悩むのはもったいない!女医が実践する、月経痛やPMSとの付き合い方のコツ

記事更新日: 2020/07/28 TRULY編集部

【監修医師】宮本亜希子

  • 「月経痛にふり回されずに、きちんと治療して、快適な生活をおくってほしい」そんな熱い思いの宮本先生。LEPというピルのことや、月経痛やPMSとの付き合い方のコツを伺います。



  • Q.先生は、月経痛に対して、どのような対策をされていますか?

  • 毎日時間を決めてLEP(低エストロゲン・プロゲスチン配合剤で、いわゆる保険適応のピル)を服用しています。


  • 現代の女性は栄養状態が良いため初潮が早いです。また妊娠回数も少なく、昔の女性と比べると約9倍月経回数が多いといわれています。生理は排卵した後に妊娠が成立しない場合に起きる現象なのですが、「排卵が必要な時期=妊娠希望のある時期」は限られています。

  • しかし、排卵後~月経開始前の不調(PMS:月経前症候群)や、月経痛に毎月悩まされる方は、ひと月の約半分は不調な時期を過ごします。これはとてももったいないことです。また生涯の月経回数が増えることで、子宮内膜症になるリスクや卵巣がんのリスクも増えているといわれています。



  • Q.同じような症状で、悩む方は多いですか? 

  • PMSや月経困難症の方は多いです。

  • 実際に診療している中で、月経痛がひどく学校や仕事を休んでしまう方や、PMSによるイライラ等で家族や職場、友人間の人間関係に影響を及ぼすという方もいらっしゃいます。



  • Q.月経痛やPMSに対して、まずは、どのような対処をするのが良いですか?

  • まず、病院にご相談いただければ、と思います。

  • いわゆるピルに関しては、避妊のイメージがいまだ根強く、また副作用に関する不安もあり、『何となくイヤ』とお考えになる方もいらっしゃいます。


  • そういう方には、今必要ではない排卵のためにひと月の半分を不調のまま過ごしたり、将来の子宮内膜症などに罹患するリスクが増える事をお話しし、また、副作用に関しても丁寧にお話しします。そうすることで『試してみようかな』と思って頂ける方が多くいますね。

  • 女性の社会進出が進んできた今、月経に振り回され仕事の効率が落ちるのは女性にとって、とても不利益と思います。もちろん家事の効率も落ちないほうが好ましいです。イライラや気分の不安なども無いほうが、職場で、家族間で、また友人間でもいい関係が築けます。




  • Q.LEP以外に、行っている月経痛ケアはありますか?

  • 睡眠時間を充分とるように心がけています。

  • 子どもを寝かしつける前にやるべきことを済ませ、歯を磨いて子どもの寝かしつけとともに寝るようにしています。

  • 睡眠不足は精神面にも身体面にも、そして美容面においても良いことではないので。



  • Q.先生が試してみようかなと思ったり、興味があるケアを教えてください

  • LEPを服用している方は年齢が上がると血栓症のリスクが高くなるため、内服をやめないといけません。なので私はIUS※(子宮内黄体ホルモン放出システム)にそのうち切り替えてみようと思います。


  • ※IUS=子宮内黄体ホルモン放出システムとは、

  • 子宮内に黄体ホルモンが約5年間かけてゆっくり出てくる器具(IUS:商品名ミレーナ)を挿入します。内服薬と違って作用は局所だけなので全身への副作用は非常に軽微です。経済的で、薬の飲み忘れもなく、負担が少ない治療法です。様々な理由で低用量ピルが飲めない方、出産が終わった方、しばらく出産を考えていない方などにおすすめです。



  • Q.最後に、PMSや月経痛で悩む方に、アドバイスお願いします!

  • 月経に関する不調は我慢するものではなく、きちんと治療をすれば快適な生活を送ることができます。

  • 特に日本人は月経痛も、出産の痛みも「我慢するもの」と、我慢に美徳のようなものを持っていらっしゃる方がおられるように感じます。

  • しかし、痛みや不調を頑張って我慢しても得られるものは何もありませんので、お一人で抱え込まず、お気軽に婦人科の病院やクリニックに受診していただけるようになればと思います。


監修者プロフィール

【監修医師】宮本亜希子

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医 兵庫医科大学卒。 大学病院・産科婦人科で研鑽を積み、総合病院や産婦人科クリニックを経て、 現在は総合病院及び不妊治療・婦人科専門のクリニックで活躍中。 患者さまの心に寄り添う診療を心がけている。

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