更年期の女性必読「食欲を抑える食べ物」はある?

「最近、食欲が止まらない」「甘いものを我慢できない」
そんな悩みを感じていませんか?
実は、更年期の女性にとって“食欲の乱れ”は起こりやすい変化なのです。
それはホルモンバランスの変化やストレス、睡眠の質の低下が関係しています。
とはいえ、食欲を我慢し続けるのはつらいもの。そこで注目したいのが、食べながら食欲を抑えることにつながる食べ物。
今回は、更年期女性の食欲メカニズムとともに、自然と食欲が落ち着く食べ物を紹介します。
食欲とは? お腹がすくメカニズム
食欲は「脳」と「ホルモン」の連携でコントロールされています。食べ物が消化・吸収されると、血糖値やホルモンの変化を脳(視床下部)が感知し、 「お腹がすいた」「もう満腹」と判断します。
主に関わるのは次の3つの物質です。
- グレリン:空腹を感じさせるホルモン
 - レプチン:満腹を伝えるホルモン
 - セロトニン:ココロの安定や食欲に関わる神経伝達物質
 
ストレスや睡眠不足などによってホルモンバランスが乱れると、本当は足りているのに「もっと食べたい」と食欲が抑えられなくなるのです。
女性特有の「お腹いっぱいなのに食欲が止まらない」理由
女性はホルモン変化の影響を受けやすく、「生理前」と「更年期」に食欲が強まります。
生理前(PMS)
生理前、特に排卵後から月経開始までの黄体期には、女性ホルモンのひとつ「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の分泌量が増加します。
このプロゲステロンには、体が栄養をため込もうとする働きを刺激するため、甘いものや脂っこいものを欲しがる傾向が出やすくなります。 満腹でももっと何かを食べたいと感じたり、口寂しくなってダラダラと食べてしまうのは、単なる“意志の問題”ではなく、ホルモンの影響が背景にあるわけです。
このような食欲の乱れは、月経前症候群(PMS)の症状のひとつです。
更年期
40代後半から50代にかけて訪れる更年期。この時期は、ホルモンや代謝の変化、自律神経・睡眠など複数の要因が重なって食欲のコントロールが難しくなることがあります。
まず、女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が減少することで、満腹ホルモン「レプチン」のはたらきが鈍くなる可能性があります。これにより、満腹感が得られにくくなり“もっと食べたい”という感覚が強まることがあります。 
さらに、エストロゲンの減少が幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の低下を招き、気分が不安定になり、心の空白を「食べることで埋めよう」という行動に繋がることもあります。
他にも自律神経の乱れや、更年期症状のひとつである睡眠の質の低下も食欲増進に関わるため、更年期世代では食欲の乱れが起こりやすくなります。

