男性更年期対策に筋トレは効果的?テストステロンとの関係と自宅でできる運動

40代以降「疲れやすくなった」「筋肉が落ちた気がする」「やる気が出ない」と感じていませんか?
こうした変化は加齢だけでなく、男性ホルモンの一つであるテストステロンの低下と関係している可能性があります。テストステロンは、筋肉や骨の維持、性機能、活力などに関わるホルモン。男性の若々しい活力の土台となっています。
男性更年期対策として、筋トレを取り入れることは健康的な生活習慣の一つです。ただし、筋トレをすればテストステロンが必ず増え、男性更年期の症状が改善するとは限りません。
この記事では、筋トレとテストステロンの関係、男性更年期対策として期待できるメリット、自宅でできる筋トレの方法について解説します。
筋トレは男性更年期対策に役立つ?テストステロンとの関係とメリット

年齢を重ねると、男性ホルモンの一つであるテストステロンの分泌が低下しやすくなります。すると、疲れやすさや筋力の低下、意欲の低下、イライラなどの男性更年期障害(加齢性腺機能低下症;LOH症候群)を起こすことも。そこで、不調の緩和や健康維持のために役立つ方法の一つが筋トレです。
筋トレで男性ホルモン(テストステロン)は増える?
大殿筋や太もも、背中などの大きな筋群を使った筋力トレーニングでは、運動中や運動直後にテストステロンの値が一時的に変化することがあります1)。
しかし、これは一時的な変化であり、筋トレを継続すれば安静時のテストステロン値が必ず上昇するという意味ではありません。
また、テストステロンには体脂肪を増やしにくくする作用があります1)。そのため、テストステロン値の低下にともない、太りやすくなるだけでなく、高血圧や糖尿病などの生活習慣病リスクが上がるといわれています。バリバリ仕事をこなし、いつまでも若々しく元気でいるためには、ホルモンケアがとても重要なのです。

筋トレで期待できる健康上の3つのメリット
筋トレには、テストステロンへの影響以外にも、健康へのさまざまなメリットが期待できます。
筋肉量や筋力、骨密度の維持につながる
年齢を重ねると、筋肉量や筋力、骨密度が低下しやすくなります。
筋トレで筋肉や骨に適度な負荷をかけると、筋力や骨密度の維持・向上が可能です2)。筋力が保たれることで、階段の上り下りや荷物を持つといった日常生活の動作も行いやすくなります。
体重や体脂肪の管理に役立つ
筋肉量が減ると、基礎代謝量の低下によって体重が増えやすくなります。
筋トレで筋肉量・筋力を維持しながら、ウォーキングなどの有酸素運動や食生活の見直しを組み合わせることで、体重や体脂肪の管理にもつながります。
肥満や糖尿病などはテストステロンの低下と関係することがあるため1)、体重を適正に保つことは男性の健康管理においても重要です。

自律神経のバランスや睡眠の質を整える
更年期のテストステロン低下にともない、自律神経のバランスも乱れやすくなります。これは、ほてりや発汗、めまい、不眠などを起こしやすくなる要因の一つです。
運動だけでこうした症状が必ず改善するわけではありませんが、適度に体を動かすことは、生活リズムや自律神経のバランスを整えるきっかけになります。日中に活動することで、夜の睡眠の質を高めやすくなります。

男性更年期対策!筋トレは週何回が目安?

