更年期「知られたくない」は古い?気持ちの裏にある現実

更年期のことを「知られたくない」「職場では言えない」と感じている人は、今も少なくありません。
『更年期はもう隠す時代じゃない』と言われても、現実はそんなに単純ではないもの。今回は、50歳女性のリアルな声をもとに、更年期をめぐる“オープンにできない本音”を探ります。
気力でどうにもできない疲れにショック
50歳の千賀子さん(仮名)が更年期を意識したのは、2年前のこと。
千賀子さん涼しいところなのに汗が止まらなくて
休んでも疲れが取れないんです
体がついてこない感覚に、「もしかしてこれが更年期?」と気づいたそうです。
Aさんが最もつらかったのは「疲れやすさ」。



若い頃なら何でもなかったことが、今はぐったりしてしまう
気力でどうにかすることもできず、情けなくてショックでした
更年期の疲れやすさは、ホルモン変化だけでなく、心の落ち込みにもつながったようです。
友人には話せても、職場では「更年期」と言えない
更年期の話題を口にできる相手は、意外と限られています。



同年代の友達とは”あるある”って笑えるけど、職場では絶対言えません
みんなそれぞれ大変な中で、自分だけ”更年期でつらい”なんて言ったら甘えみたいに思われそうで……
千賀子さんの職場では、人員不足で一人が休むと周りの負担が増えてしまうそう。「具合が悪い」と言い出すこと自体に罪悪感がある、と打ち明けてくれました。



たとえ理解してくれる人がいても、「更年期」という言葉を出すと一気に“年齢”や“衰え”のイメージに結びつく気がして
周りに心配をかけたくない。けれど、本当は誰かにわかってほしい。
その狭間で揺れる気持ちは、多くの更年期世代の女性が共通して抱えるものかもしれません。
真面目に仕事を続けたいと思うほど、“更年期を隠す”という選択をしてしまう現実があります。
「知られたくない」と思う気持ちは古い?
更年期をオープンにできないことを「古い」と決めつけるのは、少し違うかもしれません。
千賀子さんのように、「迷惑をかけたくない」「立場を守りたい」という思いから、あえて口にしない人も多くいます。アンケートでも、「職場で話すと気を使われそう」「一度言うと“更年期の人”として見られそう」という声が複数ありました。
つまり、“知られたくない”のは単なる意地や世代的な価値観ではなく、社会の中での生きづらさへの防衛反応でもあるのです。働く環境に余裕がなく、理解を求めること自体が難しい……そんな現実の中で、黙って頑張る選択をしている女性がたくさんいます。
「更年期を知られたくない」という気持ちは、古さや弱さではなく、今の社会の仕組みや空気に対する“現実的な対応”とも言えます。
大事なのは“誰に話すか”を自分で選べること
更年期の悩みを、すべての場面でオープンにする必要はありません。
職場では言えなくても、気兼ねなく話せる友人や、経験を理解してくれる人に打ち明けるだけで、気持ちが少し軽くなることもあります。
千賀子さんも、「同年代の友達と話すと、”わかるわかる”って笑えるのが救い」と話します。
共感してもらえる相手がいるだけで、“自分だけじゃない”と感じられるものです。
更年期をどう扱うかは、人それぞれ。 大切なのは、「話す・話さない」ではなく、“誰とどう話すか”を自分で選べること。自分が安心して話せる相手を見つけることが、更年期を前向きに過ごすための小さな一歩なのかもしれません。
※本記事は実際の体験談をもとに構成・編集しております。















