どこからどこまで妥協すればよいの? パートナーシップで必要な「3つの境界線」
こんにちは。リレーションシップコンサルタントの此花わかです。
どんな人間関係においても意見の違いは起こりますよね。ある意味、違いがあるからこそ、私たちは新しいアイディアを学び成長できるのだと思います。
しかし、パートナーに関してはどこからどこまで妥協すればよいのでしょうか?
今回は、パートナーシップを含む人間関係をスムーズにするために「3つの境界線」についてお話したいと思います。
なぜ、「境界線」が必要なのか?
境界線は、「自分の好きなこと・嫌いなこと・限界」を指し、自分と他人を分ける境のこと。英語ではBoundaryと言い、”個の確立”を大切にする欧米の文化では一般的に浸透している概念です。
これは、「自分を知り大切にすることで、はじめて他者を認めて尊重できる」という考えに基づきます。
現在、多くの人が「生きづらさ」を感じていますが、政治や社会問題をのぞき、自他の境界線をきちんと引けていないことから起こっているように感じます。
例えば、パートナーに自分の気持ちを伝えていないのに察してもらうことを期待し、その期待が裏切られたときにキレてしまう。
結婚したいと思っているのに、それを言うとパートナーに嫌われると思い、モヤモヤした関係を続けてしまう。
パートナーに面と向かって不満を伝えられないから、陰で悪口を言ったり、怒りをため続けてしまう。
パートナーに勝手に身体を触られて、モノ扱いされる気分がするのに嫌だと言えない。
浮気や不倫をされたら嫌なのに、何度も許してしまう。
こういった、自分のニーズと欲求を上手に伝えられない根本的な理由に、「3つの境界線」を自覚していないことがあります。つまり、自分のニーズと欲求を自覚していないと、「どこまで妥協してよいか」を主体的に決められないのです。
すると、自分は嫌なのにどんどん妥協していき、気がつくと「自分が何者で何を欲しているか」が分からなくなってしまいます。
これを続けると自己肯定感が低くなります。そうして自己肯定感が低くなるとパートナーにさらに軽んじられて、リレーションシップは悪循環に陥ります……。
感情、身体、性……3つの境界線を知ること
それでは、自分のニーズと欲求を知るにはどうすればよいでしょう? それは、「自分が何者か」「他人にどのように扱ってもらいたいか」「自分の限界」である”境界線”を明確に言語化することです。
感情、身体、性にまつわる「自分がされて嫌なこと」をそれぞれのカテゴリーで書き出してみましょう。
以下はあくまでサンプルで、境界線は一人ひとり違います。
「3つの境界線を」知ることで自分自身を知ることができます。反対に、自分の境界線が分かっていないと、パートナーに自分の限界を知らせられないため、パートナーに容易に傷つけられるでしょう。
そうして、自分の決めた境界線のなかで、「絶対に妥協してはいけないもの」と「場合によっては妥協してよいもの」に分けてみてください。「絶対に妥協してはいけないもの」はパートナーに懇願されようと、脅されようと境界線を越えさせてはいけません。
これが自分を知り、自分を大切にするということ。自分を大切にすることで、パートナーのニーズや欲求も尊重できるからです。
自分の境界線を大切にしていないと、「私はこんなに我慢しているのにズルい!」とパートナーが必要以上にワガママに見えることも。
パートナー選びで大切なのは「境界線」の重なる部分
自分とパートナーの境界線が重なる部分は2人の「相性」とも言えます。だから、婚活やパートナー選びでは、「条件」や「好き」よりも、3つの境界線の重なる部分にフォーカスした方がよいと思います。
どんなに惹かれていても、境界線を共有できないと長期的なリレーションシップを育むことが難しくなると思うから。これはカップルでなくとも、あらゆる人間関係において言えるのではないでしょうか?
例えばこんな感じ……
長期的なリレーションシップを育む上で”妥協”は必須ですが、「これを許してしまえば自分は不幸になる」という“境界線”を自覚しておかなければ、パートナーと対等な立場でいることが難しくなるでしょう。
時としてパートナーに反対意見を言うのは面倒くさいし、罪悪感を覚えたり、喧嘩に発展したりします。しかし、そういった葛藤を乗り越えることでリレーションシップは強く、本物へ進化していきます。
映画やドラマは愛を神聖視し、カップルはあらゆる意味で一体化するのが理想だと描きますが、現実は違います。
また、私たちをとりまく環境や生活、そして、私たち自身も変わり続けるのだから境界線も変わり続けます。
最近パートナーと価値観や話が合わないと思ったら、パートナーと「自分がされて嫌なこと」について改めて話し合う時期なのかもしれません。
自分のあり方、幸せや生き方は自分が決めるもの。愛していても、自分の幸せをパートナーに依存してしまわないよう、「自分の価値は自分が決める」ことを意識していきたいですね。