男性更年期の不眠対策!睡眠の質を上げて男性ホルモンを整える方法

疲れているのに、ベッドに入ってからも仕事のことや心配事が頭から離れず、安眠できない。やっと眠りについたのに、夜中に何度も目が覚めてしまう。朝早く目覚めて、その後は眠れない……など眠りに関する悩みは、人によって異なります。
厚生労働省によると、日本人の約5人に1人が睡眠に関する悩みを抱えているそうです1)。また、不眠や睡眠の質の低下は加齢によって増加する傾向にあります。その背景の一つに、男性ホルモンの変化が隠れているかもしれません。
今回は、睡眠不足と男性ホルモンとの関係や、今日からできる睡眠の質を上げるセルフケアについてご紹介します。
「不眠」のパターンは一つではない

寝つきが悪い、眠ってから頻繁に目が覚めてしまう、早く目覚めすぎてしまう、夢でうなされたりして睡眠中に目が覚めてしまう……など、「眠れない」とひとことで言っても、その状況は人それぞれです。まずは不眠症の主な4つのパターンをみていきましょう2)。
入眠障害(布団に入っても1時間以上眠れない)
布団に入ってから眠りにつくまで、1時間以上かかる状態です。眠らなければと思うほど焦りが強くなり、時計を何度も確認してさらに眠れなくなることもあります。
中途覚醒(夜中に何度も目が覚めてしまう)
眠りについた後、夜中に何度も目が覚めてしまう状態です。目覚めた後に再び眠れる場合でも、睡眠の満足度が下がり、翌朝に疲れが残ることがあります。

早期覚醒(予定より2時間以上早く起き、再入眠できない)
自分が起きたいと思っていた時間より2時間以上早く目覚め、再び眠れない状態です。朝早く目覚めることが毎日のように続くと、睡眠時間が不足し、日中の眠気や疲労感につながる可能性があります。
熟眠障害(しっかり寝たはずなのに疲れが取れない)
睡眠時間は足りているはずなのに、眠りが浅く、ぐっすり眠った感じがしない状態です。朝起きても疲労感が残る、日中にぼんやりする、集中できないといった形で現れることがあります。
これらの症状が長期間続く場合や、日中の生活に支障が出ている場合は、自己判断で我慢しないことが大切です。不眠のタイプを確認しながら、原因となる身体の病気やこころの不調がないか、専門家に相談してみましょう。
なぜ睡眠不足が「男性更年期障害」の要因になるの?
「睡眠」は、1日頑張ったあなたの身体と心を休ませ、翌日に向けてコンディションを整えるための大切な時間です。睡眠中には、身体の修復や疲労回復に関わるホルモンが分泌されます。男性ホルモンであるテストステロンは睡眠との関係が深く、睡眠不足や睡眠の質の低下が、ホルモンの分泌環境に影響する可能性があります。
一方で、40代を過ぎた頃からテストステロンの分泌は徐々に低下しやすくなります。テストステロンが低下すると、男性更年期障害によって不眠や疲労感、気分の落ち込みを招くことも3)。つまり、睡眠不足と男性ホルモンの低下は、互いに影響し合う悪循環になりやすいといえます。
そのため睡眠を整えることは、男性ホルモンを含めた心身のコンディションを保つ対策の一つです。

今日からできる!男性ホルモンを整える「入眠ルーティン」

よい眠りは、夜だけの工夫でつくられるものではありません。朝に体内時計をリセットし、昼に適度に身体を動かし、夜は心身をリラックスさせる――という1日の流れを意識することで、眠りに向かいやすいサイクルを整えられます。
【朝】カーテンを開けて太陽の光を浴びる
朝起きたら、まずカーテンを開けて太陽の光を浴びましょう。朝の光は、体内時計を整えてくれるため、夜に自然な眠気が訪れやすくなります。
休日も平日と起床時間が大きくずれないようにすると、睡眠リズムを保ちやすくなります。
【昼】階段を使うなど、適度な運動でメラトニンを分泌
日中は、階段を使う、散歩するなど、無理のない範囲で身体を動かしましょう。適度な運動は、睡眠を促すメラトニンというホルモンの分泌を促してくれます。
ただし、就寝直前の激しい運動は目が冴えることがあるため、運動はできれば就寝の2〜4時間前までに済ませましょう4)。
【夜】ぬるめのお湯で入浴し、副交感神経を優位にする
帰宅後は、仕事モードから休息モードへ切り替える時間をつくりましょう。ぬるめのお湯にゆっくりつかると、身体が温まった後に体温が下がる過程で、眠りに向かいやすくなります。
入浴後は着心地のよいパジャマに着替えるなど、リラックスできる環境を整えましょう。寝る前は、スマートフォンやパソコンの画面を見ない、カフェインや飲酒を控えるといった工夫も有効です。
【習慣】眠りスイッチをオンにする「自分だけの入眠ルーティン」
寝る前に毎日決まった行動をとると、心身が「そろそろ眠る時間」と切り替わりやすくなります。
大切なのは、無理なく続けられ、自分にとって心地よいことです。たとえば、「入浴後に照明を少し暗くする」「布団に入る前に深呼吸を3回する」など、短時間でできる行動から始めてみましょう。
忙しい人は週1回の「眠りのスペシャルデー」からスタート
毎日すべての習慣を実践するのが難しい人は、まず週1回を「眠りのスペシャルデー」にしてみましょう。
1日で睡眠の悩みがすべて解決するわけではありませんが、自分に合う方法を見つけるきっかけになります。できることを一つ選び、無理なく続けることが「よい眠りのサイクル」につながります。
セルフケアで改善しない不眠は医療機関で相談しよう
「セルフケアを試しても眠れない」「仕事の都合で生活リズムをすぐには変えられない」という人は、ひとりで抱え込まず、医療機関で相談しましょう。
不眠には、生活習慣やストレス、男性更年期障害だけでなく、睡眠時無呼吸症候群(SAS)5)、頻尿、うつ病などの心の不調など、ほかの病気や薬の影響などが関係している場合があります。
病院では、原因に応じた適切な治療を受けることで、不眠の改善を期待できます。男性ホルモンの低下が気になる場合は泌尿器科やメンズヘルス外来、大きないびきや起床時の頭痛、頻尿などがある場合は内科や睡眠外来、泌尿器科、気分の落ち込みが続いている場合は心療内科などで相談するのも一つの方法です。
質の高い睡眠で男性更年期の不調を乗り越えよう

眠れない状態が続くと、日中の疲労感や集中力の低下を招くだけでなく、男性ホルモンを含む心身のコンディションにも影響する可能性があります。
まずは、朝にカーテンを開けて光を浴びる、日中に適度に身体を動かす、夜はぬるめに入浴してリラックスする、寝る前の入眠ルーティンをつくるなど、できることから始めてみましょう。忙しい人は、週1回の「眠りのスペシャルデー」からでも構いません。
睡眠の悩みが長く続く場合や、男性更年期が疑われる不調がある場合は、セルフケアだけで解決しようとせず、医療機関で相談してください。質の高い睡眠を味方につけて、更年期をしなやかに乗り越えていきましょう。

参考
- 厚生労働省. 令和6年国民健康・栄養調査報告.
- 厚生労働省. 健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~「不眠症」.
- 日本泌尿器科学会・日本メンズヘルス医学会・LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き作成委員会編集. LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き.
- 厚生労働省.健康づくりのための睡眠ガイド2023.
- 日本呼吸器学会. 睡眠時無呼吸症候群.






