トキメキや性的欲求が消えても、女性との愛とセックスを育む「10の愛情表現」<男性編>

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こんにちは。セックス・エデュケーターでジャーナリストの此花わかです。

2020年に一般社団法人日本家族計画協会家族計画研究センターが全国5,029人を対象に行った調査によると、婚姻関係にある男女のうち51.9%がセックスレスに陥っているそう。(※1)

このセックスレスの定義は、日本性科学学会が「特殊な事情がないのにも関わらず、性交やセクシュアル・コンタクトが1ヶ月以上なく、その後も長期的に続くことが予想される場合」としたもの。

つまり、日本の既婚者の過半数がセックスレスの状態にあると考えられます。

セックスレスでもカップルの2人ともが幸せならそれでよいのですが、そうでない場合、セックスと愛に満ち足りたリレーションシップ(関係)を築いていくにはどうすればよいのでしょうか?

目次

トキメキ、欲望と愛は共存しない!?

NYを拠点に活動する、世界中で引っ張りだこのセラピスト、ベルギー人のエステル・ペレル博士は世界的ベストセラーの「セックスレスは罪ですか?」で、愛、情熱、欲求について興味深い見解を示しています。

彼女は、人間は「安心・安全・安定」を感じさせてくれる”愛”を欲すると同時に、「冒険・危険・新鮮」を感じさせてくれる”情熱”も欲すると主張。

そして、私たちは「持っていないものしか欲することができない」から、安定した”愛”をパートナーから得ると私たちは、パートナーに対する情熱や欲望を次第に失っていくと説明します。(※2)

また、アメリカの著名なセクソロジストであるアヴァ・カデル博士は、カップルはお互いに惹かれ合う愛の第1ステージ「魅力期」、そして、お互いを知り尽くす第2ステージ「冒険期」を経て、愛が情熱的な感情から”家族の感情”へとヘ変化する第3ステージ「快適期」に入ると言います。

この「快適期」に入るとカップルはトキメキや性的欲求を失っていくので、多くのカップルがこの時期に「セックスや愛がなくなった」と勘違いして別れたり、セックスレスになったり、不幸せな関係に陥ったりするとカデル博士は説きます。

カップルのトキメキや性的欲求が消え始めるのは半年から7年以内

要するに、両博士とも、セックスも愛もマンネリ化してしまうのは当然の成り行きだと言っているわけです。

恋愛を脳科学で紐解く、全米ベストセラー「愛はなぜ終わるのか―結婚・不倫・離婚の自然史」で有名な人類生物学者のヘレン・フィッシャー博士によると、人間が強い恋愛状態にいる時は、脳の腹側被蓋野という中脳の一領域が燃え上がっています。

そしてそこから快感・幸福ホルモンであるドーパミンが放出されて、パートナーに対するエネルギー、渇望や執着心が湧き上がるそう。

ペレル博士の言う「冒険・危険・新鮮」とカデル博士の言う「冒険期」がこの恋愛状態、いわゆるラブラブな状態に当てはまりますが、フィッシャー博士の研究によるとこの期間は脳科学的に半年から7年しか持続しないそうです。(※3)

そこで、マンネリ化したリレーションシップを新たな”愛のカタチ”に進化させるために、カデル博士は30年以上ものセラピストとしての研究や臨床経験から、男女それぞれに異なるアプローチの愛情表現を推奨しています。

今回は男性が女性のパートナーにすべき「10の愛情表現」をご紹介しましょう。女性編は<コミュニケーションの性差を知る。男性と対等で楽しい関係を築くための「10の愛情表現」>に記しています。

女性のパートナーのために男性がすべき「10の愛情表現」

人間の脳、心や行動は個人差があり、性別で全てを一般化してはいけませんが、多くのセクソロジストは男性と女性のコミュニケーションには性差があると論じています。

アヴァ・カデル博士が言うには、女性は”関係を築くため”にコミュニケーションをとり、会話に”個人的な感情”を盛り込む傾向があるのだとか。

以下は、そんな女性の傾向を汲み取った愛情表現なので、ぜひ参考にしてください。

  1. 女性にコーヒーやお茶を朝淹れてあげる
  2. 突然、「好きだよ」などのメッセージを送る
  3. サプライズでピクニックに連れていく
  4. 2人の写真を自分でフレームに入れて、パートナーの目に見える場所に飾る
  5. 手をつなぐ
  6. 定期的に2人きりのデートを企画する
  7. 女性がお風呂から出てきたときや着替えているときなどに「キレイ」「可愛い」などと褒める
  8. 女性に頼まれる前に食器洗いをする
  9. セックスを期待せずにマッサージをしてあげる
  10. 何かしてもらうたびに感謝の気持ちを伝える

女性がコミュニケーションを通して”感情を共有”しようとする一方、男性は、”情報を共有”するためにコミュニケーションをとることから、男性が日常の会話で使う言葉の数は女性の半分ほどだと言われています。

男性は”会話に目的がある”と思っているから、女性に求められてもいないアドバイスをしがち。

なので男性は意見を求められていない限り、女性の話を聞くことに徹し、「うん」「違う」「別に」よりも多いボキャブラリーを使って”感情”をできるだけ表現するように努めてください。

リレーションシップが長くなるにつれ、トキメキや性的欲求が消えてしまうのはごく自然な”愛の進化で”すが、カップルがマンネリを乗り越え、セックスと愛を育むためには普段の愛情表現の積み重ねが必須。

そのために男女のコミュニケーションの性差を認識しておくことが大切でしょう。

【参考】

※1. 【ジェクス】ジャパン・セックスサーベイ2020
※2.「Mating in Captivity」by エステル・ペレル博士
※3.「NeuroLoveology: The Power to Mindful Love & Sex」by アヴァ・カデル博士

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この記事を書いた人

此花わかのアバター 此花わか 【リレーションシップコンサルタント】

ジャーナリスト
リレーションシップコンサルタント

アメリカの性とリレーションシップのコーチングスクールで学ぶ。セックスポジティブな社会を目指す「セクポジ・マガジン」を発信中。FRaU 、Newsweek、Huffpost、SPA!、FRONT ROW、GLITTERなどで執筆。

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