更年期に涙が止まらないのはなぜ?原因や対処法・うつ病との違いを解説

なぜ?「涙が止まらない…」更年期の心のモヤモヤを楽にする方法
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更年期に入り、「理由もなく涙が止まらない」「急にイライラする」「不安で仕事への復帰をためらってしまう」など、心の変化に戸惑う人も多いのではないでしょうか。更年期には、女性ホルモンの変動だけでなく、家庭や仕事などの負担が重なり、情緒が不安定になる場合があります。

この記事では、更年期に涙が止まらない原因やうつ病との違い、セルフケア、受診の目安を解説します。

目次

更年期に涙が止まらないのはなぜ?考えられる原因

更年期に涙が止まらなくなる原因として、以下のようなものが挙げられます。12

  • 女性ホルモンの変動
  • 心理・社会的なストレス
  • 不眠や身体症状による心身の疲れ

それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。

女性ホルモンの変動

更年期に涙が止まらなくなる原因の1つとして、女性ホルモンの変動が考えられます。

更年期は、卵巣機能の低下に伴ってエストロゲンの分泌量が大きく変動する時期です。エストロゲンは心身のバランスを保つ働きにも関わっているため、分泌が不安定になると脳や自律神経へ影響を及ぼす場合があります。

その結果、理由もなく涙が出る、イライラしやすい、不安感が強くなる、気分が落ち込むなどの精神症状が現れることがあります。症状の現れ方や程度には個人差があり、日によって気分の変化を感じる人も少なくありません。

心理・社会的なストレス

更年期に涙が止まらなくなる背景には、心理・社会的なストレスが関係している場合があります。

更年期は、子どもの進学や独立、夫婦関係の変化、親の介護など、家庭を取り巻く環境が変わりやすい時期です。家事や育児を一人で抱え込む状況が続くと、心身への負担が大きくなることも珍しくありません。

また、退職などをきっかけに人との交流が減り、孤独感や不安感を抱く人もいます。こうした生活上のストレスに女性ホルモンの変動が重なると、涙もろさや気分の落ち込みなどの精神症状が強く現れる場合があります。

不眠や身体症状による心身の疲れ

更年期に涙が止まらなくなる背景には、不眠や身体症状による心身の疲れが関係している場合があります。

更年期は、ほてりや寝汗、動悸などの症状によって夜中に目が覚め、十分な睡眠がとれなくなるケースが多いものです。2)睡眠不足や疲労が続くと、不安やイライラを感じやすくなります。

また、体調不良が長引くと意欲が低下し、精神的な負担が大きくなることもあります。精神症状と身体症状が互いに影響し合い、つらさが増してしまうケースも少なくありません。

更年期に涙が止まらないのはうつ?

涙が止まらないからといって、必ずしもうつ病とは限りません。更年期障害でも、涙もろさや気分の落ち込み、不安感などが現れることがあります。

とはいえ、うつ病やほかの病気が隠れている場合もあるため、症状を自己判断せず、必要に応じて医療機関へ相談することが大切です。

ここでは、更年期障害とうつ病の違いや、受診の目安について解説します。

更年期障害とうつ病の違い

更年期障害とうつ病は似た症状が現れますが、原因や症状の特徴が異なります。

更年期障害では、涙もろさや気分の落ち込みなどの精神症状に加え、月経不順やほてり、発汗、動悸などが現れやすい傾向があります。また、気分の落ち込みがあっても、時間帯や日によって症状の程度が変わる場合があります。

一方、うつ病は気分の落ち込みが続き、考え方や行動にも影響を及ぼすこころの病気です。3憂うつな気分や絶望感が続いたり、これまで楽しめていたことに興味がわかなくなったりする状態がみられます。こうした症状が2週間以上続く場合は、うつ病の可能性も否定できません。