筋トレは、無理なく継続できる形で行うことが大切です。運動習慣がない方は、少ない回数から始めて、体調を見ながら徐々に運動量を増やしましょう。
まずは週2〜3回からの筋トレでOK
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人の筋トレは週2〜3日行うことが推奨されています2)。
これまで運動する習慣がなかった方は、まずは週1回から始め、体調を見ながら週2回〜3回と回数を増やしていく方法でもよいでしょう。
ウォーキング、エレベーターを使わず階段を登るなどの有酸素運動を無理のない範囲で組み合わせると、基礎代謝の維持やストレスの軽減にも役立ちます2)。
「ボリューム=重さ×回数」 を意識してみる
筋力アップのためのトレーニングは「ボリューム優先」で行うとよいことが明らかになってきました3)。
たとえばプッシュアップ(腕立て伏せ)を行う場合、「限界ギリギリの10回行い、その1セットで終了する」よりも、「ほどほどの追い込みで行える7回を3セット行う」方が筋力アップに効果的です。
そのため、筋力アップを目的としたトレーニングでは、限界まで追い込む必要はありません。無理のない範囲の強度と回数で、トレーニングを楽しみながら継続することが大切です。
手軽に始められる!自宅でできる男性向け筋トレ3選
筋トレは、ジムに通わなくても自宅で始められます。場所を選ばずに手軽に始められる筋トレとしては、自分の体重を負荷にする自重トレーニングが効果的です。まずは10回×3セットを基本に始めてみましょう。
【スクワット】太もも・臀部を鍛える

スクワットは、太ももやお尻など、下半身の大きな筋肉を使うトレーニングです。
<方法>
- 足を肩幅程度に開いて立つ
- 背中を伸ばし、椅子に座るようにゆっくり腰を落とす
- できる範囲まで腰を落とす
- 足の裏で床を押すようにして立ち上がる
バランスに不安がある場合は、椅子の背もたれや壁につかまって行うこともできます。
【腕立て伏せ(プッシュアップ)】胸・肩・腕を鍛える

腕立て伏せ(プッシュアップ)は、胸や肩、腕の筋肉を使うトレーニングです。
<方法>
- 両手を肩幅より少し広く床につく
- 頭からかかとまでをできるだけ一直線に保つ
- 肘を曲げて、体をゆっくり下ろす
- 床を押して元の姿勢に戻る
難しい場合は、膝を床につけたり、壁に手をついて立った状態で行ったりしても構いません。
【ヒップリフト】臀部・背中を鍛える

ヒップリフトは、お尻や背中を使うトレーニングです。スクワットが難しい方にも取り入れやすい種目です。
<方法>
- 仰向けになり、膝を立てる
- 足を腰幅程度に開く
- お尻をゆっくり持ち上げる
- お尻に力を入れた状態で一度止める
- ゆっくり元の姿勢に戻る
腰を反らせるのではなく、お尻の筋肉を使うことを意識しましょう。
筋トレをしても不調が続く場合は我慢せずに医療機関で相談を
筋トレや生活習慣を見直しても、疲れや性欲低下などの不調が続く場合は、男性更年期やほかの病気が関係している可能性があります1)。気になる症状を自己判断で放置せず、医療機関への相談を検討しましょう。
疲れやすさや意欲の低下、不眠、性機能の低下などがある場合は、泌尿器科やメンズヘルス外来などで相談しましょう。その他に気になる症状がある場合、まずはかかりつけの内科などで相談するのも一つの手段です。

筋トレは男性更年期対策の一つとして無理なく続けよう

筋トレは、テストステロンを必ず増やしたり、男性更年期の症状を治したりする方法ではありません。しかし、筋力や体力の維持、体重管理、生活習慣病の予防など、年齢を重ねた男性の健康を支える大切な習慣です。
「もう年齢だから仕方ない」とあきらめる必要はありません。まずはスクワットや腕立て伏せ、ヒップリフトなど、できる運動を無理のない範囲で始めてみましょう。
ただし、疲れやすい、性欲が低下した、気分が落ち込むといった不調が続く場合は、筋トレだけで解決しようとしないことも大切です。男性更年期やほかの病気が隠れている可能性もあるため、気になる症状は放置せず、医療機関で相談しましょう。
筋トレをきっかけに自分の体と向き合い、これからの毎日をより元気に過ごす工夫を始めてみましょう。

参考
1. 日本泌尿器科学会・日本メンズヘルス医学会. LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き2022.






