【体験談】「寝つけない」「眠りが浅い」更年期と睡眠の悩み
「なかなか寝つけない」「ぐっすり眠った感じがしない」と更年期世代で睡眠に悩みを抱える女性は少なくありません。
実は女性ホルモンの【エストロゲン】が更年期に急激に減少することが、睡眠にも関係しているのです。
このことはあまり知られていないため、原因を見つけられないまま睡眠の悩みを解消できずに長い期間過ごす方がいらっしゃるのも事実です。
今回は恵美さん(仮名・49歳)に、更年期にどのような睡眠の悩みを持って、対応していったのか体験談をお聞きしました。
眠れない・眠りが浅い状態が続いて、ずっとすっきりしませんでした
恵美さんはおいくつくらいから睡眠の悩みを自覚され始めたのですか?
40代半ばくらいからだったと思います。
疲れているはずなのに、夜なかなか寝つけなくなりました。
やっと寝てもちょっとした物音で目が覚めてしまい、すぐに眠りたいのに一度目が覚めるとなかなか眠れないし、焦っていたら朝を迎えてしまうみたいな感じで……。
朝も予定より早くに目が覚めてしまうことも増えて、ずっとすっきりしない状態が続きました。
そんな状態が続くのは相当つらいですよね。
日々の生活にも影響があったのではないですか?
はい。常に睡眠不足なので、頭もボーッとしていて。
車のドアに指を挟んでしまい、けがしたことがありました。
仕事にも集中できませんし、体の疲れも取れませんでしたね。
そういった睡眠の悩みを誰かに相談されましたか?
夫に話したら、昼間に身体を動かさないから夜に眠れないんだろうと一蹴されました。
深刻に悩んでいたので、理解されなくてショックでしたね。
睡眠薬は何となく怖くて、なかなか受診できず。婦人科で漢方を出してもらいました。
せめて心配する言葉がほしかったですよね。
病院には行かれましたか?
はじめは医師に話しても睡眠薬が出るだけかと思いましたし、睡眠薬は何となく怖くて飲みたくなかったので受診はしませんでした。
でも更年期の症状が出はじめて、婦人科の医師に睡眠のことも相談してみました。女性ホルモン値は正常だったので、睡眠にも効くという漢方を処方されました。
無事に婦人科にたどり着けてよかったですね。
更年期の女性ホルモンと睡眠トラブルが関係していることを知っていましたか?
最初は知らなくて、年齢のせいだから仕方ないのかなと思っていました。
受診した婦人科で、睡眠障害が更年期の症状のひとつだと知りました。
現在の睡眠の悩みはどのような感じですか?なにか対策をしていますか?
処方された漢方を飲むようになって、少しずつ改善されたような気がします。でも完全によくなったわけではないので、眠くなったら日中に仮眠をとったり、疲れたらこまめに休んだりと無理しないようにしています。
あとは寒かったり暑かったりして寝づらくならないように、布団やパジャマを調整しています。
上手に折り合いをつけながら過ごされているのですね。
最後に更年期世代の睡眠で悩んでいる方へアドバイスがあればお願いします。
悩んでいる間が本当にもったいないので、早めに病院で相談してみてほしいです。
ありがとうございました!
エストロゲンと更年期の睡眠トラブルには関係がある
更年期に睡眠の悩みが起きやすいのは、主に3つの原因があると言われています。
- エストロゲンの減少によるセロトニン(睡眠に関わる脳内神経伝達物質)の不足
- 夜間のホットフラッシュ
- 更年期の精神的症状である不安や落ち込み
いずれも女性ホルモンのエストロゲンの減少が関連しています。
恵美さんのように、他の更年期症状を感じている方は婦人科での治療で改善する可能性もあります。睡眠のお薬を使うことに不安がある方も、漢方やホルモン療法などさまざまなアプローチがあるので、一度相談してみることをおすすめします。
また睡眠のセルフケアを取り入れてみることで、悩みを軽くすることに近づきます。
ベッドに入る2時間ほど前にぬるめの湯船にゆっくり浸かる、スマホを寝室に持ち込まない、朝は太陽の光をたっぷり浴びるなどの地道なルーチンを続けましょう。
夜間のホットフラッシュ対策に暖かくなりすぎないように寝室や寝具を調整することや、寝汗をかいた際の着替えを枕元に準備しておくことも試してみてください。
ハーブや精油の力を借りてみるのもいいですね。
更年期には、エストロゲンの減少に関係した睡眠のトラブルが起きやすいことを頭の片隅に残しておいて、もしも悩んだ時にはひとりで我慢せず、早めに婦人科で相談してみましょう。
※本記事は実際の体験談をもとに構成・編集しております。