【監修医師】小杉理恵
骨粗しょう症と更年期は関係ありますか? 何か対策方法はありますか?
「骨粗しょう症」は骨密度が低下して、骨強度の低下を起こす病態です。更年期になると、エストロゲンという女性ホルモンの分泌が低下しますが、このエストロゲンは骨にとっても重要な役割を担い、新しい骨を造る「骨芽細胞(こつがさいぼう)」の働きを助け、古い骨を溶かす「破骨細胞(はこつさいぼう)」の働きを抑えます。そして、腎臓で活性型ビタミンDがつくられるのを助ける働きもあります。
活性型ビタミンDは腸管からのカルシウム吸収を促進する働きがあるので、活性型ビタミンDが減ってしまうと、腸管からのカルシウム吸収も悪くなり、血中カルシウム濃度を下げないために副甲状腺ホルモンが分泌され、骨のカルシウムが奪われていきます。更年期前の骨量が低いと、より骨粗しょう症に至りやすい状態となるので、更年期前の過度なダイエットは避けましょう。
1.運動
運動は骨に刺激を与え、血流をよくして骨を丈夫にします。毎日無理のない範囲で、できるだけ体を動かすことが大切です。
2.日光浴
ビタミンDは骨を健康に保つ大切な成分です。このビタミンは食物中に含まれるだけでなく、日光を浴びることによって体内で作られます。晴れた日にはできるだけ外に出て、十分に太陽の光を浴びるようにしましょう。
3.食事留意
カルシウムの多い食品を十分にとること、カルシウム吸収を促すビタミンDや、からだをつくる重要な成分であるたんぱく質を十分にとることを心がけましょう。無理なダイエットや偏食はカルシウム不足の原因になるので避けましょう。
4.薬物療法
骨密度の低下が認められた場合、薬物療法が必要となることもあります。カルシウム製剤やホルモン製剤などを組み合わせて治療していくことが多いです。更年期以降に骨折した人は、骨密度の低下が疑われますので、整形外科に相談することをお勧めします。
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