更年期が原因?引き金?40代・50代の離婚体験談

引き金は更年期…でも本当の理由は 「更年期離婚」のリアル
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心も体も揺れる更年期。このタイミングで離婚を選んだ女性たちがいます。

彼女たちの声から見えてきたのは、更年期が、離婚の「原因」ではなく、長年の関係に終止符を打つ「きっかけ」だったというリアル。彼女たちの本音と選択の背景を探ります。

目次

長年の我慢の積み重ね&更年期のイライラで限界に

一昨年、47歳のときに離婚。現在は娘さんと二人暮らしをしている49歳の早紀さん(仮名)。

早紀さん

原因は、性格の不一致でした。長年我慢を続けてきたことの積み重ねだったと思います

更年期の症状は46歳ごろから本格化。

早紀さん

疲れやすい、筋力の低下、膝の痛みで立ち上がるのもつらくなる日がありました
仕事も休みがちになりました

夫にもイライラなどの兆候があったといいます。

早紀さん

もしかしたら、男性更年期だったのかもしれません
でも、その頃の私はもう、相手の変化に付き合える余裕がありませんでした

離婚に更年期が影響したと思うかと尋ねると、少し考えたあとでこう答えてくれました。

早紀さん

そうですね……私自身もイライラがコントロールできなくなっていたのは確かです

今、離婚してどう思うかと聞くと、はっきりとした答えが返ってきました。

早紀さん

スッキリしています!
我慢は体にも心にもよくない
離婚して正解だったと思っています

更年期を越えていたら、違う選択をしていたかもしれない

つい最近、52歳で離婚を経験した綾子さん(仮名)。相手はギャンブル依存だったといいます。

綾子さん

ずっと悩み続けて、ついに限界が来たって感じでした
けれど、今振り返ると、更年期の影響もあったのかも

40代後半からホットフラッシュや関節の痛み、落ち込みが続いた彼女。

綾子さん

イライラを抑えられず、状況を変えたくて焦っていたと思います

2つ年上の夫にも明け方に眠れない様子や、無気力な言動が目立っていたと語ります。

綾子さん

向こうも男性更年期だったのかもしれません
でも、当時はそんな知識もなくて
ただ、“もう限界だ”としか思えなかった

自分自身についてはこのように振り返っています。

綾子さん

もっと時間をかけて考えてもよかったかな
病院に行ってまず自分の体調を整えてみるという選択肢もあったのに

綾子さん

それでも、離婚という決断自体は間違いではなかった
ただ、タイミングは考えるべきだったかもしれません

更年期は離婚に影響するけど原因ではない?

40〜50代の女性を対象にしたアンケート結果から見えてきたのは、更年期と離婚の複雑な関係でした。

更年期が離婚に影響したと思いますか?という問いに対し、7割以上の女性がはいと回答しました。

この数字からは、多くの女性が、更年期が離婚に何らかの影響を与えたと感じていることがわかります。

具体的な影響としては、以下のような症状が挙げられました

  • 体調の不調(ホットフラッシュや体のだるさ)
  • 感情の乱れ(イライラや落ち込み)
  • 仕事と家事の負担によるストレス

更年期がもたらす体や心の不調が、夫婦間でのコミュニケーション不足やストレスの積み重ねと結びついて、離婚の決断を後押ししたケースが見受けられます。

一方で、更年期の悩みがなかったら離婚しなかったと思いますか?という問いには、ほとんどの女性がいいえと答えています。

つまり、多くの女性は「更年期の悩みがなくてもいずれ離婚していた」と考えているということかもしれません。

男性更年期と女性更年期が引き起こす「相互の不理解」

また、男性にも心身の不調があったと振り返る人も少なくありませんでした。

しかし女性ほどまだ広く知られていない「男性更年期障害」の可能性について、お互いに思い至らず、改善に向けた行動は取られていなかったようです。

そして、夫が女性の更年期の悩みを理解し、寄りそってくれたという経験談もありませんでした。反対に、さぼっているように思われていたとの回答も。

更年期世代の離婚問題を解決したい場合は、男女ともに更年期の悩みがあることを理解し合うことが必要なのかもしれません。

更年期は「引き金」であって、「原因」ではない

今回の矛盾しているように見えるアンケート結果から読み取れるのは、更年期は離婚の直接的な原因ではないが、もともと存在していた関係の不和や積み重ねられていたストレスを爆発させるきっかけ」になったという位置づけです。

最後に、アンケート回答者から更年期と離婚について、次のようなアドバイスをもらいました。

更年期の不調は早めに伝えておく

私の場合、自分の体調や気持ちの変化をまず自分でしっかり認識することが大事だと感じました。そのうえで、本格的に調子が悪くなる前にコミュニケーションを取っていくようにすればよかったなと。更年期の症状や心の変化は、相手にすぐに理解してもらえるとは限りませんが、早めに話し始めることで、少しずつ関係が改善されていくこともあると思います。

本当に自分がどうしたいのかを突き詰める

「このまま我慢し続けていいのか?」という問いを、自分に投げかける時間を持つことも大切だと思いました。長年の我慢が限界を迎えることもありますし、更年期の影響でその感情がより強く出てしまうこともあります。そんなときこそ、感情に流されずに、自分が本当にどうしたいのかをじっくり考えるようにしました。

離婚した後のことも冷静に考える

離婚など大きな決断をする前には、やはり生活やお金のこともきちんと考えるべきだと実感しています。更年期世代は、これからの人生がまだまだ長いですし、感情だけで動かず、現実的な面も見据えて判断することが大切だと思います。

更年期の離婚を前向きな決断にするために

更年期を迎える40~50代には、パートナーとのこれまでの関係を見つめ直すこと、そしてお互いの心身の変化について理解することが必要です。長年の積み重ねを冷静に振り返りながら、自分にとって本当に納得のいく選択をしていくことが、更年期世代の離婚をポジティブな選択にする鍵になるのではないでしょうか。

※本記事は実際の体験談をもとに構成・編集しております。

引き金は更年期…でも本当の理由は 「更年期離婚」のリアル

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この記事を書いた人

東衣里のアバター 東衣里 【助産師・看護師】

助産師として大学病院産科病棟・外来にて勤務。
その後、大手百貨店で妊娠・出産・育児を中心とした相談業務を担当。また、都内複数の区からの委託を受け、こんにちは赤ちゃん訪問(出産後の新生児訪問)にも従事。
現在はTRULYにて、チャット相談業務や記事執筆などを担当。
地方に移住して、リモートワークという形で仕事とプライベートの両立を実現。
自身も、働く女性・一児の母として、困っている女性の気持ちに寄り添った、実現可能なアドバイスを心がけている。

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