【薬剤師】福島梨沙
前回のコラムでは、更年期の治療にホルモン剤を使用することをご紹介しました。
薬といえば、錠剤や粉末などの飲み薬を想像される方が多いかもしれません。でも更年期のお薬は飲み薬以外にも色々なタイプがあることをご存知でしょうか?
今回は更年期の治療に使用されるホルモン剤の中でも、塗り薬についてご紹介します。
ご自身の治療を決める時の選択肢として、知っておいていただきたい内容です。
いただいた様々な質問にQ&A形式でお答えしていきます。
ジェルタイプのお薬は、皮膚に塗布することで皮膚から吸収され、血液から全身にお薬が運ばれます。
飲み薬が1錠、2錠と錠剤の数で量を調整するように、ジェル剤は何プッシュ使用するかで使用する量を決めています。
皮膚から吸収させることが目的なので、直接、膣や陰部に塗るわけではありません。
更年期の症状として、膣粘膜の萎縮や皮膚の乾燥があります。女性ホルモン(エストロゲン)が減少すると、皮膚や粘膜のみずみずしさが失われ、ハリもなくなるためです。
最近では、デリケートゾーン専用の保湿ジェルも販売されています。デリケートゾーンのケアについてはこちらの記事も参考にしてみてください。
【質問】膣やデリケートゾーンに乾燥や痒みがあります。更年期と関係ありますか? また、どのように対策すればよいでしょうか?
膣の萎縮がある場合、治療薬の1つとして直接膣に挿入する膣剤があります。
膣の不調だけでなく、更年期の症状が全体的に出ている場合は、ホルモン補充療法を行うことで改善する場合もあります。
膣の乾燥だけでなく、ドライアイ(目の乾き)、ドライマウス(口の乾き)、皮膚の乾燥やかゆみの症状が出る方もいらっしゃいます。
体質が変わった気がする、いつもの化粧品が合わないなど、皮膚の変化を感じるのは、乾燥が原因かもしれません。夏でも保湿を心がけましょう。
いかがでしたか?
更年期の治療のジェルと一言で言っても、ホルモンを補充するために肌に塗布するジェルから、更年期症状によるデリケートゾーンの乾燥を補うためのジェルまで、色々なタイプのジェルが存在します。
飲み薬が苦手な方には、このようなジェルタイプの治療薬や保湿剤を使ってみるなど、ご自身に合ったケアを見つけてくださいね。
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