男性更年期でめまいは起こる?原因と受診目安を紹介

40代・50代になって、めまいやふらつき、疲れやすさ、動悸など、体の不調が気になりはじめた方もいるのではないでしょうか。
「男性更年期なのかもしれない」「別の病気だろうか」「何科に相談すればよいのかわからない」と、不安を感じている方もいるでしょう。
男性更年期障害(LOH症候群)では、めまいや吐き気を含む体の症状がみられることがあります。ただし、めまいは耳や脳、循環器の病気、血圧の変動、ストレスなど、さまざまな原因で起こるため、めまいだけで男性更年期と判断することはできません。
この記事では、男性更年期とめまいの関係、ほかに考えられる原因、受診の目安と相談先について紹介します。
男性更年期でみられるめまい
男性更年期障害は、男性ホルモン(テストステロン)の低下が関係して起こる不調です。医学的には、LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症候群)と呼ばれることもあります。
女性の更年期障害と異なり、閉経のような明確な節目がなく、テストステロンの減少は40代以降、緩やかに進みます。減少の速さや程度には個人差が大きく、症状が出る時期や重さもさまざまです。1)2)
男性ホルモンの減少により、体・精神・性機能に関するさまざまな症状がみられます。
代表的な症状は、疲れやすさ、不眠、ほてり、発汗、気分の落ち込み、意欲の低下、性機能の変化などです。1)
また、LOH症候群の症状を評価する質問紙の身体的な項目に「めまい、吐き気がある」という設問が含まれています。2)
そのため、めまいは男性更年期障害・LOH症候群でみられることもあります。ただし、ほかの原因でも起こるため、症状や検査結果もあわせて医師が総合的に判断します。
男性更年期が気になる場合も、めまい以外にどのような不調があるか、体調の変化をあわせて見ていくことが大切です。

男性更年期以外で考えられるめまいの原因

めまいは、男性更年期以外にもさまざまな原因で起こります。
ここでは、男性更年期以外で考えられる主な原因を紹介します。
ストレス・生活習慣の乱れ
過労や睡眠不足、ストレスもめまいの一因です。3)
ストレスが強い状態が続くと、自律神経に影響し、ふらつきや立ちくらみのような不調につながる場合があります。また、飲酒量の増加や脱水、生活リズムの乱れなども、めまいなどを引き起こす要因です。
一方で、めまいの背景には、別の原因が隠れていることもあります。
めまいが出るタイミングと、睡眠不足や疲労、飲酒量、ストレスの強い時期が重なっていないか、振り返ってみましょう。
薬剤の影響
めまいやふらつきの背景には、普段飲んでいる薬の影響も考えられます。
たとえば、降圧剤を服用している方では、血圧が下がりすぎて立ちくらみやふらつきを感じることがあります。3)
糖尿病治療薬の場合は、低血糖によるめまい・ふらつきに注意が必要です。
思い当たる薬がある場合でも、自己判断で中止・変更することは避け、処方医や薬剤師に相談してください。
耳の病気
耳の奥にある内耳は、体のバランスを保つ働きに関わります。そのため、内耳など耳の平衡感覚に関係する部位の異常は、めまいの原因になります。
代表的な病気は、頭の位置を変えたときに回転するようなめまいが起こる「良性発作性頭位めまい症」、難聴・耳鳴り・耳がつまった感じをともなう「メニエール病」、難聴とともにめまいが起こる「突発性難聴」などです。
回転するようなめまいや耳鳴り、聞こえづらさなどをともなう場合は、耳の病気が関係する可能性も考慮する必要があります。3)
このような症状がみられる場合は、受診時にあわせて伝えてください。
脳や循環器の病気
脳や循環器の病気も、めまいの原因のひとつです。
脳の病気が関係する場合、めまい以外にも、ろれつが回らない、手足に力が入らない、しびれがある、物が二重に見える、強い頭痛があるなどの症状をともなうことがあります。3)
また、動悸や息切れ、血圧の変動、失神などをともなう場合は、循環器の病気が関係している可能性も否定できません。
脳卒中(脳梗塞・脳出血など)は、高血圧や糖尿病、不整脈(心房細動)などと関係が深い病気です。4)
めまいがある男性の受診目安と相談先