なお、更年期障害とうつ病が併存しているケースもあるため、自己判断せず医師の診察を受けることが大切です。

うつ病が疑われる心と体のサイン

うつ病の代表的な症状には、以下のようなものが挙げられます。3)4

  • 何をしても楽しくない
  • 興味がわかない
  • 眠れない
  • 早朝に目が覚める
  • 日中に強い眠気がある
  • 食欲の低下
  • 意欲の低下
  • 思考力・集中力の低下
  • 自分を責める気持ち
  • 無価値感

こうした症状が2週間以上続く場合や、仕事や家事など日常生活に大きな支障が出ている場合は、うつ病の可能性も考えられます。また、「死にたい」と感じることがある場合は、一人で抱え込まず、できるだけ早く医療機関へ相談してください

症状の数や期間だけで自己判断せず、医師の診察を受けることが大切です。

似たような症状が現れるほかの病気

更年期に涙が止まらない症状は、うつ病以外の病気が関係している場合もあります。

たとえば、甲状腺機能の異常や貧血でも、疲労感や気分の落ち込み、動悸などが現れることがあります。5また、症状が月経前に強くなり、月経開始後に軽くなる場合は、PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)の可能性も考えられるでしょう。

そのほか、突然の強い不安とともに動悸や息苦しさが現れる場合はパニック症、不安が続く場合は不安症、気分の波が大きい場合は双極症などが隠れているケースもあります。6

「更年期だから」と決めつけず、症状が続く場合や生活に支障が出ている場合は、医療機関で相談することが大切です。

更年期に涙が止まらないときの5つの対処法

更年期に涙が止まらないときは、以下のように、日常生活の中で心身への負担を減らす工夫を取り入れることが大切です。

  • 気持ちや症状を紙に書き出す
  • 感情が高ぶったらその場を離れる
  • 自律神経を整えるセルフケアを取り入れる
  • 家族や友人に話を聞いてもらう
  • 家事や育児の負担を周囲と分担する

それぞれ見ていきましょう。

気持ちや症状を紙に書き出す

気持ちや症状を紙に書き出すことは、自分の状態を整理する方法の1つです。

不安や怒り、悲しみなど、そのとき感じた気持ちをありのまま書いてみましょう涙が出た時間や直前の出来事、睡眠時間、ほてりや動悸などの身体症状も一緒に記録すると、症状が現れやすい状況を把握しやすくなります。

書いた内容を無理に前向きに捉え直す必要はありません。また、イライラや不安の強さを数値で記録すると、日ごとの変化を確認しやすくなります。記録は受診時に医師へ症状の経過を伝える資料としても役立ちます。

感情が高ぶったらその場を離れる

感情が高ぶったときは、無理に抑え込まず、その場を離れることも大切です。

涙があふれたり怒りが強くなったりしたときは、静かな場所へ移動し、気持ちが落ち着くまで距離を取りましょう。ゆっくり呼吸を整えたり、水を飲んだりすると、気持ちが和らぐ場合があります。

家族に強い言葉をぶつけそうなときは、一度その場を離れることで冷静になりやすくなります。一人で気持ちを落ち着かせることが難しい場合は、信頼できる家族や友人へ連絡して話を聞いてもらうのも方法の1つです。感情が不安定なときは、仕事への復帰など大きな決断を急がないようにしましょう。

自律神経を整えるセルフケアを取り入れる

自律神経を整えるセルフケアを取り入れることも、更年期の心身の不調を和らげる方法の1つです。

朝に日光を浴びたり、公園や緑のある場所を散歩したりすると、生活リズムを保ちやすくなります。ウォーキングやヨガ、ストレッチなどで無理のない範囲で体を動かすこともおすすめです。

さらに、ゆっくり深呼吸をしたり、入浴や音楽、読書など自分が心地よいと感じる時間をつくったりすると、心身の緊張が和らぎやすくなります。また、起床時間や食事の時間を大きく変えず、生活リズムを整えることも大切です。

