【体験談】更年期で離職も…経験者が訴える仕事中のつらさと社会的サポートの必要性
働く女性にとって、40代から50代はキャリアにおいても重要な時期と言われていますが、そんな大事なときに立ちはだかるのが更年期。ある調査では、更年期を経験した女性のうち約4割が「更年期で出勤できなかったことがある」という結果が出ているほどです。
そこでTRULYでは、更年期障害を抱えながら働く女性たちを対象にアンケートを実施。実際の症状や仕事中の対処法、職場で感じていた悩みなどについて教えてもらいました。
ケース1 「症状がひどくて離職を余儀なくされた」(56歳・女性の場合)
45歳くらいから生理が不規則になり、更年期の症状が始まったというこちらの女性。最初は発汗がひどかったそうですが、症状が悪化してきたのは2年前のこと。ある日、路上で目が回るような感覚に襲われ、それ以降は仕事中にパソコンの画面までグルグルと回るようになってしまったのだとか。漢方薬やサプリを試したり、散歩をしたりするものの、なかなか改善されない日々が続いたといいます。
その後、気分の落ち込みや不眠などさまざまな症状が出てきたため、離職せざるを得なくなり、フルタイムの派遣から単発のアルバイトに仕事を変えることに。「派遣やパートの場合、代わりはいくらでもいると思ってしまい、上司や同僚には話せませんでした」とつらい胸の内を明かしています。今回のアンケートでも、「理解してもらうのは難しいから職場で相談したことはない」という回答が大半を占めているように、我慢しながら働いている女性が多いのが現実のようです。
経験者から更年期を抱えながら働く女性へメッセージ
更年期はデリケートなことなので、会社でケアをしてもらうのはまだまだ難しいかもしれません。でも、理解をしてもらえるだけでも気持ちが少し軽くなるので、そういう人を周りで見つけられるといいですね。更年期にかかわらず、コロナ禍を経たいま、働き方にもっと多様性が生まれるべきだと思っています。
ケース2 「更年期で働ける時間が半分になった」(58歳・女性の場合)
飲食店で接客業をしているというこちらの女性は、「更年期になってから働き方が変わりました」と話します。症状が出てきたのは、47歳頃だったそうですが、立っていられないくらい足元がフワフワするようになり、めまいや身体のほてり、得体の知れないだるさに見舞われるようになってしまったのだとか。
立ち仕事ということもあり、倒れそうになったこともあったため、職場の仲間にお願いをしてシフトを半分ほどに減らしてもらいながら仕事を続けることに。そういった経験をしたうえで、生理休暇のように更年期休暇も必要であると訴えます。
経験者から更年期を抱えながら働く女性へメッセージ
職場で具合が悪くなってしまったら、逆に迷惑をかけてしまうので、周りにお願いできることは事前に相談しましょう。そして、無理せずに休むのが大事だと思います。
ケース3 「市販薬で何とか乗り切れた」(59歳・女性の場合)
「50歳の前半から更年期が始まりました」と話すこちらの女性。更年期の症状は、次第に勤務中でも出始めるようになってきたと言います。現在も事務としてフルタイムで勤務を続けているそうですが、身体のほてりはしのげても、めまいを感じると仕事に支障が出てしまうことがたびたびあったとか。そういうときは、デスクに座ったまま目を閉じて症状が治まるのを待っていたそうです。
その後、「命の母A」を試してみたところ症状が軽減されたため、特に働き方を変えることなく、何とか乗り切れたと振り返ります。会社で更年期に対するケアはないものの、健康保険組合がしっかりとしていることもあり、何かあれば相談できる体制が整っていることへの安心感があったのは大きかったようです。
経験者から更年期を抱えながら働く女性へメッセージ
つらいときは、サプリを飲んだり、婦人科に相談したりするのがいいかなと思っています。あとは、身体を休める時間を少しでも取るように心がけてください。
今回のアンケートでは、回答者のほとんどが会社に更年期であることを明かすことなく、体調不良を隠しながら仕事を続けていたり、自らの判断で離職したりしていることがわかりました。とはいえ、身体と心への負担だけでなく、経済的な負担もかかってくる問題でもあるので、女性活躍が叫ばれるなか、更年期障害に対する社会的なサポートの必要性が高まっていることは間違いなさそうです。