めまいがあるときは、強さだけでなく、ほかに不調がないか確認しましょう。
軽いふらつきだと思っていても、脳や循環器の病気が隠れているケースもあります。とくに、突然あらわれためまいや、しびれなどの神経症状をともなう場合は注意が必要です。
すぐに受診したい症状
めまいに加えて「顔」「腕」「言葉」に以下のような症状がある場合は、脳や循環器の病気が関係している可能性があります。
| 顔 | 顔の片側が動きにくい、ゆがむ |
| 腕 | 片方の手足が動かしにくい、しびれる |
| 言葉 | ろれつが回らない、言葉が出にくい |
これらの症状は、脳卒中のサインとしてすぐに救急車を呼ぶ必要があります。4)
また、突然の強い頭痛、意識がぼんやりする、胸の痛み、息苦しさ、失神をともなう場合は、速やかに受診してください。
なお、めまいが軽くても、繰り返す、長く続く、日常生活に支障がある場合は、早めに相談しましょう。
症状に応じた相談先
緊急性の高い症状がみられない場合でも、めまいが続くときは症状に応じて相談先を選びましょう。
| めまいとあわせて出ている症状 | 相談先の例 |
| 耳鳴り、聞こえづらさ、耳がつまった感じ | 耳鼻咽喉科 |
| 頭痛、しびれ、ろれつが回らない、手足に力が入らない | 脳神経内科・脳神経外科、救急相談 |
| 動悸、息切れ、血圧の変動、立ちくらみ | 内科・循環器内科 |
| 疲れやすさ、不眠、ほてり、発汗、気分の落ち込み、意欲低下、性機能の変化 | 泌尿器科・男性更年期外来 |
どこに相談すればよいか迷う場合は、かかりつけの医療機関を通じて適切な診療科を紹介してもらうのも一案です。
男性更年期が疑われる場合の治療方法とセルフケア
めまいに加えて疲れやすさ、不眠、ほてり、気分の落ち込み、性機能の変化などがある場合は、男性更年期障害・LOH症候群が疑われることがあります。
その場合、医療機関での治療と日常生活でのセルフケアを組み合わせて対応するのが基本です。
医療機関で行われる主な治療
男性更年期障害・LOH症候群が疑われる場合、問診や血液検査でテストステロン値を確認したうえで、医師が状態を判断します。
主な治療は、テストステロン補充療法(TRT)です。不足したテストステロンを補うことを目的に、筋肉注射などで行われます。
ただし、テストステロン補充療法はすべての人に行われるわけではありません。状態によっては、漢方薬などほかの治療が検討されることもあります。2)
症状や検査結果をもとに医師と相談することが大切です。
日常生活でできるセルフケア
LOH症候群では、睡眠・運動・食事などの生活習慣を整えることが大切です。食生活を見直す、飲酒を控えめにする、ストレスをため込まないようにすることを心がけましょう。
また、ウォーキングなど、無理なく続けられる運動を取り入れることは、体調管理につながります。2)
ただし、セルフケアは症状を根本的に解消するものではありません。体調管理の一環として、無理のない範囲で取り入れることが大切です。
めまいがあるときは無理に動かず、転倒に注意して安静にしてください。立ち上がる際はゆっくりと動作し、急な体勢の変化を避けましょう。


男性更年期のめまいが続くときは放置せず相談しましょう

男性更年期障害・LOH症候群では、めまいや吐き気がみられることがあります。一方で、めまいは耳や脳、循環器の病気、薬剤、ストレスなど、男性更年期以外の原因でも起こります。
めまいだけで男性更年期と決めつけず、ほかの不調や危険なサインがないかを確認することが大切です。
めまいが続く場合や、しびれ、ろれつが回らない、強い頭痛、胸痛、失神などをともなう場合は、自己判断で放置せず、症状に応じた相談先を検討しましょう。

出典
1. 一般社団法人日本内分泌学会|男性更年期障害(加齢性腺機能低下症、LOH症候群)






