更年期に人と会いたくないのはなぜ?セルフチェックと対処法

誰にも会いたくない…これって更年期のせい?
  • URLをコピーしました!

更年期を迎えると、これまで普通に楽しめていた人付き合いが負担に感じられたり、誰にも会いたくないと思ったりすることがあります。外出や連絡がおっくうになり、「このまま引きこもってしまうのでは」「うつなのでは」と不安になる方もいるでしょう。

更年期にはホルモンバランスの変動によって、心や体にさまざまな不調があらわれます。その影響で気分が落ち込みやすくなり、人との関わりを避けたくなる場合もあります。

この記事では、人に会いたくないと感じる原因や、無理のない対策について解説します。

目次

更年期に人と会いたくないと感じる原因

更年期に人と会いたくないと感じる原因として、ホルモンバランスの変動による気分の落ち込みや不安感の増加、意欲の低下などが挙げられます。1)2)3)4)

40代から50代の時期は、女性では卵巣ホルモンであるエストロゲン男性ではテストステロンの分泌が急激に減少します。エストロゲンやテストステロンは学習や記憶だけでなく、感情をコントロールする働きにも関わる大切なホルモンです。

また、ホルモンの分泌量が減ることで、精神の安定に関係する神経伝達物質であるセロトニンの働きにも影響が及ぶと考えられています。5)その結果、心のエネルギーが不足しやすくなり、人と会ったり会話をしたりすることを負担に感じる場合もあります。

更年期で人に会いたくないのはうつ?セルフチェックと受診の目安

更年期に人と会いたくないと感じるからといって、必ずしもうつ病とは限りません。

更年期にはホルモンバランスの変動によって気分が落ち込みやすくなり、一時的に人付き合いを負担に感じることがあります。しかし、その状態が長く続き、仕事や家事など日常生活に影響が出ている場合は注意が必要です。3)

単なる気分の波ではなく、外出や交流を避ける生活が続いている場合は、医療機関への相談を検討しましょう。婦人科や泌尿器科・メンズヘルス外来ではホルモン補充療法(HRT/テストステロン補充療法)や漢方薬による治療が行われることがあり、心療内科や精神科では心の不調に対する専門的なサポートを受けられます。

どこに相談すればよいか迷う場合は、まず通いやすいかかりつけ医に相談するのも方法の1つです。症状に応じて適切な診療科を案内してもらえるでしょう。

人に会いたくないときのセルフチェック

人に会いたくない気持ちが続いている場合は、次の項目に当てはまるものがないか確認してみてください。

  • 悲しく憂うつな気分が一日中続く
  • これまで好きだったことに興味がわかない、何をしても楽しくない
  • 食欲が減る、あるいは増す
  • 眠れない、あるいは寝すぎる
  • イライラする、怒りっぽくなる
  • 疲れやすく、何もやる気になれない
  • 自分に価値がないように思える
  • 集中力がなくなる、物事が決断できない
  • 死にたい、消えてしまいたい、いなければよかったと思う

当てはまる症状が5項目以上あり、その状態が2週間以上続いている場合は、早めに専門家へ相談することを検討しましょう。6)

更年期で気分の落ち込みがつらい場合は、以下の記事も参考にしてください。

受診の目安と相談できる主な医療機関

更年期には気分の波が起こりやすいものの、1日中続く強い不安感や抑うつ気分が2週間以上続いている場合は、専門的なサポートが必要なこともあります。

仕事や家事に集中できない、外出が難しいといった状態が続く場合も受診の目安の1つです。

相談先としては、女性の場合は更年期症状全般を診てもらえる婦人科(更年期外来)男性の場合は泌尿器科やメンズヘルス外来のほか、心の不調に対応する心療内科や精神科があります。どこを受診すべきか迷う場合は、かかりつけ医に相談してみるのもよいでしょう。

更年期うつに関して、以下の記事も参考にしてください。

更年期に人と会いたくないときのセルフケア

更年期に人と会いたくないと感じるときは、自分のペースを大切にしながら、心や脳に適度な刺激を与えることが大切です。

無理に友人との予定を入れたり、気が進まない集まりに参加したりする必要はありません。まずは心身を休ませながら、自分が心地よいと感じる過ごし方を意識してみましょう。

日常生活の中で睡眠や食事、運動習慣を整えることはもちろん、趣味やリラクゼーションなどを取り入れることも気分転換につながります。ここからは、自宅でも無理なく取り組めるセルフケアを紹介します。

朝に日光を浴びてセロトニンの分泌を促す

朝の光を取り入れる習慣は、気分の安定につながります。

朝に光を浴びると体内時計が整い、夜は睡眠を促すメラトニンが分泌されやすくなります。また、精神の安定に関わる神経伝達物質であるセロトニンの働きも活発になると考えられています。7)

朝起きたらカーテンを開け、ベランダや窓辺で5〜15分ほど過ごしてみましょう。

バランスのよい食事で心と体を整える

バランスのよい食事は、更年期の心と体を整えるための基本です。

女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボンを含む納豆や豆腐、豆乳などは、更年期世代が意識したい食品の1つです。厚生労働省では、大豆イソフラボンの1日の摂取目安量上限を75mg(大豆イソフラボンアグリコン換算)としており、サプリメントに頼りすぎず、できるだけ食品から摂取することが推奨されています。8)

