40〜50代 更年期世代は要チェック!ヒートショックのしくみと予防策

冬になるとニュースなどでよく耳にする「ヒートショック」。
「ヒートショックはお年寄りの話でしょう?」
「まだ40代だし、血圧も高くないから大丈夫」
もしそう思っているなら、注意が必要です。確かにヒートショックによる死亡事故は高齢者に多い1のが事実ですが、リスクが急上昇し始めるのが、40〜50代の更年期世代なのです。
この記事ではヒートショックのしくみと予防策について解説します。安心して冬の入浴時間を過ごすためのヒントにしてください。
ヒートショックの原因は?冬に事故が増えるのはなぜ?
ヒートショックとは、急激な温度変化で血圧が乱高下し、心臓や脳に重大なダメージを与える健康被害のこと。激しい血圧変動が引き金となり、心筋梗塞や脳卒中など、命に関わる病気を引き起こしてしまうと考えられています2。
冬にヒートショックの事故が増える最大の理由は、家の中の温度差です。
- 【脱衣所】暖房の効いたリビングから、寒い脱衣所へ移動し服を脱ぐ → 体は熱を逃がさないよう血管をギュッと縮めて血圧が上がる。
- 【浴室】冷え切った浴室に入る → さらに血管が縮み血圧上昇。
- 【湯船】熱いお風呂にドボンと浸かる → 血管が一気に広がり、血圧が急激に下がる。
このように、短時間に血圧が上がったり下がったりすると、心臓には大きな負担がかかります。その結果、脳への血流低下や突発的な心臓の発作を引き起こしたり、失神して浴槽で溺れたりする──これがヒートショックの恐ろしさです。
更年期世代が気をつけるべき2つの理由
「まだ大丈夫」と思っている40〜50代こそヒートショックに要注意。その理由は、更年期特有の「体の変化」が影響するからです。
➀自律神経の乱れ
更年期でホルモンバランスが乱れると、体温や血圧を調整する自律神経が不安定になります。すると、ちょっとした寒さで血管がギュッと縮みすぎたり、お湯の熱さで一気に広がったりと、体が温度差に対して過剰反応してしまいます。特に、ホットフラッシュがある人は、体の調整力が追いつかず、入浴時の負担が増えやすい傾向にあります。
➁血管の老化
エストロゲンには、血管をしなやかに保つ働きがあります。しかし、更年期はその効果が弱まり、血管が少しずつ硬くなり始める時期です3。硬くなった血管は、急激な血圧変化の波をうまく受け流せません。普段の血圧が正常でも、「以前より温度差に弱い体になっているかもしれない」と意識を変えることが、更年期には必要なのです。
ヒートショックへの不安が減った──50代女性が語る体験談
同世代の芸能人のヒートショックのニュースを見てから入浴が怖くなった──そう話すのは、50代半ばの春香さん(仮名)。
更年期症状の動悸やめまいに悩んでいた時期でもあり、「もし浴室で倒れたら……」という不安がふくらみ、湯船を避ける日が増えたといいます。
転機になったのは、対策を調べて“自分でもできる工夫”を知ったこと。脱衣所を温めておく、入浴前に家族へ声をかけるなど、ちょっとしたことだったので続けられ、安心感につながったそうです。「怖さをなくすより、安心できる環境をつくることが大事だとわかりました」と語っています。
今日からできる【ヒートショック予防対策】
正しい対策を知ればリスクを減らせます。ここでは、今日からすぐに実践できるヒートショックの予防策をご紹介します。
脱衣所と浴室の温度差をへらす
脱衣所と浴室に温度差があると、血管が収縮して血圧が上昇しやすくなります。 まずは、脱衣所と浴室を温めることから始めましょう。
- 脱衣所に小型ヒーターを置く
- お湯張りの際に、浴室のドアを開けておく
- 高い位置からシャワーを出して、蒸気で浴室を温める
脱衣所から浴室までを「ひとつの暖かい空間」にするイメージで行うのがポイントです。
「40度以下×10分まで」で急激な血圧変動を防ぐ
熱いお湯は交感神経を刺激し、血圧を一気に上昇させてしまいます。ヒートショック予防のため、お湯の温度は40度以下のぬるめに設定しましょう4。
40度以下のぬるま湯は、副交感神経を優位にして心身をリラックスモードに切り替えてくれます5。血管への負担を減らすだけでなく、ゆったりした気分になれるおすすめの入浴法です。
また、長湯にも注意が必要です。汗をかきすぎると体内の水分が失われ、血栓(血の塊)ができやすくなります。湯船に浸かる時間は10分程度を目安に切り上げるのが安心です。
湯船から立ち上がる時はゆっくり
お湯に浸かっている間は、水圧によって体が締め付けられ、血液が心臓に戻りやすくなっています。そこから急に立ち上がると、血液が一気に下半身へ落ち、脳への血流が不足して立ちくらみを起こしやすくなります。 湯船から立ち上がるときは、手すりや浴槽の縁につかまり、ゆっくり動くことを心がけてください。
食後の入浴は避ける
食後は消化のために血流が胃腸へ集中するので、血圧が下がりやすくなります。この状態で熱い湯船に入ると、脳や心臓への血流不足を招き危険です。入浴は食後1時間以上あけるのがおすすめです。また、飲酒後も血圧が下がりやすいため、お酒を飲んだ後の入浴も控えましょう。
ほてり・のぼせが強い日は無理をしない
ほてり・のぼせが強い日は、自律神経が乱れているサイン。無理に湯船に浸からず、シャワーだけで済ませるか、半身浴にするなど、体調に合わせて入浴スタイルを調整しましょう。
入浴前のひと声で万が一に備える
家族に「今からお風呂入るね」とひと言伝えておくと安心です。
一人暮らしや家族が不在なら、暖かい日中~夕方の入浴がおすすめ。また、防水ケースにスマホを入れて持ち込み、すぐに連絡できる体制を整えておくなどの工夫も有効です。
入浴時にこんな症状があったら病院で相談を
入浴中や入浴後に、次のような症状が頻繁に見られる場合は注意が必要です。
- 立ちくらみやめまいが頻繁に起こる
- 入浴後に激しい動悸や息切れがする
- 胸の不快感や痛みを感じる
これらは単なるのぼせではなく、不整脈や狭心症など病気の前兆である可能性があります。早めにかかりつけ医や循環器内科へ相談してください。
更年期の変化とうまく付き合いながら安全な入浴を
この記事では、更年期世代が注意すべきヒートショックのしくみと、すぐに実践できるヒートショックの予防対策についてお伝えしました。
更年期は、自律神経の乱れや血管の変化が重なり、温度差の影響を受けやすい時期です。でも、ちょっとした工夫を加えるだけで、入浴時のリスクはぐっと下げられます。
「自分を守る入浴習慣」を身につけて、寒い冬もリラックスしてバスタイムを楽しんでくださいね。
参考
tenki.jp.【動画あり】今日はいい風呂の日!あがった後もしっかり温まるお風呂の入り方






