ふくらはぎがだるいのは更年期のせい?原因と解消法

【更年期×足の悩み】どんな関係?スッキリ解消法を解説
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ふくらはぎがだるくて仕方がない」

「更年期になって、足のむくみもひどい

更年期世代の女性によくみられる足の倦怠感(だるさ)やむくみなどのトラブル。こうした悩みを我慢してやり過ごしてしまうことはありませんか?更年期にふくらはぎがだるくなるのは、女性ホルモンが関係している可能性があるのです。

そこで今回は、更年期にふくらはぎがだるくなる原因とスッキリ解消する方法についてお伝えしていきます。

目次

40代・50代【ふくらはぎがだるい】原因は?

女性ホルモン低下による自律神経の乱れ

更年期にふくらはぎがだるくなるのは、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌低下にともなって自律神経が乱れ、全身の血行が悪くなるためです。

とくに、足の血行不良がおきると水分や老廃物が溜まりやすくなります。すると、ふくらはぎのだるさが生じ、人によっては眠れなくなるほどの症状を抱えてしまうことも。また、足のつりや痛み、むくみ、冷えなどを感じる人もいます。

筋力の低下

更年期ではエストロゲンの減少により筋肉量や筋力が低下しやすくなることも1、ふくらはぎのだるさを引き起こす原因の一つです。

ふくらはぎの筋肉は、足にたまった血液を心臓に送り返すためにポンプのような役割をしています。しかし筋力が低下すると、ポンプ作用がうまく働かずに血行が滞り、だるさなどを感じるようになります。

運動不足

仕事などで長時間座りっぱなしの生活をしている人や定期的な運動習慣がない人は注意が必要です。更年期による筋力の低下も相まって、運動不足だと筋肉ポンプがますます働かなくなり、ふくらはぎのだるさなどの原因になります。

更年期に起こりやすい《足のトラブル》

では、更年期世代の女性に起こりやすい足のトラブルにはどのようなものがあるのでしょうか。よくみられる症状を3つご紹介します。

むくみ

更年期を迎えると、足のむくみが起こりやすくなります。むくみが生じるのは血行の悪さが大きな原因です。ふくらはぎのポンプ作用がうまく働かないと、重力で足に血液やリンパ液が溜まってしまい、むくみが生じやすくなります。

こむらがえり(足がつる)

こむらがえりに悩まされる更年期女性も少なくありません。こむらがえりとは、筋肉が異常に収縮して、けいれんを起こした状態のこと。血行不良や脱水などによって、ミネラルバランスが崩れることが主な原因です。

更年期は女性ホルモンの影響で血行不良になり、足がつりやすいといえます。冷えや食生活の乱れ、アルコール・コーヒーの摂りすぎによる脱水などがあると、さらに症状が起こりやすいでしょう。

下肢静脈瘤

更年期以降の女性では下肢静脈瘤が多くみられます。下肢静脈瘤とは、足の血管がコブのように膨らんだり浮き出たりする状態のこと。

主な原因は加齢や筋力の低下などにより、ふくらはぎのポンプ作用がうまく働かずに足に血液が溜まり、静脈にある弁に負担がかかって壊れるためです。下肢静脈瘤があることで、足のむくみやだるさがひどくなることもあります。

足が「痛い」「だるくて眠れない」「つる」予防&対策

更年期にみられる足のだるさ・痛み・つりなどの症状は、軽いうちに対処することが大切です。おすすめの予防&対策についてご紹介します。

ストレッチ

足のだるさやむくみなどを解消するためには、ストレッチが効果的です。たとえば、アキレス腱を伸ばすストレッチ。コツコツと行うことで、ふくらはぎのポンプ作用が働き、足に溜まった血液を心臓に戻しやすくなります。

マッサージ・ツボ

ちょっとした隙間時間に、マッサージやツボ押しを取り入れてもよいでしょう。足がだるいと感じたら、つま先から太ももに向かって軽く押していくだけでOK

足三里(あしさんり)」のツボを押すと、足の疲れやむくみ、冷えを緩和するのに役立つ場合があります。ひざのお皿から指4本分下で、すねの骨の外側にある凹みをゆっくりと押してみましょう。

弾性ストッキング

足のだるさやむくみには、弾性ストッキング(着圧ストッキング・着圧ソックス)を活用するのもおすすめです。適度な圧力によって足の血行を促進してくれる効果があります。市販のものはドラッグストアなどで購入できるので、使用するシーンに合わせて活用しましょう。

冷え対策

体が冷えると血行を悪くしてしまうので、日頃から冷え対策を心がけることも大切です。夏場は冷房の温度を低くしすぎず、冬場はマフラーやひざ掛けなどを使って体を冷やさないように工夫しましょう。

また、血行をよくするためには入浴が効果的です。38〜40度くらいのぬるめのお湯にゆったり浸かることで体が温まり、足のだるさなどを改善してくれます。

漢方・サプリメント

漢方やサプリメントの力を借りることで、更年期のさまざまな不調を改善できる場合があります。

たとえば「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」という漢方薬は、血行をよくしてむくみや冷えなどの改善に役立ちます。

サプリメントでは大豆イソフラボン由来の「エクオール」がおすすめ。エストロゲンに似た働きをするので、ホルモンバランスを整え、むくみや肩こり・ホットフラッシュといった更年期症状をゆるやかに緩和してくれます。

更年期にふくらはぎがだるいのは病気のサイン?

更年期に生じるふくらはぎのだるさにはさまざまな原因があり、何らかの病気のサインである可能性も否定できません

ふくらはぎにひどいだるさ・むくみなどがある場合症状が長引く場合は、内科などで一度相談しましょう。また、胸の痛みや呼吸が苦しい、尿量が減っているなど、足以外の症状もみられている場合は、早めに医療機関を受診してください。

ひどい足のトラブルは我慢せずに改善しましょう

更年期に起こりやすいふくらはぎのだるさなどは、女性ホルモンの変動が関係していることがあり、予防&対策できることをお伝えしました。

足のトラブルは放っておくと悪化してしまうことも。足にさまざまな不調が起こりやすい更年期世代こそ早めの対策が重要です。症状を我慢しすぎず、セルフケアを取り入れて、快適な毎日を過ごしましょう。

出典:

  1. 茂木ら(2019). 中年勤労女性の閉経前後における生活習慣と関連因子の比較〜性ホルモンとの関連〜. 日本職業・災害医学会会誌, 67(1), 22-29. ↩︎
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この記事を書いた人

榎本真美子のアバター 榎本真美子 【看護師・保健師】

看護師・保健師
女性の健康総合アドバイザー
薬膳コーディネーター

都内総合病院の婦人科・乳腺科などに勤務後、女性総合診療のクリニックに従事。女性ホルモンと体・心のつながりについて理解を深め、さまざまな患者さんをサポートする。
その後、家族の転勤に伴い海外生活を経験。
健康管理やセルフケアの大切さを実感し、看護師ライターとして健康に役立つ情報発信に努めている。

このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法や専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません。

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