アーユルヴェーダ的月経前症候群(PMS)の過ごし方

  • URLをコピーしました!

アーユルヴェーダ講師MAMIさんの今回のテーマは「PMS」。アーユルヴェーダ的に考える生理やPMS、体質による症状や対処の方法をご紹介します。

目次

PMSとは

PMSとは月経前3〜10日の間に続く精神的、身体的な症状で、月経が始まるとともに症状がおさまったり、なくなったりするものを指します。

このような症状に3ヶ月以上悩まされるようなら、PMSの可能性が高いと考えられます。

PMSの原因

明らかな原因はわかっていませんが、女性ホルモンの変動が関わっていると考えられています。

排卵リズムのある女性は月経終了後〜排卵までエストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌されます。エストロゲンには妊娠に備えて卵巣内の卵胞を成熟させる、子宮内膜を厚くする、肌艶をよくする、骨密度を維持するなど様々な働きがあります。

排卵〜月経まではプロゲステロンの分泌量が多くなり、受精卵が着床しやすいように子宮内を整え、体温を上昇させる、乳腺を発達させます。そのため、浮腫や食欲増加、眠気、イライラなどを引き起こすこともあります。

また、ホルモンの分泌は脳内から起こるため、食生活の乱れ、生活習慣の乱れ、過度のストレスでもPMSが起こる原因にもなります。

アーユルヴェーダにおける月経とは

アーユルヴェーダにおいて月経は「体内を浄化するための自然現象」であると考えます。

月に一度の浄化期間として、体内に蓄積した毒素を洗い流して体のメカニズムを整えるのが生理です。

そのため、きちんと浄化されるように、月経中の過ごし方はとても重要になります。

また、女性ホルモンの月経周期も3つの性質に分類することができ、月経期=ヴァータ(風のエネルギー)、卵胞期=カパ(水のエネルギー)、黄体期=ピッタ(火のエネルギー)と分類され、3つの性質を理解することで、それぞれに起こる症状に対処することができます。

卵胞期(カパ)

女性らしく輝ける卵胞期、エストロゲンの分泌が増え、肌艶の良い皮膚、艶のある髪の毛、心は安定する時期です。

この時期に自分磨きや生活習慣の見直しをし、良い習慣を取り入れましょう。

そして、適度な運動をすることは、次の月経期に良い影響を与えます。さらに、蓄積されている体内のアーマ(毒素)を取り除くファスティング(断食)もオススメです。

カパ、ピッタ体質の人は3日ファスティングヴァータ体質の人は半日ファスティングをすると効果を高めることができます。ファスティングは卵胞期以外はオススメしません。また、ご自身の体調に合わせて行うようにしましょう。

黄体期(ピッタ)

排卵後の黄体期は、女性ホルモンのプロゲステロンの分泌を増やし、体温が上がり子ども授かる準備を身体が始めます。受精しなかった場合は次の月経期へサイクルが移り、ここで心身のバランスが崩れているとPMSが現れます。

月経期(ヴァータ)

月経期の不規則な生活、ストレスはヴァータを乱し、痛みや不調が起こりやすくなります。生理不順や痛みなどは身体のバランスを崩しているサインなので、そのサインに気づき根本から整えていくことが痛み止めを手放す第一歩となります。

女性ホルモンと月の満ち欠けの関係

女性のホルモンの流れは月の満ち欠けに似ており、新月から満月にかけて成長、吸収力が増す期間となり、満月から新月にかけて浄化、排出力が増す期間となります。

自然のサイクルにそってホルモンのバランスを整えることで、排出能力、吸収成長能力が最大限に発揮できます。

しかし、不摂生な食生活、生活習慣がホルモンのバランスを崩す要因になっていきます。

ドーシャ(体質)別の月経前、月経中の不調と整え方

※アーユルヴェーダのドーシャ(体質)についての記事Vol1と下記の図を参考にしながら見ていただくとよりわかりやすいです。

【カパ体質の症状】

黄体期(月経前):だるさ、むくみ、胸のはり、体重増加

月経期(月経中):生理の遅れ、粘り気のある出血、食欲低下、眠気

整え方

・チーズ、ヨーグルトなどの乳製品、砂糖を含む甘い菓子類、油の多いもの、甘酸っぱい果物、精製された小麦製品は避け、タンパク質、ビタミン、ミネラルを含んだ緑黄色野菜、豆類、果物などを摂取する

・温かい料理 生姜、胡椒などの摂取は消化力をアップ、体を温めてくれます

・昼寝はせず、午前中にウォーキングや軽めのヨガなどをする

【ピッタ体質の症状】

・黄体期(月経前)イライラ、下痢、発熱、にきび、過度の食欲、頭痛

・月経期(月経中)過度の出血、鮮血、暴飲暴食

整え方

・お酒、コーヒー嗜好品を控える、チョコレート、チーズ、ヨーグルト、動物性食品、刺激のある野菜を控える

・空腹を避ける

・激しい運動はせず、瞑想やリラックス効果のある動きやアロマを炊く

・こまめに休息を取る

・頭、足のオイルマッサージ、熱い湯船には浸からない

・甘い果物、刺激のない野菜、ココナッツオイルなどを摂取する

【ヴァータ体質の症状】

・黄体期(月経前):冷え、乾燥、便秘、頭痛、腰痛、落ち込み

・月経期(月経中):生理不順、生理痛、黒い出血、経血量が少なく、長く続いたり不規則、甘いものを摂取したくなる

整え方

・温かく適度に油分を含んだ食事を摂取する

・冷たい飲み物、食べ物を避ける

・活動と休息のバランスを整え十分な睡眠を確保する

・規則正しい生活(早寝早起き)

・オイルマッサージ(足、頭、耳)、アロマを炊く

・体を温める(ホッカイロ、腹巻、厚着)

・呼吸法

PMSが毎月起こってしまうということは、何かしら自身に負担を与えている食事、生活習慣を続けているということです。そのことを理解し、改善していくことが大切です。

毎回起こることが当たり前ではなく、PMSが起こる原因となっている根本を見つけることで、心身の負担なく浄化のプロセスを辿ることができます。

前回の月経の際の過ごし方、食事、仕事の仕方などを振り返ってみることで負担となっている(原因)が見えてきます。

無理している自分に気づくということは意外と簡単な様ですが、忘れがちです。常に意識が外に向いてることが多く、自分を蔑ろにしてることがほとんどです。

そのためにこれまでの習慣について振り返ったり、いつも症状が現れる時期に自分と向き合う時間を作ったり、体質に合ったケアをして、自分自身を大切にしてあげてください。

アーユルヴェーダ講師MAMIさんの過去記事はこちらから見られます。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

「TRULY」LINE公式アカウント

女医や専門家による正しい情報を配信中!

この記事を書いた人

MAMIのアバター MAMI 【アーユルヴェーダ講師】

アーユルヴェーダ講師
セラピスト/ヨガインストラクター
看護師
シータヒーリング プラクティショナー

看護師として勤務した後、趣味だったヨガを深めるためにRYT200時間を受講。ヨガを学ぶ中でヨガの奥深さを知りヨガの道へ。その後アーユルヴェーダと出会い看護師時代にあった疑問が解消されていくことをきっかけにアーユルヴェーダ講師、セラピストコースを修了。現在はフリーランスとしてレッスン、パーソナルを開催。
22年9月に『アーユルヴェーダサロンsodashi』を開業。

このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法や専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません。

<専門家の皆様へ>
病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください。

目次