【薬剤師に質問!】更年期のお薬「ホルモンジェル」とは?

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前回のコラムでは、更年期の治療にホルモン剤を使用することをご紹介しました。

薬といえば、錠剤や粉末などの飲み薬を想像される方が多いかもしれません。でも更年期のお薬は飲み薬以外にも色々なタイプがあることをご存知でしょうか?

今回は更年期の治療に使用されるホルモン剤の中でも、塗り薬についてご紹介します。

ご自身の治療を決める時の選択肢として、知っておいていただきたい内容です。

いただいた様々な質問にQ&A形式でお答えしていきます。

目次

Q.友人が更年期の治療にホルモンジェルを使用しているらしいのですが、ジェルタイプのお薬もあるのですか?

 A.あります。更年期の治療に使用されるお薬には、ジェル剤のタイプがあります。

ジェルタイプのお薬は、皮膚に塗布することで皮膚から吸収され、血液から全身にお薬が運ばれます。

飲み薬が1錠、2錠と錠剤の数で量を調整するように、ジェル剤は何プッシュ使用するかで使用する量を決めています。

Q.ジェル剤はどこに塗るのですか?

A.一般的には、腕の手首から肩までに塗って使用します。

皮膚から吸収させることが目的なので、直接、膣や陰部に塗るわけではありません。

Q. 最近、性交痛があります。膣の乾燥と関係があるのでしょうか? 40代後半となり更年期の症状も気になりはじめました。

 A.はい、関係があります。性交痛の原因の1つとして、膣の乾燥があります。

更年期の症状として、膣粘膜の萎縮や皮膚の乾燥があります。女性ホルモン(エストロゲン)が減少すると、皮膚や粘膜のみずみずしさが失われ、ハリもなくなるためです。

Q. どのような対処法がありますか?

A.膣の乾燥を和らげたり、潤いを補充することが大切です。

最近では、デリケートゾーン専用の保湿ジェルも販売されています。デリケートゾーンのケアについてはこちらの記事も参考にしてみてください。

膣の萎縮がある場合、治療薬の1つとして直接膣に挿入する膣剤があります。

膣の不調だけでなく、更年期の症状が全体的に出ている場合は、ホルモン補充療法を行うことで改善する場合もあります。

膣の乾燥だけでなく、ドライアイ(目の乾き)、ドライマウス(口の乾き)、皮膚の乾燥やかゆみの症状が出る方もいらっしゃいます。

体質が変わった気がする、いつもの化粧品が合わないなど、皮膚の変化を感じるのは、乾燥が原因かもしれません。夏でも保湿を心がけましょう。

更年期の治療のために、目的に応じたジェルがあります

いかがでしたか?

更年期の治療のジェルと一言で言っても、ホルモンを補充するために肌に塗布するジェルから、更年期症状によるデリケートゾーンの乾燥を補うためのジェルまで、色々なタイプのジェルが存在します。

飲み薬が苦手な方には、このようなジェルタイプの治療薬や保湿剤を使ってみるなど、ご自身に合ったケアを見つけてくださいね。

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この記事を書いた人

福島梨沙のアバター 福島梨沙 【薬剤師】

薬剤師/薬学修士
ハーバルセラピスト
メディカルハーブコーディネーター
アーユルヴェーダアドバイザー

外資系製薬メーカーにて薬の副作用や安全性情報に関わる、その後、在宅訪問薬局に転職。薬局勤務の傍ら、吉祥寺にシェア型レッスンサロンオリーブケアを開業。「あたま・こころ・からだを健やかにする」をモットーに、気軽で楽しく生活に取り入れられるハーブ・アロマの提案や講座を開催している。

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