理系美容家かおりさんが教える「おうちで簡単にできる自律神経の整え方」

記事更新日: 2020/07/19 TRULY編集部

TRULY編集部

  • スキンケアや食事、運動など美容まわりについて正しい知識をわかりやすく教えてくれる理系美容家かおりさん。TRULYではそんなかおりさんに、更年期になると乱れがちになる自律神経を少しでも整えるにはどうしたらいいか、直撃取材してきました。(以下敬称略)


  • 自律神経とは


  • まず初心にかえって、「自律神経とは何か」というところから教えていただきました。


  • かおり:自律神経とは、1日の生活のメリハリをつける神経です。更年期に関する学会でも研究されていますが、毎日同じ時間に寝て起きるなど、より規則正しい生活だと自律神経が整い、それに伴うトラブルが減ってきます。自分の意思で動かせる「運動神経」に対して自分で律することができないのが「自律神経」ですが、その中で「入浴」は自律神経をコントロールできる数少ない方法の一つと言われています。


  • 自律神経を整えるための入浴法


  • お風呂の温度は42度以上とそれ以下で、交感神経優位になるか、副交感神経優位になるかが分かれるそうです。「40度くらいのぬるま湯に浸かるとリラックスできる(=副交感神経が優位になる)と日本入浴協会も推奨しています」とかおりさん。


  • 自律神経を整えるための入浴法


  • ・40度のお湯をはり、10分から15分程度、肩までしっかり入る。

  • ・それ以上入ると汗をかくばかりなので、リラックスという目的のためにはあまり意味はない。(なぜなら汗をかくのは交感神経優位の仕事だから!)


  • ちなみに時間がない時は足湯や手だけお湯につけるのも良いそうですが、湯船につかり体を温める作用には、半身浴より断然全身浴に軍配が上がるとのことでした。


  • かおり:朝は活発に、夜はリラックス、その手助けをしてくれるのがお風呂です。自律神経が乱れがちと言われる更年期世代は特に、朝同じ時間に起きて、夜も同じ時間に寝るメリハリのある生活をベースにしつつ、その上で毎晩寝る前にお風呂に入ることをおすすめします。

  • 入浴以外で自律神経を整える方法は?


  • 入浴以外で自律神経に効果的なことも聞いてみました。


  • ①睡眠


  • かおり:睡眠も自律神経を整えるのにいいです。良い入眠の仕方は、お風呂の1時間から1.5時間後くらいに布団に入ること。理由は、入浴で上げられた体温は急激に放熱されていきますが、深部体温が下がると人は眠くなり、そのタイミングが1時間から1.5時間後くらいと言われているからです。なのでそのタイミングで寝ると入眠がよく、寝覚めもいいと言われています。さらに理想的なのはお風呂の後はデジタルオフにして、照明も暗めにすること。寝る前にデジタルオフしてゆったりすると、眠気を誘うホルモン「メラトニン」もしっかり出ますよ。


  • かおりさん自身も毎晩21:30にアラームを鳴らして、それ以降はデジタルオフを心掛けているそうです。お風呂に入り、そのあとはPCでの仕事も極力やらず、読書や夜ヨガを行って眠るとのことでした。


  • ②呼吸法


  • 呼吸法は自律神経を整える方法の一つ、とかおりさん。自律神経は筋肉を緊張させたり(交感神経)、弛緩させたり(副交感神経)する役割も果たしていますが、ヨガは“(息を)吐く”ことを重要視していて、これは副交感神経優位の状態へ導く働きだそう。「呼吸」という括りでいうと、ヨガだけでなく瞑想や腹式呼吸も同じ役割を果たしてくれるそうです。


  • かおり:ヨガはできたら20分くらい、時間がない時は5分でも。寝る前にヨガをするとスッと寝られますよ。


  • ③ストレッチ


  • リラックスのためのストレッチなので、きつい動きをする必要はないそう。


  • かおり:自分が気持ちいいなと感じる程度のストレッチを寝る前にやってみてください。


  • ④香り


  • 五感の中で、嗅覚だけは脳の感情や記憶に関する部位(扁桃体・海馬)に直接つながっているため、香りを嗅ぐだけで先入観なくリラックスしたり、興奮したりできるそうです。ただし「この精油はリラックスする役割」など各香りで個別にきちんと分類はされていません。


  • かおり:グレープフルーツの香りは交感神経優位とか、ラベンダーは副交感神経優位というのは研究でよく言われていますが、全部の香りが「この香りはこれに効く」とは一概に言えないです。人によって好みも分かれるので、自分がリラックスできる香りを探すのが一番良いかもしれないですね。


  • ちなみにかおりさんがリラックスする時に使うのはヒノキの香り。幹と、枝と、葉っぱのエセンシャルオイルを常備していると言っていました。


  • ⑤笑顔


  • かおり:ほとんどの感情は中枢神経から表情筋に影響しますが、笑顔だけは表情筋から中枢神経に逆方向に影響することが報告されています。なので笑顔になると副交感神経を優位にします。また何より、笑顔を日常的に作っていると表情が穏やかになるので快感情を起こしやすいです。快感情は副交感神経に影響するので良い作用が得られると思います。


  • 最後にかおりさんは、「説明した全てを取り入れなくても大丈夫。できるところからトライしてみてください」とアドバイス。ただし入浴はできたら絶対にやってみて欲しいとのことでした。更年期や女性ホルモンのケアにも自律神経を整える入浴法が効果的です。ぜひ参考にしてみてください。


  • プロフィール

  • ■理系美容家 かおり

  • 一般社団法人美容科学ラボ代表理事。化学専攻のリケジョという背景から、「科学的根拠のある正しい美容知識」の普及活動に従事。研究会や学会などで取得した知見を美容業従事者、消費者へわかりやすく情報公開し、美容の情報リテラシー向上に努める。美容セミナー講師や記事監修、企業サポートを行う。科学的観点から消費者に心理的・時間的負担を軽減した「お金と時間をかけない美容法」を提案。 


  • 公式サイト「美容科学ラボ」

  • https://rikei-biyouka.com/

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