【更年期】だるい・眠い・何もしたくない!何もやる気が起きない原因と対処法

「だるい、とにかく眠い」
「朝起きるのがつらい」
「何もやる気が起きない」
「気分が沈んでしまう」
そんなふうに悩んでいませんか?これらの症状は更年期特有のもので、単なるなまけや一時的な疲れとは異なります。実は、こんな風に感じているのはあなただけではありません。多くの女性が、同じような体験をしています。
この記事では、更年期の耐えがたいだるさ・眠気の原因と、対処方法やセルフケアのアドバイスをお伝えします。
「最近なまけてない?」心無い夫のひとこと
幸恵さん(49歳・仮名)は、ここ数年ホットフラッシュや軽い頭痛、寝つきの悪さなど、更年期特有の症状を感じながらも、仕事に家事にと毎日を懸命にこなしてきました。「更年期なんて気の持ちよう」と、自分に言い聞かせるようにして、がんばり続けてきたのです。
ところが最近、これまでとは明らかに違う疲労感に襲われるようになりました。朝起きても体が鉛のように重く、日中も眠気とだるさが抜けません。家事をしようとしても手が止まり、ついには仕事も休みがちに。
「私、こんなにやる気のない人間だったっけ……?」と、自分で自分を責めています。
そんな中、夫からのひとことが胸に突き刺さりました。
「最近、なまけてない?前はもっとちゃんとしてたじゃん」
悪気のない口調ではあったものの、その言葉にショックを受け、何も言い返せませんでした。
「私だって好きでこうなってるわけじゃないのに」悔しさと情けなさで涙がこぼれそうになったといいます。誰にも理解されないつらさを抱えながら日々を過ごしています。
【更年期のひどい倦怠感】何が原因?

更年期のひどいだるさは「エストロゲンの急激な減少に、体が対応できないこと」が主な原因です。
閉経前の5年と、閉経後の5年を合わせた10年間を「更年期」と呼びます。女性の体は閉経に向かう頃から、エストロゲンというホルモンのレベルが下がります。これに対応して、脳は卵巣へ「もっとエストロゲンを作って」という指令を送りますが、その過程で脳が過剰に反応してしまうことがあります。
過剰に反応して混乱状態の脳は自律神経や睡眠・感情など他の調節機能も乱してしまい、更年期におけるさまざまな身体的、精神的な不調が起こります。

【身体的な不調】ホットフラッシュ、発汗、睡眠障害、倦怠感、性器周辺の変化、骨密度の低下、肌と髪の変化など
【精神的な不調】気分変動、不安感、抑うつ、集中力の低下、記憶力の低下など
エストロゲンの減少がさまざまな不調の原因となり、その影響は身体だけに留まらず、精神的な健康にも大きく関わっていることがわかります。こうした心身の不調が積み重なることで、更年期のひどい倦怠感につながっていくのです。
「何もしたくない」「やる気が出ない」それって本当に更年期症状?
「何もしたくない」「やる気が出ない」という感情は、多くの人が経験するものですが、これらが更年期に伴う症状なのか、それとも他の要因によるものなのかを見極めることは重要です。
やる気が出ない…ホルモンバランスの変化だけが原因じゃない
更年期世代にかかるストレス
更年期を迎える年齢層の女性は、しばしば人生の転換期に直面しています。これには子どもの独立、両親の介護、キャリアの変化や退職など、さまざまな生活の変化が含まれます。これらの変化によるストレスは、体だけでなく心にも影響を及ぼし、「何もしたくない」「やる気が起きない」といった感情を引き起こすことがあります。
環境の変化
環境の変化も、更年期世代の女性に影響を与える要因です。例えば、家族構成の変化、住環境の変化、社会的な役割の変化などがあげられます。これらの変化は新たなストレスを生み出し、気力の低下を感じさせることがあります。
他の健康問題
甲状腺機能障害やビタミンD不足、貧血などは、疲労感や気力の低下を引き起こすことがあります。
「何もしたくない」「やる気が出ない」という感情は、更年期にしばしばある症状ですが、それにはエストロゲンの変動以外にも、更年期世代にかかるストレスや環境の変化など、様々な要因が絡みあっている可能性があります。
「眠れないのにとにかく眠い」複雑な更年期の睡眠
ベッドに入ってもなかなか眠りにつけない、夜中に何度も目が覚める、朝になっても疲れが取れない、一晩中眠っていたはずなのにまだ眠い…という症状に悩まされていませんか?
多くの女性が経験する「眠れないのにとにかく眠い」という矛盾した状況。更年期における睡眠の質の低下は、なぜ起こるのでしょうか?
睡眠を左右するセロトニンと女性ホルモンの密接なつながり
セロトニンの役割
セロトニンは、脳内で生成される神経伝達物質で、「幸せホルモン」とも呼ばれます。気分の調整、食欲、睡眠などに関わり、特にレム睡眠(深い眠り)の調節において重要な役割を果たします。セロトニンのレベルが適切であることは、健康的な睡眠パターンの維持に不可欠です。
エストロゲンの役割
エストロゲンはセロトニンの合成と活動を促進する効果があります。つまり、エストロゲンレベルが正常であれば、セロトニンの生産も適切に行われ、気分の安定や、質の良い睡眠を得ることが可能になります。
更年期に入ると、エストロゲンが減少し、これがセロトニンのレベル低下につながり、睡眠パターンの乱れの原因になることがあります。
プロゲステロンの役割
プロゲステロンは、自然な睡眠薬のような効果があり、睡眠の質を高めるのに役立ちます。このホルモンは、体をリラックスさせ、より深い睡眠をもたらします。プロゲステロンが減少すると、眠りにつきにくくなったり、夜中に目が覚めやすくなったりします。
セロトニン、エストロゲン、プロゲステロン、これらのホルモンのバランスが、良好な睡眠への鍵となります。エストロゲンとプロゲステロンは、更年期以降減少する女性ホルモンです。こうしたホルモンの変動が、更年期に睡眠の悩みが起こりやすい理由なのです。
とにかく眠い…ホルモンバランスの変化だけが原因じゃない
社会的・心理的ストレス
ホルモンバランスの変化だけがすべてではありません。家族の誰よりも早く起き、就寝するのは最後という女性も多いのではないでしょうか。家事や育児、仕事の責任、社会的役割の変化など、更年期を迎える女性が直面する社会的および心理的ストレスも、夜間の睡眠を妨げる要因になることがあります。
更年期特有の症状とその影響
ホットフラッシュや夜間の発汗といった更年期特有の症状も、睡眠を中断させる一因です。これらの症状が睡眠中に起こると、目が覚めてしまう原因となり、結果として日中の疲労感や集中力の低下につながります。
つまり、更年期の睡眠問題は、ホルモンの変化だけでなく、社会的および心理的ストレスや更年期特有の症状といったさまざまな要因があるため、「眠れないのにとにかく眠い」という複雑な状況がうまれるのです。

