【エクオール】飲んではいけない人って?副作用・注意点は?
更年期に良いとされるエクオール。エクオールは女性ホルモンの働きをサポートしてくれる成分ですが、ホルモンと聞くと、どんな効果や影響があるのか少し心配になりますよね。
この記事では、エクオールの効果や、副作用、飲んではいけない人についてお伝えします。
【エクオールとは】どうして更年期に必要?
45歳〜55歳頃の更年期は、女性ホルモンの分泌が減少することで、ほてりやのぼせなど色々な更年期症状が引き起こされることがあります。
エクオールと女性ホルモン(エストロゲン)は構造が似ていることから、更年期に女性ホルモンのサポートをしてくれるのです。
納豆や豆腐に含まれる大豆イソフラボンを摂取すると、腸内細菌によってエクオールが生成されるので、積極的に食事に取り入れるといいでしょう。またエクオールのサプリメントで補う方法もあります。
「見た目で分かる!?」エクオールが作れる人の特徴
実は日本人の2人に1人は、大豆イソフラボンから腸内細菌でエクオールを作ることができません。どのようにして見分けるのでしょうか。
エクオールが作れる人か作れない人かは、残念ながら見た目ではわかりません。
自分がエクオールを作り出せるかどうか知るには、簡単に検査できるキットがあります。尿を採取して郵送し、メールで結果を受け取ることができるので自宅で調べることができます。
腸内細菌は、食事や生活環境で日々変化しますので1年に1回はチェックすることをお勧めします。
エクオールを飲んではいけない人はいる?
エクオールは大豆から抽出される成分ですので、大豆アレルギーの人は摂取を控えたほうがいいでしょう。
また、妊娠中・妊娠の可能性がある人や、乳幼児・小児では安全性が確認されていないため、控えるようにしましょう。
気になるエクオールの副作用・注意点
エクオールを服用すると、吐き気や血栓症、太りやすくなるなどの副作用があると聞いたことがあるかもしれません。
でも、これらの副作用はHRTというホルモン補充療法を行うと見られる副作用です。エクオールはあくまで食品のようなものなので現在のところ副作用はほとんど報告されていません。
「エクオールで太る」は本当?
2024年6月の時点では、エクオールで太るというはっきりとしたデータはありません。
むしろ、エクオールは肥満の原因の一つである悪玉コレステロールが増えるのを抑える効果があります。更年期は悪玉コレステロールが増えやすいので、エクオールの働きは更年期の女性の肥満予防に一役買ってくれる可能性があります。
他の病気への影響は?
ホルモンというキーワードから、女性ホルモンが影響する乳がんや子宮の病気など、病気を悪化させたり、発症のリスクを上げたりしてしまう可能性がないか心配な人もいるのではないでしょうか。
乳がん・子宮の病気<子宮筋腫・子宮内膜症など>
エクオールは過剰なエストロゲンの働きを抑える効果があります。そのため、ホルモン補充療法に対して注意が必要な乳がんや子宮内膜がんの既往がある人でも、エクオールは使うことができます。
さらに、正しい量を服用していれば、一部の乳がんのリスクを下げる可能性が期待されています。1。
甲状腺の病気
橋本病やバセドウ病などの甲状腺の病気を持つ人も、エクオールを服用することに対して不安があるかもしれません。
代謝などを調節している甲状腺刺激ホルモン(TSH)に対するエクオールの影響は認められなかったという研究結果があります。2
乳がんや子宮の病気、甲状腺の病気の経験がある人は、一度エクオールの摂取について主治医に相談してみるといいでしょう。
こんな時エクオールを飲んでも大丈夫?
すでに更年期症状がつらく、治療を受けたり、薬を飲んでいる人もいるかもしれません。そんな時でもエクオールは飲めるのでしょうか。
ホルモン補充療法中
エクオールは食品のような扱いですから、ホルモン補充療法中でも正しい量であれば併用して問題ありません。
ホルモン補充療法中に大豆を食べても問題ないのと同じ考え方です。ただし、念のため主治医に相談してから服用するとより安心でしょう。
閉経した後
閉経後もしばらく更年期症状が続くことが多いので、続けて服用したほうが症状緩和に役立ちます。
またエクオールには、更年期症状の緩和以外にも、骨粗鬆症予防や動脈硬化予防、糖代謝の改善などさまざまなメリットがあります。
上手にエクオールを活用して更年期対策
エクオールは女性ホルモンに似ている構造を持つことから、血栓症や肥満、乳がんのリスクが上がると間違えられていることが多いサプリメントです。
不安な場合は医師、薬剤師に相談してから摂取すると良いですが、あくまでサプリメントであり、食品の補助ですから、あまり心配する必要はありません。
むしろエクオールは、さまざまな病気の予防につながったり、実はアンチエイジングにも役立ったりします。エクオールを上手に取り入れて、更年期対策をしてみませんか。
出典
- 乳がん診療ガイドライン2022年版 https://jbcs.xsrv.jp/guideline/2022/e_index/bq5/ ↩︎
- 腸内細菌が作り出す大豆イソフラボン代謝産物の有用性と安全性,石見佳子,東泉裕子,化学と生物 Vol.51 No.2 2013 ↩︎