更年期に口が渇くのはなぜ?ドライシンドロームの原因と今日からできる対策

「最近、口の中がネバネバする」
「パサパサしたものが飲み込みにくくなった」
日々の生活の中で、そんなふうに感じることはありませんか?水分をとってもすぐに渇いてしまうと、おしゃべりや食事も心から楽しめなくて、本当につらいですよね。
もしかするとその口の渇きは、更年期特有のゆらぎが関係しているかもしれません。更年期には、全身の潤いが不足する「ドライシンドローム」が起こりやすくなり、口の渇き(ドライマウス)として症状があらわれる方が多くいらっしゃいます。
今回は、更年期と口の渇きの関係、そして今日から無理なく始められる対策についてご紹介します。
更年期に口が渇く【3つの原因】

更年期に口が渇きやすくなるのには、主に3つの理由が関係しています。
女性ホルモンの減少
一つ目は、女性ホルモン(エストロゲン)の減少による影響です。
更年期を迎えると、エストロゲンの分泌量が急激に減少します。エストロゲンには、皮膚や粘膜の潤いを保つ働きがあります。
そのため、エストロゲンが減ると全身の水分量が低下し、目(ドライアイ)や肌、膣など、あちこちの粘膜が乾燥しやすくなります。
これを「ドライシンドローム」と呼びます。お口の中も粘膜で覆われているため、唾液の分泌量が減り、カラカラに乾いてしまうのです。
自律神経の乱れ
二つ目は、自律神経の乱れです。
唾液は、リラックスしている時はサラサラとたくさん出るのですが、緊張したりストレスを感じたりすると、ネバネバして少なくなってしまう傾向があります。
更年期はホルモンバランスの変化によって、どうしても自律神経がゆらぎやすい時期。体が無意識のうちに緊張状態になりやすく、結果として唾液が減ってしまうケースも少なくないようです。
加齢による口周りの筋力低下
三つ目は、年齢に伴うお口周りの筋力の低下です。
年齢を重ねると、噛むための筋肉(そしゃく筋)が衰えやすくなります。食事の際に噛む回数が減ったり、柔らかいものばかり食べていたりすると、唾液腺(唾液を作る器官)が十分に刺激されず、唾液の分泌量が低下してしまいます。
もしかしてドライマウス?簡単セルフチェック
口の渇きは、自分ではなかなか気づきにくいこともあります。次の項目に当てはまるものがないか、チェックしてみましょう。

もし複数当てはまるようなら、口の乾燥が進んでいるサインかもしれません。
口の渇きが引き起こすトラブル
「ただ渇くだけだから…」とそのままにしてしまうのは、できれば避けたいところです。というのも、唾液には口の中の汚れを洗い流したり、細菌が増えるのを抑えたりする、とても大切な役割があるからです。
唾液が減ってしまうと、虫歯や歯周病のリスクが上がりやすくなると言われています。また、口臭の原因になったり、舌が傷ついて味覚が変わってしまうことも。口の健康は全身の健康にもつながるため、早めのケアが大切です。

更年期の口の渇き対策
口の渇きを和らげるために、日常生活で意識したいポイントをご紹介します。「これならできそう」と思えるものから試してみてくださいね。
こまめな「水分補給」と「うがい」
喉が渇いたな、と感じる前に、こまめにお水を飲む習慣をつけましょう。冷たい飲み物よりも、常温のお水や白湯が胃腸にも優しくておすすめです。口の中がネバつく時は、水を含んで軽くブクブクうがいをするだけでもスッキリし、一時的に潤いを保つことができます。
意識して「よく噛む」
毎食一口30回…となると大変かもしれませんが、意識して噛む回数を増やすだけでも、あごの筋肉が動いて唾液が出やすくなります。レモンや梅干しなど、酸味のあるものを少しメニューに取り入れるのも、唾液を促す良いアイデアです。
唾液腺マッサージを取り入れる
スキマ時間に、唾液の分泌を促すマッサージを行うのもおすすめです。全体で1〜2分程度でできるので、お食事の前に行うと食べ物が飲み込みやすくなりますよ。 リラックスした状態で、それぞれ5〜10回程度、優しく行ってみてください。

- 耳下腺(じかせん)マッサージ: 耳の少し前、上の奥歯のあたりに指を当て、円を描くように優しくマッサージします。
- 顎下腺(がっかせん)マッサージ: あごの骨の内側の柔らかい部分を、耳の下からあごの先に向かって指で優しく押し上げます。
- 舌下腺(ぜっかせん)マッサージ:あごの先のとがった部分の内側、舌の付け根あたりの柔らかい部分を、両手の親指でゆっくりと押し上げます。
保湿グッズを活用する
外出先や就寝時など、すぐに水分がとれない時には、市販の口腔保湿グッズ(スプレー、ジェルなど)を活用するのもひとつの方法です。ドラッグストア等でも手に入るので、ご自身に合うものを探してみるのも良いかもしれません。
【口の渇き】症状がつらい時は何科を受診する?

セルフケアを試してみても症状が改善しない場合や、「毎日の生活がつらいな」と感じる時は、我慢せずに医療機関を受診しましょう。
まずは、かかりつけの歯医者さん(歯科・口腔外科)に相談してみるのが安心かと思います。虫歯や歯周病のチェックを含め、ドライマウスの専門的な治療や指導を受けることができます。
また、口の渇きだけでなく、ほてりや気分の落ち込みなど、他の更年期症状も気になっている場合は、婦人科を受診するのも一つの選択肢です。漢方薬やホルモン補充療法(HRT)によって、女性ホルモンバランスのゆらぎを整え、症状が和らぐことがあります。
もし、口や目の乾燥が3か月以上続くようなら、 シェーグレン症候群など、別の病気が隠れている可能性もあります。自己判断せず、医師に診てもらうことが大切です。
※シェーグレン症候群:免疫が自分で自分を攻撃してしまう自己免疫疾患の1つで、主に目や口の乾燥が特徴の病気。40〜60歳の女性に多い。
【更年期の口の渇き】毎日の工夫でケアできる
更年期の口の渇きは、女性ホルモンの減少による自然な変化です。水分補給やよく噛むことなど、日々のちょっとした工夫で症状を和らげることができます。
症状がつらい時は一人で抱え込まず、歯科や婦人科のサポートも上手に頼りながら、ゆらぎの時期を健やかに乗り切っていきましょう。

参考