食欲を抑える栄養素を含む【食べ物・飲み物】
コントロール困難な食欲を抑制することが期待できる栄養素に、「たんぱく質」「食物繊維」「脂質」などが挙げられます。こうした栄養素が含まれている食べ物や飲み物をうまく取り入れることで、血糖値の急上昇を防ぎ、満足感を持続させることができます。
ここでは、自然と食べすぎを防ぐヒントをご紹介します。
1. たんぱく質食品
満腹感を高め、血糖値の急上昇を防いでくれるのがたんぱく質です。
卵(特にゆで卵)は腹持ちがよく、鶏むね肉や魚は脂肪が少なく消化がゆるやかになります。
豆腐・納豆・ギリシャヨーグルトなどは、手軽に摂れる優秀な食材。
たんぱく質は、満腹ホルモン「レプチン」の材料にもなるため、自然とお腹がいっぱいという感覚を取り戻してくれます。
2. 食物繊維の多い食品
食物繊維が多い食品は、胃の中で長くとどまり、空腹を感じにくくしてくれます。
野菜、果物、穀物、豆類、こんにゃくなどを意識的に摂取しましょう。
特に海藻、ミカン、キウイなどに多く含まれる水溶性食物繊維は、水分を吸ってふくらみ、物理的に満腹感を高めるだけでなく、血糖値の上昇もゆるやかにします。 食べすぎスイッチが入りにくくなる、頼もしい栄養素です。
3. 低GI炭水化物
血糖値の乱高下は、強い食欲を呼び起こす原因のひとつ。
白米やパンを控えめにして、玄米・もち麦・そば・さつまいもなどの低GI炭水化物に置き換えるだけで、空腹の波がやわらぎます。
特にさつまいもは、冷やすと“レジスタントスターチ”という消化されにくいでんぷんが増えるため、血糖値の上昇をさらに抑える効果も期待できます。冷やし焼きいもや、サラダのトッピングにもおすすめです。
4. 間食・おやつ
「どうしても何か甘いものが食べたい!」そんな時のために、罪悪感の少ないおやつや間食を用意しておきましょう。
無塩ナッツ(20g程度)やカカオ70%以上のチョコレート、無糖ヨーグルトにベリーを加えたもの、チアシード入りドリンクなど。噛み応え・脂質・食物繊維のトリプル効果で、少量でもしっかり満足できます。
5.良質な脂質
食欲のコントロールを助ける意外な栄養素に良質な脂質があります。 脂質は“太る”イメージがありますが、実はホルモンの材料となり、満腹感を保つのに欠かせません。
オリーブオイル、アボカド、ナッツ類などに含まれる不飽和脂肪酸は、血糖値を安定させ、ストレスによるドカ食いも防いでくれます。
6. 飲み物
「食べすぎ防止」は、飲み方次第でも変わります。
炭酸水は物理的にお腹をふくらませ、緑茶やブラックコーヒーはカフェインが一時的に食欲を抑えてくれます。
また、カモミールティーはストレスからくる“ココロの空腹”をやわらげ、黒酢ドリンクは血糖コントロールをサポート。
食前に一杯取り入れるだけでも、満足感が高まり、食べすぎを防ぐ助けになります。
なるべく、砂糖は入れずに“自然の味”がおすすめです。
【食欲を抑えるおすすめ食材】
| 食材 | ポイント | 取り入れ方の例 | 
| 卵 | 高たんぱく・消化がゆるやかで満腹感が長持ち | 朝食にゆで卵、サラダにトッピング | 
| オートミール | 水溶性食物繊維が血糖値を安定、腹持ちがよい | 牛乳や豆乳でおかゆ風に、ヨーグルトに混ぜても | 
| ナッツ(アーモンド・くるみなど) | 噛み応え+良質脂質で少量でも満足 | 間食に20g、サラダやヨーグルトのトッピングに | 
| ギリシャヨーグルト | たんぱく質豊富でセロトニン生成にも | ベリーやはちみつ少量を加えてデザート感覚に | 
| さつまいも(冷やし) | レジスタントスターチで血糖コントロール | 常備菜にしておき、小腹がすいた時に | 
コンビニ・外食で食欲を爆発させない選び方
つい食べ過ぎてしまうから……と、コンビニや外食を避ける人も多いかもしれません。
しかし、選び方次第で、コンビニや外食でも食欲をコントロールすることはできます。
ここでは 食べながら食欲を抑える組合せ術をご紹介します。
コンビニ
- サラダチキン+野菜スープ
 - ゆで卵+オートミールカップ
 - 納豆巻き+味噌汁
 - ギリシャヨーグルト+ナッツ
 
糖質中心ではなく、「たんぱく質+食物繊維+汁物」を意識して選ぶのがコツです。
外食
- 定食スタイルで「ごはん少なめ+野菜・汁物多め」
 - 丼よりも「単品+副菜」で調整
 - ファーストフードでは「サラダ+グリルチキンバーガー」など
 
「腹八分目+温かい汁物」で、心身の満足感がアップします。
我慢しないで「食べて」食欲をコントロール
女性特有の「止まらない食欲」は、意思の弱さではなくホルモンの変化が原因であることをお伝えしました。だからこそ、我慢だけで食欲を抑えることは難しいのです。
食欲を抑える食べ物をうまく取り入れて、無理なく食欲をコントロールしましょう。
参考文献


	
		
		



