「背中の痛み」は更年期のせい?原因と対処法を解説

背中が痛いのは、年齢のせい?更年期?
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「肩甲骨まわりが重だるい」

「背中の筋肉が張って痛い」

肩こりや腰痛と並び、更年期女性の悩みの一つである背中の痛み。「年齢のせいだから仕方ない」と我慢しがちですが、更年期に多くみられる背中の痛みは、女性ホルモンの変動が関わっています。背中の痛みが慢性化して、日常生活に支障が出てしまわないように早めのケアが大切です。

今回は、更年期に背中が痛む原因や、つらい症状をやわらげる対処法についてご紹介します。

目次

更年期に「背中の痛み」が起こるのはなぜ?

更年期に起こる背中の痛みは、筋肉痛や疲れなどによる影響とは限りません。体が大きく変わっていく更年期は、次のような要因によって背中の痛みが起こりやすくなります。

女性ホルモンの変化と血行不良

更年期は、卵巣の機能が低下して、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減ります。エストロゲンの働きの一つは、筋肉の過度な緊張をやわらげること。そのため、エストロゲンの分泌が少なくなると、筋肉が硬くなり、凝りが起こりやすくなります

また、エストロゲンが減少するのと同時に、自律神経のバランスも乱れやすくなります。自律神経には、血流を調整する働きがあるため、バランスが乱れると血流が悪くなりがちに。すると、老廃物の排出がうまくできず、肩甲骨や背骨周りに凝りや痛みが起こりやすくなります。背中のつらさがなかなか取れないという人も少なくありません。

年齢による筋力の低下と姿勢のくずれ

更年期は加齢に加えて、エストロゲンの減少により、ダメージを受けた筋肉の再生が鈍くなると言われています1。すると、筋繊維が細くなり、筋肉量や筋力が低下しやすくなってしまうのです。

体を支える筋力が低下すると、姿勢がくずれやすくなります。筋肉や骨格のバランスが正しく取れていないと、体の一部分に負担がかかり、背中の痛みや腰痛などの原因につながります。

更年期の背中の痛みを楽にする5つの対処法

更年期はホルモンバランスの影響が重なり、筋肉のこわばりや痛みが起こりやすい時期。背中のつらさをやわらげるためには、日々のセルフケアを積み重ねることが大切です。

ストレッチ

まずは、背中や肩甲骨まわりをストレッチしてみましょう。両手を上げて背筋を伸ばしたり、肩をグルグルと回したりするストレッチは、すぐに取り入れやすい動きです。

背中を心地よく伸ばすことで、血行がよくなり、筋肉の緊張がほぐれます。仕事や家事の合間、入浴中、寝る前などに取り入れてみましょう。

体を温める

冷えは筋肉の凝りや痛みを強めてしまうため、できるだけ体を温めることが大切です。入浴はシャワーで済まさずに、毎日ゆっくりと湯船に浸かるようにしましょう。

カイロや蒸しタオルなどで背中をじんわり温めることも、痛みを緩和するのに役立ちます。

同じ姿勢をとらず適度に運動

長時間、同じ姿勢をとっていると、筋肉が緊張し、背中の凝りや痛みの原因になります。デスクワークなどで座っていることが多い人は、定期的に休憩をとり、ストレッチなどで体を動かしましょう

普段からウォーキングやヨガなどの運動を取り入れると、筋力の強化につながります。

背中の痛みをやわらげるツボ押し

背中の痛みをできるだけ軽減したい時は、痛みをやわらげてくれるツボを押すのも一つの方法です。

たとえば、「天宗(てんそう)」というツボは、背中の緊張をやわらげてくれます。肩甲骨の中央にあるくぼみを心地よい強さで、数秒かけてやさしく押してみましょう。

漢方薬

背中の痛みのほか、更年期症状による不調がある場合、漢方薬は体の調子を整えるのに役立ちます。

更年期の背中の痛みに用いられる代表的な漢方薬は以下の通りです。

  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):血行をよくして、肩こりや背中の痛みを緩和してくれます。また、月経不順や月経痛、冷えのぼせなどの更年期症状にも用いられます。
  • 五積散(ごしゃくさん):冷えのある方に適している漢方薬です。腰痛や背中の痛みのほか、関節痛、頭痛、月経痛などを緩和してくれます。

