【アラフォー男性医師の実体験シリーズ Vol.2】男性医師のホルモンセルフケア~運動・食事・睡眠~
体調管理をするうえで、重要な役割を果たしているのがセルフケア。とはいえ、どんなことを意識して始めたらいいのかわからない人も多いのではないでしょうか。そのなかでも男性更年期障害の症状を改善させるのに欠かせないのが、ホルモンのセルフケアです。
そこで、さまざまな疑問を探るためにTRULYでスタートした連載が「アラフォー男性医師の実体験シリーズ」。ここでは、渋谷のKARADA内科クリニックで感染症専門医・一般内科医として幅広い患者さんの悩みと向き合っている田中雅之先生に体験談を語っていただいています。
第2回目は、いま取り組んでいるセルフケアや、健康づくりとホルモンセルフケアの違いなどについて、お話いただきました。
―セルフケアとして実践されていることがあれば、教えてください
日常生活で私が大事にしているのは、日々のルーティン。なかでも起床時間を朝4時台と決め、そこから1時間は自分だけの時間として確保しています。寝る時間は多少ズレますが、スムーズに仕事が終わったら早めにお風呂に入り、9時半頃には就寝。これが基本のルーティンなので、それが乱れてしまうと、回復するまでに2日間ほどかかってしまうほどです。
あと、ここ2年くらいで週に1回ほどサウナにも通うようになりました。私の場合は高校の同級生と一緒に行っていますが、そこでお互いの近況について話し合ったりするので、それがリラックスに繋がっているのかもしれませんね。サウナは高齢の方など入り方に注意を要するオススメできない方もいらっしゃいますが、私にとってはいい気晴らしとなっています。
―とても健康的な生活をされているようですが、やはり医師のみなさんは意識の高い方が多いのでしょうか
いや、「医者の不養生」という言葉があるくらい、自分の周りを見渡してみると医者でちゃんとセルフケアをしている人は実は少数派なのではないかなと…。美容皮膚科の先生とかは、ご自身のことに向いているイメージがありますが、大半は意外と乱れているんじゃないかなという気がしています(笑)。そもそも働き方改革が話題になる業界ですので、無茶をしがちな方が多いかと思います。他の医師たちのセルフケアは気になりますね。
―面白い結果が出そうですね。普段、運動はされていますか?
私は太りやすい体質なので、最近は昼休みに時間を見つけて3キロほど走っています。以前に比べて3キロの減量に成功したのですが、そのおかげで仕事に対してより意欲的になったり、物事をサクサクとこなしたりするようになったと感じています。といっても、別に太っていたときに言い訳ばかりしていたわけではありませんよ(笑)。
もともと前向きな性格が、より前向きになったという意味です。体重が何キロ痩せたとか、腹囲が何センチ細くなったとか、客観的な指標があることでやる気が出てきたのかもしれません。私としては、そういった精神的な変化を感じているところです。
―では、食生活で気を付けていることがあれば、お聞かせください
もともとお酒は飲まないのですが、その代わりに食べ過ぎてしまうんですよね。おいしいものが大好きなので(笑)。そういったこともあって、外食時に好きなものをたくさん食べられるように、通常の食事は慎ましくしています。まず、昼ご飯は基本的にはサラダのみ。あとは、糖分の入っているものは一切飲まず、お水をたくさん飲むようにしています。
―睡眠に関して、気を付けていることはありますか?
食べてすぐ寝るのはよくないので、寝るまでの時間をしっかりと空けて、ちゃんと消化させるようにしたいと思っているのですが、これが中々うまくいきません。睡眠時間を優先するために間隔を開けきれずに寝てしまうことが多いです。
先程話したように朝は4時に起きると決めているくらいで、睡眠を何時間とるかはあまり気にしていません。日によって寝る時間は違うものの、だいたい7時間睡眠をとることが多いですね。ただ、できるだけいいタイミングで起きたいので、眠りの浅いときに起こしてくれる睡眠アプリを使っています。
―セルフケアを意識するようになったきっかけは?
この15年で痩せたり太ったりというのを4回ほど繰り返しているのですが、そうするとどんどん体重が落ちにくくなっていくので、「このまではよくないな」と思うようになったからです。
あとは、同級生の間でも健康の話をすることが多くなってきたからというのもありますね。そんな感じで、嫌でも健康に意識を置くような環境になってきているのかもしれません。
―ホルモンのセルフケアとしてされていることはありますか? そもそもホルモンに対するセルフケアにはどういったものがあるのでしょうか
根拠のある話ではないと思いますが、強いて言うならば、生活リズムと関連があるのではないかなと感覚的に感じております。というのも、ホルモンは日内変動があるものですからね。
具体的には成長ホルモンは夜間に出ると言われているので、夜更かしせずに寝ることでよく育つとされています。それを参考に、生活リズムや規則性はあらゆるホルモンにおいてもある程度当てはまる重要な要素なのかなと感じています。そのため、できるだけ不規則や乱れを避けたいなと毎日考えているところです。と、頭で理解していても、現実ではよく乱れてしまうので、日々その繰り返しですね(笑)。
―単なる健康づくりとホルモンのセルフケアに違いがあれば、教えてください
前提としてお伝えすると、ホルモン値だけが整ったとしても、健康になるというわけではありません。これは内科的なことでも言えますが、たとえば高血圧の人が高血圧に効くことばかりして改善されたとしても、それによってコレステロール値がよくなるとは限りません。何か1つだけをよくしようとしても難しいことのほうが多いので、健康づくりとホルモンのセルフケアにわけるのではなく、食事や運動などをトータルで考えたケアを意識するのが大事だと思います。
お話をうかがった先生
監修医師
田中雅之先生
KARADA内科クリニック渋谷 院長
医学博士
日本感染症学会専門医・指導医
日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
日本医師会認定産業医
皆さんの様々な健康の困りごとをしっかり受け止め、共に考えて診療をすすめるため、“渋谷に根ざす”クリニックを目標にスタッフと共に、日々誠実に努力して参ります。