男性の場合は、亜鉛やたんぱく質、ビタミンDなどを摂ることで、テストステロンの分泌が整いやすくなります。

また、骨の健康維持に欠かせないカルシウムや、精神の安定に関わるセロトニンの原料となるトリプトファンも積極的に取り入れたい栄養素です。

乳製品や小魚、大豆製品、卵、魚などを組み合わせながら、無理のない範囲で食事内容を整えていきましょう。

適度な運動を生活に取り入れる

適度な運動を続けることは、心と体の健康維持につながります。

体を動かす習慣がある人は心の健康が保たれやすく、将来的な認知症のリスクも低い傾向があるとされています。ウォーキングやジョギング、軽い筋力トレーニングなど、自分が続けやすいものを選びましょう。

健康づくりのためには、歩行またはそれと同等の運動を1日60分以上、1日約8,000歩以上行うことが推奨されています。また、息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上、筋力トレーニングは週2〜3回を目安に取り入れるとよいでしょう。9)

座りっぱなしの時間が長くならないよう、こまめにストレッチを行うことも大切です。

40代・50代に取り入れたい運動については、以下の記事も参考にしてください。

自分が楽しめる趣味で気分転換する

自分が楽しめる趣味を持つことは、気分転換やストレスの軽減につながります。

ストレスへの対処法として、自分が「楽しい」「心地よい」と感じる活動に意識的に時間を使うことが推奨されています。読書や手芸、ガーデニング、音楽鑑賞など、一人で取り組める趣味でも十分です。

人と会いたくない時期は、その気持ちを否定する必要はありません。自宅で過ごす時間を充実させることも、自分をいたわるセルフケアの1つです。

リラクゼーションで気持ちを落ち着ける

リラクゼーションを取り入れることは、不安や緊張をやわらげることにつながります。

筋弛緩法や呼吸法、瞑想などは、自宅で手軽に取り組める方法です。特に、ゆっくりとした呼吸は副交感神経を優位にし、心拍数や血圧を落ち着かせ、リラックスした状態へ導くとされています。

1日10分ほど呼吸法やマインドフルネス瞑想を続けるだけでも、ストレスや不安の軽減が期待できるでしょう。人と会いたくない時期でも取り入れやすいセルフケアの1つです。

デジタル機器から離れる時間をとる

デジタル機器から離れる時間を意識的に作ることは、脳の疲労軽減につながります。

スマートフォンやパソコンを長時間使い続けると、多くの情報が次々と入ってくるため、脳が十分に休まらなくなることがあります。

休憩中は画面を見るのをやめて、深呼吸や軽いストレッチを取り入れてみましょう。短時間でもデジタル機器から距離を置くことで、脳をリフレッシュさせ、集中力の低下を防ぐ効果が期待できるでしょう。

良質な睡眠を意識する

良質な睡眠を確保することは、心の安定につながります。

更年期は、不眠症や閉塞性睡眠時無呼吸症候群などのリスクが高まるといわれています。また、ホットフラッシュなどの症状によって夜中に目が覚めやすくなり、睡眠が浅くなることもあります。9)

睡眠の質を高めるためには、就寝前のスマートフォンやパソコンの使用を控え、寝室をできるだけ暗くすることが大切です。朝はカーテンを開けて自然光を取り入れ、規則正しい生活リズムを意識しましょう。

更年期に人に会いたくないときは、自分のペースを最優先に過ごそう

更年期に人と会いたくないと感じるのは、ホルモンバランスの変化によって心や体に負担がかかっているサインの1つです。

気分の落ち込みや意欲の低下は珍しいことではありませんが、その状態が長く続いたり、日常生活に支障が出たりしている場合は、医療機関への相談も検討しましょう。

無理に人付き合いを増やそうとせず、自分のペースを大切にしながら過ごすことが大切です。睡眠や食事、運動などの生活習慣を整え、心地よいと感じるセルフケアを取り入れながら、心と体をいたわって過ごしましょう。

参照元

1)公益社団法人日本産科婦人科学会|更年期障害

https://www.jsog.or.jp/citizen/5717

2)一般社団法人日本女性心身医学会|女性の病気について

https://www.jspog.com/general/details_76.html

3)一般社団法人日本女性医学学会|抑うつ気分 意欲の低下

https://www.jmwh.jp/n-yokuaru10-yoku.html

4)日本内分泌学会|男性更年期障害(加齢性腺機能低下症、LOH症候群)

https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=71

5)厚生労働省|セロトニン

https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/heart/yk-074

6)厚生労働省|うつ病

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/know/know_01.html

7)厚生労働省|快眠と生活習慣

https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-01-004

8)食品安全委員会|大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A 問19

https://www.fsc.go.jp/sonota/daizu_isoflavone.html#19

9)厚生労働省|健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 P7,P38

https://www.mhlw.go.jp/content/001194020.pdf

誰にも会いたくない…これって更年期のせい?

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

「TRULY」LINE公式アカウント

医師・専門家による更年期のお役立ち情報&

LINE限定クーポン・イベント情報を定期的に発信中!

この記事を書いた人

髙橋マキのアバター 髙橋マキ 【看護師】

・認定フェムテックシニアエキスパート(日本フェムテック協会認定資格1級)
・化粧品検定2級

看護師歴28年
都内の総合病院を中心に、循環器内科・ICU・CCUなどで勤務。切迫流産のため120日間の入院生活を経験。
育児・引越しを機に、キャリアチェンジを行う。ライフステージの変化に伴い、女性には多くの健康課題があることを痛感。
多くの女性の課題解決につながるよう、情報発信を行なっている。

このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法や専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません。

<専門家の皆様へ>
病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください。

目次