なものであり、過度に心配する必要はありません

更年期はいつから?閉経との関係は?

閉経前の5年と、閉経後の5年を合わせた10年間を「更年期」と呼びます。日本人の閉経年齢の中央値は52歳なので、40代半ばから後半にかけて更年期が始まることが平均的です。

生理の量が少なくなることが、必ずしも更年期の始まりを意味するわけではありません。生活習慣の変化やストレス、体重の変動なども生理の量に影響を与えることがあります。

「生理の量が減ったのは更年期の始まり?」と疑問を感じた時には、他の更年期症状(ホットフラッシュ、睡眠障害、感情の変化など)と併せて観察するようにしましょう。

《アラフォー世代の生理》よくみられる変化のパターン

アラフォー世代の生理の変化で、よくあるパターンのひとつをご紹介します。

30代後半〜40代前半:生理の量が減る・月経周期が短くなる

この時期、多くの女性は経血量が減少し、月経周期が短くなります。一部の月経は無排卵となることもあります。

40代後半:月経回数が減る

月経不順が目立ち、経血量も多くなったり少なくなったりと不安定になります。月経の回数が徐々に減り、2〜3ヶ月に1回になります。生理痛が軽くなる人もいます。

50歳前後:閉経を迎える

50歳前後で閉経を迎える女性が多いです。閉経は、1年以上月経がない状態を指します。

原因に病気が隠れていることも【受診&検診】

40代の生理の変化は女性ホルモンの減少による自然な経過であることが多いですが、病気が原因である可能性もあります。

  • 子宮筋腫

子宮筋腫は子宮内に発生する良性の腫瘍で、生理の量や周期に影響することがあります。

  • 子宮内膜症

子宮内膜組織が子宮外に異常に発生する病気です。生理痛や経血量の変化が起こることがあります。

  • ポリープ

子宮内膜にポリープができると、生理の量や周期が変わることがあります。

  • ホルモン異常

甲状腺機能低下症や高プロラクチン血症などにより、月経異常が起こることがあります。

  • 感染症

子宮や卵巣の感染症も生理の変化を引き起こす可能性があります。

生理の量や不正出血の有無、月経痛の変化などをよく観察し、気になる症状がある場合はすぐに受診してださい。年に一度は婦人科の定期検診を受けましょう。特に40代以降は、がん検診も含めた総合的な検診が重要です。

生理の量が少なくなったのはカラダからのサイン

この記事では、40代で起こる生理の変化について詳しく解説しました。40代になると生理の量が減少したり、茶色い経血が見られたり、月経周期が短くなるといった変化を経験する女性が多くなります。

これらの変化の主な原因は、卵巣機能の低下による女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の減少です。

しかし生理の量が少なくなることが、必ずしも更年期の始まりを示すわけではありません。40代で生理の変化を感じたら、他の症状や体の変化にも意識を向けましょう。気になる症状や急激な変化がある場合は早めに婦人科で相談してください。

生理の量が減ったのはそろそろ更年期?閉経?

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この記事を書いた人

十枝明日香のアバター 十枝明日香 【看護師】

総合病院にて13年、職場を変え乳腺外科クリニックで勤務。その間、婦人科疾患の手術と重症妊娠悪阻により入院を経験。3児の子育て中で、自分自身が女性のキャリアや働き方の壁に突き当たり、仕事・育児・夫婦関係について、楽しみながら模索している最中。女性特有の悩みに左右されることなく、日々ご機嫌さんに過ごすことが当面の目標。

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