【体験談】更年期と重なる親の介護問題…経験者が助けられたサービスと気分転換方法
一般的に女性が更年期を迎えるのは45〜55歳頃とされていますが、その時期に重なってしまう問題のひとつと言われているのが親の介護。ただでさえさまざまな体調不良に見舞われるなか、介護との両立に悩まされている人が増えていると言われています。
そこでTRULYでは、更年期障害と介護問題を同時に経験した女性たちを対象にアンケートを実施。つらいと感じていることや気分転換に行っていること、利用してよかったサービスなどについて教えてもらいました。
ケース1 「公共の福祉サービスに助けられている」(51歳・女性の場合)
「まさにいま更年期と介護が重なっています」と話すこちらの女性。49歳のときに更年期が始まったといいますが、軽度の認知症を発症した80歳の親を介護するようになったのも同じ年だったそうです。
その生活が始まってからすでに2年が経過。「はじめはなかなか話がかみ合わない親に、イライラして怒鳴ってしまうこともありました。そういうときは、そのあとの気分の落ち込みがひどかったです。精神面に一番影響が出てしまったので、鬱のような状態にもなりました」と振り返ります。
そんななかで意識しているのは、たっぷりと睡眠を摂ることや音楽を聴いて気分転換すること。それによって、なるべくイライラしないように心がけているそうです。そのほかには、市が提供している介護をサポートするアプリが24時間対応ということもあり、そういった福祉サービスにも助けられているといいます。
経験者から更年期と介護問題に悩んでいる方へメッセージ
私自身もまだ最中なので答えは出ていませんが、みなさんも決して1人で抱え込まないでください。困っている方は、まず公共の相談窓口などに行くことをオススメします。
ケース2 「自分の時間も作るようにしている」(56歳・女性の場合)
現在56歳になるこちらの女性が、87歳になる義父の介護をするようになってから3年。自身の更年期は、50歳くらいから始まっていたといいます。いまは更年期の症状が治まってきたこともあり少し楽になったそうですが、当初はムカムカしてストレスを感じていたことも多かったとか。
そんななかで役に立っているのは、デイサービス。預かってもらっているときは、家でカラオケをしたり、好きな手芸をしたりして、自分のために時間を使うようにしているそうです。「いまも週3回デイサービスを使っていますが、これがあって本当に助かっています」と話しています。
そのほかに気を付けていたのは、バランスの取れた食事と規則正しい食生活。「私が倒れてしまったらどうにもならなくなるので…」と、自身の健康管理に対する意識が以前よりも高まっているようです。
経験者から更年期と介護問題に悩んでいる方へメッセージ
まず大事なのは、溜め込まないこと。周りに聞いてくれる人がいれば、我慢せずに話を聞いてもらうようにしましょう。
ケース3 「周りに頼ることで以前よりも元気になった」(60歳・女性の場合)
「更年期に介護をするのはかなりつらいです」と明かす女性が、87歳の父親を介護するようになったのは自身が55歳のとき。53歳頃から更年期の症状が出ていることもあり、「自分の体も限界なのに、避けられない親の介護で毎日を乗り切るのが大変」と話しています。
精神面はもちろん、身体にも負担が大きいのが介護ですが、そんななかでこちらの女性が後悔していることのひとつが自身の体力に関すること。「父を抱えたり移動させたりするときに腰痛が悪化しました。普段からもっと自分の体力向上のための努力をしておけばよかった」と振り返ります。そういった経験を踏まえて、いまは疲労回復のサプリメントなども摂取するようになったそうです。
一時は気持ちの落ち込みから人と会うことがつらくて避けていたこともあったみたいですが、いまは介護の合間に友人とランチに行くのが一番の気分転換になっているのだとか。あとは、デイサービスや訪問介護のスタッフに入浴を頼んだり、わからないことを質問したりしながら、以前よりも心身ともに元気を取り戻しつつあるようです。
経験者から更年期と介護問題に悩んでいる方へメッセージ
親の介護は多くの人に訪れるものですが、自分の体調に気を付けながら笑顔で楽しく前向きに介護と向き合ってほしいです。どんなにつらくても、親から感謝の言葉をかけられたり、笑顔が見れたりすると何よりも励みになりますから。私は、介護とは育ててもらった恩返しであり、自分自身が後悔しないための大切な時間でもあると考えています。
今回のアンケートでは、上記の方以外にも「更年期と介護の両立は精神的にも肉体的にもつらい」という声が圧倒的に見られました。1人で悩んでしまう人も多いようですが、現在はさまざまなサービスや相談窓口も増えているので、そういったものをうまく活用しつつ、自分自身をケアする時間も忘れないように心がけてください。