「やる気が出ない」のは更年期うつ?症状を見分けるチェックリスト
「ただのだるさ」か「病気」か、その境界線は曖昧です。もし以下のような状態が2週間以上続く場合は、甲状腺疾患や更年期うつの可能性も考え、専門医への相談をおすすめします。

- 今まで楽しかった趣味に、全く興味が湧かなくなった
- お風呂に入る、歯を磨くといった「当たり前の動作」が苦痛でたまらない
- 食欲が異常に落ちる、あるいは過食が止まらない
- 自分を価値のない人間だと思い詰め、死について考えてしまう
これらは、ホルモンの乱れだけでなく、心の専門的なケアを必要とするサインです。


心身を整える!だるさ解消のための4つの対処法
「更年期のせいだから仕方ない」と諦める必要はありません。更年期のつらい症状を和らげるための4つの方法をご紹介します。
婦人科で相談
一人で抱え込まず、医療の力を借りましょう。ホルモン補充療法(HRT)や漢方、生活習慣のアドバイスなど、専門的なアプローチで症状が改善するケースもあります。「この程度で病院なんて」と遠慮する必要はありません。
「何もしない」時間を確保する
忙しい世代ですが、あえて休むことを優先しましょう。質の高い睡眠のために寝室の環境を整えたり、休日は家事を最小限にしてリラックスできる活動に充ててください。寝具を新調するのも、睡眠への意欲を高める有効な手段です。
自律神経を整える
自律神経を整える最も簡単な方法は、朝起きてすぐにカーテンを開け、太陽の光を浴びることです。 これにより、日中のやる気を生む セロトニン の合成がスイッチオンになります。さらに、朝にセロトニンが作られると、約15時間後に自然な眠気を誘う メラトニン に変わります。散歩までしなくて構いません。窓際で3分日光を浴びるだけで、夜の睡眠の質が変わり始めます。
ストレスの原因を「手放す」
ストレスは更年期症状を悪化させる天敵です。趣味の時間を持つ、友人に話を聞いてもらう、時には家事の代行サービスを利用するなど、自分を追い詰めない工夫をしましょう。必要であれば、心理カウンセリングも検討してください。
だるくて何もできないのは「更年期のせい」です

更年期に「眠くてだるくて何もできない」のは、あなたが怠慢だからではありません。エストロゲンの減少と環境のストレスが複雑に絡み合った結果であり、いわば脳と体が大切なメンテナンスをおこなっている時期なのです。
自分を責めるのは、今日で終わりにしましょう。更年期は、これまでの頑張りをねぎらい、自分自身に優しく接するための大切な休息期間。自分自身に優しく接するように過ごしてみてくださいね。

参考:






