【薬剤師】福島梨沙
最近、よく耳にする「CBD」。試したいけど、大麻?違法じゃないの?安全なの?と不安に思う方もいるのではないでしょうか。心身の健康維持に役に立つと注目の「CBD」について、薬剤師が解説します。
CDB(カンナビジオール)は、大麻植物から抽出される植物性成分の1つで、精神活性作用を持たないことが特徴です。
大麻草には、精神活性作用をもたらすテトラヒドロカンナビノール(THC)と、非精神活性作用のカンナビジオール(CBD)が含まれています。CBDはTHCと異なり幻覚作用がないため、安全に使用することができるのです。
一般的に、CBDの原料である大麻草が「大麻」として知られているため、ネガティブなイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。日本で販売するCBDは大麻草のうち規制対象ではない部位(*)から製造し、THCが含まれないことを法律で規制しているので安心して使用できます。
CBDは、睡眠の質を向上させたり、自律神経のバランスを整えたり、リラックス効果を提供することで、メンタルサポートに役立つと言われています。以下に、CBDの主な作用をご紹介します。
・痛みの緩和
・精神安定(抗不安・抗うつ)作用
・筋肉リラックス効果
・睡眠の質向上
・抗炎症作用
これらの作用により、CBDは、さまざまな健康・ウェルネスに対する自然療法として注目を集めています。
CBDには多くの種類があります。一般的なCBD製品とその摂取方法をご紹介します。
CBDオイル(ティンクチャータイプ)は、CBDを含む植物から抽出されたオイルです。オイルを舌下に滴下し、30秒〜1分間待ってから飲み込みます。舌下オイルではCBDが唾液腺から吸収されダイレクトに血中へ届けることができるので、吸収効率がよく体感を得られやすいのが特徴です。
量の調整が簡単なこともメリットとしてあげられます。初めは濃度の低いものから始めてみましょう。3%〜40%まで幅広く製品が販売されています。ドロップタイプなら飲む量を調整できます。
CBDカプセルは、CBDオイルをカプセルに詰めたものです。カプセルは、一般的にオイルよりも正確な摂取量がわかるため、錠剤に抵抗ない場合、初めてCBDを試す人には使いやすいかもしれません。
CBDを含むクリーム、バーム、ローションなどの外用もあります。これらの製品は、皮膚に塗布してCBDを吸収させます。皮膚トラブル、筋肉痛など局所のケアなら外用を選ぶと良いでしょう。
電子タバコのような、ベイプタイプは、瞑想やChill Timeに使う人が増えていますね。ベイプではCBDを蒸発させて吸うことで、肺から吸収します。即効性がありますが、タバコを使う習慣がない人には吸うのがちょっと難しいデバイスかもしれません。
香りのフレーバーが付いているので、気分で変えるアロマテラピー効果もあります。
CBDは一般的に安全で、副作用は比較的少ないとされています。
前述のように、CBDは精神作用をもたらさないため、幻覚作用や依存性はないとされています。
しかし用法・用量は遵守し、初めは低用量から使用しましょう。CBDは効果実感に個人差があるようですが、過量摂取にならないように徐々に増やしていき、ご自身の適正量を決めるようにします。
CBDは、肝臓に持病がある場合には注意が必要です。妊娠中や授乳中の女性もCBD製品の使用を避けるようにしましょう。
・口の乾き
・消化不良
・疲労感、倦怠感
・頭痛
・吐き気、食欲不振
これらの副作用が現れた場合は、使用量を減らすか、使用を中止して医師に相談しましょう。また、妊娠中や授乳中の方、既存の病気がある方、薬を服用している方は、医師と相談の上でCDB製品を使用してください。
また、CDB製品を購入する際には、信頼性のあるメーカーやブランドから選ぶことが重要です。
CBDは大麻植物から抽出される成分の1つですが、大麻に含まれるテトラヒドロカンナビノール(THC)とは異なり、日本に流通しているCBD単体では違法薬物ではありません。
ただし、海外のサイトで個人輸入をすると、誤ってTHC含有のものを購入してしまう危険性もあります。個人輸入は避けた方が良いでしょう。
CBDは注目されているウェルネスアイテムです。適切な製品選びと正しい使い方を実践することで、心身の調子を整え、健康をサポートすることが期待できると言われています。
購入や使用時の注意点にも気をつけて、安全に活用しましょう。
《参考資料》
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