骨粗しょう症リスクをチェック!30代・40代から始めるべき骨対策

整形外科医が解説 更年期から始める正しい骨ケア
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「女性は骨粗しょう症に注意」

こうした注意喚起を目にしていても、40代・50代のわたしたちにとって骨粗しょう症はイマイチ実感のわかない話題のひとつかもしれません。

しかし骨対策は、更年期世代から始めるべきなのです。

そこで今回は骨の専門家である整形外科の金井研三先生に、アラフォーから始める骨対策についてインタビュー。正しい骨対策骨粗しょう症リスクが高い生活などについてお聞きしました。

目次

何歳から始める?更年期世代の骨ケア

Q.金井先生は骨粗しょう症対策の食品サービスを監修されたとお伺いしましたが、骨粗しょう症対策に取り組むきっかけを教えてください

整形外科医として救急や手術といった多忙な働き方をしていたところから、慢性期治療へシフトしたことがきっかけです。

外来で多くの患者さまと接する時間が増えたことで、骨粗しょう症と向き合う時間が増えました。知識としてはもちろん知っていましたが、骨粗しょう症の患者さんの多さに驚きました。と同時に、適切な治療が受けられていないことに課題を感じて、骨粗しょう症をライフワークにしようと思いました。

Q.40代だと骨粗しょう症はまだまだ心配ないですか?

「予防を始めるべき時期」です。

骨粗鬆症の人の割合は、40歳以上の男性で4%、女性で18%くらいと言われています。もちろん高齢になるほど多くなるので40代で診断される方は少ないです。しかし、40歳前後から特に女性は明確に骨密度が下がり始めることが知られていることと、一度下がった骨密度を上げることは難しいことから、予防を始めるべき時期と言えます。

Q.大人になると骨は減る一方だと聞きました。今から対策しても増えないですよね?

「20歳以降は骨は増えない」です。

骨が増えるピークは1~4歳と12~17歳の2回あると言われていて、骨量が最大になるのは20歳前後です。そこからは減る一方ですが、40歳くらいまではほぼ維持され、閉経の少し前くらいから減り始めると言われています。女性ホルモンが関係しているので更年期障害と近しいところがあるかと思います。

骨は増えませんが、減るのをゆるやかにする対策は必要です。

Q.40歳前後からの骨対策は何から始めるのがおすすめですか?

「食事、運動、検診」です。

最初はこのような「骨粗しょう症のリスクを下げる行動」を知ることから始めましょう。

  • 骨に良い食材を1日1品でも食べる
  • 適度な運動をする(自重を骨で支える運動、特に縄跳びやダンスがおすすめ)
  • 適度に日光を浴びる(カルシウムの吸収を促すビタミンDが生成される)
  • カロリーの摂りすぎと低栄養を避ける(BMIは20~25を目指す)

骨粗鬆症のリスクがある人(骨折歴、両親の骨折歴、持病がある方、痩せすぎの方)は、早めに一度骨密度検査を受けてみることもおすすめです。

よくある対策のかん違い&思いこみ

Q.毎日牛乳をコップ1杯飲んでいるので、骨対策はできていると思って大丈夫ですか?

「不十分」です。

牛乳コップ1杯150ml中のカルシウム量は165mg、対して1日の推奨摂取量は800mgです。またカルシウムだけでなくカルシウムの吸収を促進するビタミンDや、骨の骨格を形成するタンパク質、骨作りに欠かせないビタミンKも摂りましょう。結構骨対策は大変です。

Q.牛乳以外でカルシウムが効率的に摂れる食べ物を教えてください

小魚サクラエビといった、丸ごと食べる魚介類がおすすめです。野菜では切り干し大根豆類もカルシウムが多いと言われています。

カルシウム、ビタミンDなど骨によい食べ物を聞いてもなかなか覚えられないと思います。そこで、スマートフォンで手軽に調べる方法があります。「文部科学省の食品成分データベース」で栄養素ごとに多く含まれている食材のランキングが見られます。自炊派の方は参考にしてみてもいいですね。

Q.カルシウムはサプリメントで摂るのと食事で摂るのはどちらがいいですか?

「食事が望ましい」です。

カルシウムをサプリで大量に摂ると心血管系の病気が増えるという報告があるため、食事での摂取がガイドラインで推奨されています。しかし、カルシウムも含め必要な栄養を食事だけで完璧に充足させるのは大変なので、足りないくらいなら適切な量をサプリで補強した方が良いです。

Q.骨のためにはカルシウムのほかに摂った方がいい食べ物はありますか?

「タンパク質、ビタミンD、ビタミンK」です。

おすすめの食材は

  • 鶏肉(高タンパク低カロリー)
  • 青魚や小魚(タンパク質、ビタミンD)
  • 納豆(タンパク質、ビタミンK)
  • 干しきのこ(ビタミンD)
  • 緑黄色野菜(ビタミンK)

です。

持病があって食べ合わせが不安な人は主治医の先生に相談してみてください。

Q.反対に骨のために控えた方がいい食べ物はありますか?