家族や友人に話を聞いてもらう

つらい気持ちは、一人で抱え込まず家族や友人に話を聞いてもらいましょう

不安や悲しみ、イライラを言葉にすることで、自分の気持ちを整理しやすくなる場合があります。相手には、「解決策ではなく話を聞いてほしい」とあらかじめ伝えておくと、安心して気持ちを打ち明けやすくなります。

また、涙もろさや気分の変化が更年期の症状として現れていることを共有しておくと、周囲の理解を得やすくなります。身近な人に相談しにくい場合は、公的な相談窓口を利用する方法も検討しましょう。

家事や育児の負担を周囲と分担する

家事や育児の負担は、一人で抱え込まず周囲と分担することが大切です。

夫や家族には、現在の症状や日常生活で困っていることを具体的に伝えましょう。「手伝ってほしい」と伝えるだけでなく、任せたい家事や時間帯を明確にすると、協力を得やすくなります。

また、子育ての悩みは学校や教育支援センターへ相談する方法もあります。自治体の子育て相談や家事支援などのサービスを活用しながら、自分だけで抱え込まない環境を整えることも大切です。

更年期に涙が止まらないときの受診先

更年期に涙が止まらない症状が続くときは、症状に応じた診療科へ相談することが大切です。

月経不順やほてり、発汗、動悸など更年期症状を伴う場合は、まず婦人科へ相談しましょう。一方で、気分の落ち込みや何をしても楽しめない状態が2週間以上続く場合や、食事や睡眠が十分にとれず家事や仕事に支障が出ている場合は、精神科や心療内科の受診も検討してください。

受診先に迷うときは、かかりつけ医へ相談するのも1つの方法です。

また、「死にたい」「消えたい」といった気持ちが浮かぶ場合は、一人で抱え込まず、家族や信頼できる人へ助けを求めましょう。自分や家族を傷つける危険がある場合は、安全を確保したうえで119番へ連絡してください。すぐに受診できない場合は、公的な相談窓口やカウンセリングを利用することも大切です。

更年期に涙が止まらないときは、1人で抱え込まず早めに相談しよう

更年期に涙が止まらなくなる背景には、女性ホルモンの変動や生活上のストレス、不眠などが関係している場合があります。また、涙もろさや気分の落ち込みは更年期障害でもみられますが、うつ病やほかの病気が隠れているケースもあります。

症状が続いたり、仕事や家事など日常生活に支障が出たりしている場合は、セルフケアだけで対処しようとせず、医療機関へ相談しましょう。家族や友人、公的な相談窓口なども頼りながら、一人で抱え込まないことが大切です。

引用文献

  1. 厚生労働省|(女性の健康相談に関わる方向け)更年期世代の女性の健康支援に関する学習資材
    https://www.mhlw.go.jp/content/001700810.pdf ↩︎
  2. 厚生労働省|女性の睡眠障害
    https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-02-005 ↩︎
  3. 女性の健康ヘルスケアラボ|うつ病
    https://w-health.jp/mental_health/depression/ ↩︎
  4. NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター|うつ病
    https://hsp.ncnp.go.jp/clinical/disease.php?@uid=VU8jzXUV29wmUdd7 ↩︎
  5. 働く女性の心とからだの応援サイト|甲状腺の病気
    https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/thyroid.html ↩︎
  6. 心の情報サイト|不安症
    https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?@uid=BLA9JV0KhiWPIMzX ↩︎
なぜ?「涙が止まらない…」更年期の心のモヤモヤを楽にする方法

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この記事を書いた人

髙橋マキのアバター 髙橋マキ 【看護師】

・認定フェムテックシニアエキスパート(日本フェムテック協会認定資格1級)
・化粧品検定2級

看護師歴28年
都内の総合病院を中心に、循環器内科・ICU・CCUなどで勤務。切迫流産のため120日間の入院生活を経験。
育児・引越しを機に、キャリアチェンジを行う。ライフステージの変化に伴い、女性には多くの健康課題があることを痛感。
多くの女性の課題解決につながるよう、情報発信を行なっている。

このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法や専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません。

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