ただし、漢方薬は体質に合わないと効果を十分に感じられないこともあります。服用し始める前に、医師や薬剤師に相談しましょう。

背中の痛みは病気のサイン!?こんな痛みは医療機関で相談を

背中の痛みは、ホルモンバランスによるものとは限りません。背中が痛む部分によって、次のような内臓疾患が関わっている可能性があるため注意が必要です。

  • 背中の左側の痛み:狭心症や心筋梗塞といった心臓疾患、胃炎や胃潰瘍、膵炎
  • 背中の右側の痛み:胆石症や胆のう炎、肝炎
  • 背中の中央の痛み:腎盂腎炎、腎結石、帯状疱疹

背中の痛みには個人差があるため、何らかの病気が隠れているのか自身で判断しづらいものです。次のような背中の痛みがある場合は、速やかに内科で相談しましょう。

  • 体を動かしても痛みが変わらない、あるいはじっとしていても痛みが続く
  • 「なんとなくこのあたりが痛い」という漠然とした痛み
  • 発熱、吐き気、息苦しさなどの症状をともなう
  • 背中の痛みが日を増すごとに強くなる

また、背中の痛みとともに足のしびれをともなう場合は「胸椎椎間板ヘルニア2」などの可能性もあるため、なるべく早めに整形外科を受診しましょう。

体験談「年齢のせいだと思っていた背中の痛み」

45歳・会社員の祥子さん(仮名)は、数週間前より背中の重だるさを感じていました。家事と仕事の両立で毎日バタバタと過ごしており、「背中がだるいのは、歳のせいかな?運動不足だし仕方ない」と我慢していたそうです。

ある朝、背中がズキッと痛み、深呼吸がしづらくなったので、病院を受診。検査の結果、内臓などに異常はなく、医師から「背中の痛みは、更年期による自律神経の乱れ」「頑張りすぎなくていい」と言われ、ホッとして涙がこぼれたそうです。

ストレッチや温活を始め、少しずつ痛みが軽減。「体の変化だと受け止められて、自分を大切にできるようになりました」と話しています。

更年期の背中の痛みは「我慢し続けなくていい」

更年期の背中の痛みは、エストロゲンの減少によって、血行不良や筋力の低下が起こることが主な要因であり、凝りや痛みが起こりやすくなります。

背中の筋肉は、体を支えるのに欠かせないことから、日常的に負担がかかりやすい部分です。「年齢のせいだから仕方ない」とつらさを我慢していると、日常生活に支障が出てしまうかもしれません。

更年期の体の変化を正しく受け止めることが、背中の痛みをやわらげる第一歩。セルフケアを毎日少しずつ取り入れて、更年期を軽やかに過ごしましょう。

参考

  1. Yuriko Kitajima, Yusuke Ono(2016). Estrogens maintain skeletal muscle and satellite cell functions. Journal of Endocrinology: 229(3), 267-275. ↩︎
  2. 日本整形外科学会. 胸椎椎間板ヘルニア.  ↩︎
背中が痛いのは、年齢のせい?更年期?

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この記事を書いた人

榎本真美子のアバター 榎本真美子 【看護師・保健師】

看護師・保健師
女性の健康総合アドバイザー
薬膳コーディネーター

都内総合病院の婦人科・乳腺科などに勤務後、女性総合診療のクリニックに従事。女性ホルモンと体・心のつながりについて理解を深め、さまざまな患者さんをサポートする。
その後、家族の転勤に伴い海外生活を経験。
健康管理やセルフケアの大切さを実感し、看護師ライターとして健康に役立つ情報発信に努めている。

このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法や専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません。

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