強いて言えば「カルシウムの排泄を促進する食べ物」です。

具体的には

  • 塩分
  • カフェイン
  • アルコール
  • リン(加工食品など)

などの摂りすぎです。

でもあまりエビデンスは見かけないので摂り過ぎ注意くらいで良いと思います。

Q.骨のためによい成分を食事でとれば骨粗しょう症対策はOKですか?

悪くは無いが「生活全体が大事」です。

なるべく食事で必要な栄養を摂るようにして、足りない分は薬やサプリで補い、加えて適度な運動をし、適度に日光を浴びましょう。一番大切なことは続けられることなので、あまり気張らずに生活に自然に取り入れられるといいですね。

わたしは大丈夫?骨粗しょう症のリスク

Q.今の時点でチェックできる骨粗しょう症のリスク(生活や体質など)を教えてください

  • 骨折したことがある人(特に背骨や股関節)
  • ご両親が骨粗鬆症(あるいは股関節骨折歴がある)の人
  • 持病でステロイド薬を飲んでいる人
  • 糖尿病や慢性腎不全や慢性呼吸疾患のある人
  • 飲酒(ビール2杯/日以上)
  • 喫煙の習慣がある人
  • 痩せすぎ
  • 肥満

こうしたことがリスクです。大切なことは、避けられるリスクは避けることと、避けられないリスクはしっかり把握しておくことです。

Q.骨粗しょう症は遺伝も関係しているのですか?

骨粗しょう症は遺伝の要素が大きいです。

ガイドラインの治療開始のフローチャートにも両親の骨折という項目が入っています。父親・母親のどちら側でも骨折歴がリスクになります。両親が骨折しているという人は、リスクがあるということを意識してほしいですね。

Q.骨粗しょう症のリスクが高そうで心配な場合はどこで相談すればいいですか?

お近くの整形外科に相談に行き、必要であれば検査を受けましょう。

できればホームページをチェックして、骨粗鬆症に力を入れているクリニックを見つけるとよいでしょう。一つの見分け方として骨密度検査の機械(腰椎と大腿骨で測定するDEXA法というもの信頼性が高いと言われている)をチェックしてみると良いと思います。最近では健康診断や人間ドックなどオプションで骨密度を測定出来ることもあるのでそちらを利用するのも良いと思います。

閉経が近づいた40代になったら、一度検査を検討してみてほしいです。

Q.骨粗しょう症になると将来どんな影響が考えられますか?

骨粗しょう症自体は無症状です。ある日骨折して、初めて自分が骨粗しょう症だと分かります。

骨粗しょう症の人が折れやすい場所は「背骨、股関節、手首」です。特に背骨と股関節は、寝たきりや車いす生活になり、その後の人生に大きく影響するおそれがあるので、絶対折れてほしくない場所です。こうした背骨や股関節の骨折も、リスクが高い人なら薬や生活習慣の改善で、半分ほどは防げると言われています。

そして骨折は連鎖します。1か所折れると転びやすくなったり、運動ができなくなったりして、他の部位が骨折するというのが知られています。

なので、最初の骨折を防ぐことが重要です。早めに検査して、予防、そして必要なら治療を受けることです。

10年後20年後のために今日から始める骨ケア

Q.最後に、更年期世代の女性に骨粗しょう症専門家としてメッセージをお願いします

若い方は骨粗しょう症はピンと来ないと思いますが、30~50代の過ごし方は予防の観点でとても大事な時期です。30~50代の過度なダイエットや運動不足が、将来の骨粗しょう症に影響します。こうしたことを頭の片隅でもいいので、意識してほしいですね。

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更年期が終わった後も、健やかに過ごすための骨ケアについて、金井先生からのお話をご紹介しました。

まずは自分自身の骨粗しょう症リスクを知ること、そして今日から骨対策を始めることが大切ということでした。将来の自分のために、骨のことを意識した生活をスタートしましょう。

お話をうかがった先生

監修医師

金井研三先生

東京生まれ湘南育ちの射手座。
2013年横浜市立大学医学部を卒業し、臨床経験12年の整形外科専門医。

専門は脊椎外科。急性期病院で多忙な日々を送り研鑽したのち、在宅医療や慢性期医療にも携わる。

超高齢化社会と骨粗鬆症に非常な危機感を持ち、現役医師として働く傍ら骨粗鬆症予防専門の冷凍食品「コツコツグルメ」を開発。日本の健康寿命を高めるため啓蒙活動に勤しむ。骨折を減らし整形外科医の仕事を無くすのが目標。

コツコツグルメHP https://osteopelta.co.jp

公式ライン https://line.me/R/ti/p/@017zoguk

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