知って対策!更年期障害にならない人ってどんな人?

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これから更年期を迎える40〜50歳頃になると「更年期が軽く済んでほしい」と心から願う女性は多いのではないでしょうか。

更年期障害で寝込んでしまい何もできなくなったという体験談がある一方で、更年期の症状を感じずに過ごせる女性もいます。

実はこの違いがどこにあるのかを知ることが、更年期対策につながります。更年期に不安を感じているあなたに、更年期を軽くするための考え方やコツをお伝えします。

目次

更年期障害とは?

閉経をはさんだ前後10年間にあたる更年期は、年齢とともに卵巣の機能が低下し、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌が減少する時期。

エストロゲンが少なくなると、脳は「もっと分泌せよ」と指令を出すことに。しかし、卵巣がうまく働かずにエストロゲンは分泌されないため脳はパニック状態。そのため、ホルモンバランスだけでなく自律神経のバランスも乱れやすくなります。

日本人女性によくみられる更年期症状は、肩こり・疲労感・のぼせ・頭痛・腰痛・多汗・不眠・精神的なイライラなど。更年期症状は200種類以上あるとも言われており、ほかにもさまざまな不調がおこる可能性もあります。

更年期症状の出かたや程度は決まっておらず個人差があるもの。なかでも日常生活に支障をきたすような重いものを「更年期障害」といいます。

更年期障害になりにくい人の共通点

更年期障害にならない人の割合は?

更年期障害にならない人、軽く済む人はどれくらいいるのでしょうか。

厚生労働省の調査では、40〜50代女性で更年期症状がまったくなかった人は15%程度。軽い症状はあっても問題にはならなかった人を合わせると、50%程度の人は更年期に悩まされずに過ごしています

ポイントは自律神経!身体的な共通点

更年期障害になりにくい人の特徴の一つは規則正しい生活習慣であること。

先ほどご説明したように、更年期はホルモンバランスとともに自律神経も乱れやすい時期。不規則な生活習慣や栄養不足・不眠・ストレスなどが蓄積すると、自律神経がさらに乱れて更年期症状が悪化してしまう可能性も。

更年期を快適にすごすためには、自律神経を整えることが一つのポイントといえます。

楽天的?おおらか?性格的な共通点

更年期障害の主な原因はエストロゲンが急激に減少することですが、そのほかに性格も影響すると言われています。

たとえば、

  • 真面目で頑張り屋
  • 完璧主義
  • 周囲に配慮しすぎる
  • 感情を表に出すのが苦手

このような性格の人は、知らないうちにストレスをためやすく更年期症状を強く感じる傾向があります

また、更年期は仕事や子育て、親の介護などライフイベントが重なる時期。環境の変化によってストレスを受ける機会が増えますが、受け止め方次第でストレスの感じ方も異なってきます。ストレスを強く感じるほど更年期症状が悪化する場合があるのです。

更年期を必要以上に心配せずに「こういうこともあるよね」「まぁ、いいか」などと楽天的やポジティブに考える方が、症状が重くならずに済むかもしれません。

アラフォーになったら始めよう!更年期障害にならない方法

更年期障害をできるだけ防ぐためには、女性ホルモンや自律神経のバランスを整えることが大切です。次の3つの方法を取り入れてみましょう。

① 運動する習慣をつける

更年期症状を和らげるためには、自律神経を整えてくれる運動が有効です。

運動は、代謝を上げるだけでなくリラックス効果や爽快感が得られ、自律神経を整えたりストレスを軽減させたりするのに役立ちます。また、体を動かすことで適度な疲労感が得られ、睡眠の質をよくする作用も

ウォーキング・ヨガ・水泳など、無理なく続けられる運動を取り入れてみましょう。

② 質のよい睡眠をとる

睡眠の質をよくすることも、女性ホルモンや自律神経を整えるうえで重要です。

睡眠不足や浅い眠りは自律神経を乱す原因の一つ。睡眠時間だけでなく眠りの質をよくすることで、体の調子が整うだけでなく心も前向きになります

睡眠の質を高めるためには、次のような点を意識しましょう。

  • 入浴・夕食は就寝2〜3時間前までに済ませる
  • 寝る前はできるだけパソコン・スマホを見ない
  • 朝起きたらすぐに朝日を浴びる

③ バランスのよい食事を摂る

バランスのよい食生活は、更年期障害の予防につながります。

栄養バランスが偏っていると、自律神経のバランスが乱れるだけでなく心身の不調につながるリスクも。バランスよく食事することで、ホルモンバランスや自律神経を整えられます

これらの3つの方法は健康な心と体づくりにも効果的なため、更年期世代に突入したら意識し始めたいですね。

更年期障害にならないためにできること

更年期障害になりにくい人の特徴は「規則正しい生活習慣によって自律神経が整っていること」「楽天的でポジティブな考え方を持っていること」であることをお伝えしました。

更年期は人によって症状の程度は違いますが、誰もが避けて通れない時期です。「更年期障害が重かったらどうしよう」と不安になりすぎると、かえってストレスにつながるかもしれません。

症状が現れても「今はこういう時期なんだな」としなやかに受け止め、自分の心や体をケアすることが更年期をうまく乗り越えるコツ。

症状がつらい場合は、漢方薬やホルモン補充療法などで治療することで改善できますので早めに婦人科を受診するのがおすすめです。

今からできる対策をして更年期を健やかに過ごしましょう。

<参考>

厚生労働省「令和4年 更年期症状・障害に関する意識調査」

小野ら(2021). 更年期障害の重症化に関係する要因について―身体感覚の増幅に着目して―.女性心身医学, 25(3), 175-182.

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この記事を書いた人

榎本真美子のアバター 榎本真美子 【看護師・保健師】

看護師・保健師
女性の健康総合アドバイザー
薬膳コーディネーター

都内総合病院の婦人科・乳腺科などに勤務後、女性総合診療のクリニックに従事。女性ホルモンと体・心のつながりについて理解を深め、さまざまな患者さんをサポートする。
その後、家族の転勤に伴い海外生活を経験。
健康管理やセルフケアの大切さを実感し、看護師ライターとして健康に役立つ情報発信に努めている。

このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法や専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません。

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