恥骨が痛いのは骨折?更年期との関係を解説
「恥骨に痛みがあるけど、更年期症状なのかな?」
「なにかの病気だったらどうしよう…」
と悩んでいませんか?実は更年期症状で恥骨の痛みを感じる人もいるのです。
この記事では更年期症状で恥骨の痛みが起こる理由、更年期症状以外で恥骨の痛みが起こる原因、痛みを和らげる5つの方法を紹介します。
恥骨の痛みの原因を知り、適切な対応ができることで、痛みが軽減して快適に生活ができるようになるでしょう。
恥骨の痛みは《更年期症状》の可能性あり
恥骨の痛みは更年期症状の可能性があります。
50歳頃から更年期に入る人が多く、エストロゲン(女性ホルモン)が徐々に低下していきます。1エストロゲンには、関節や周囲の筋肉の柔軟性を保つ働きがあります。そのためエストロゲンが低下することで、関節痛があらわれるのです。2
更年期症状で関節痛が生じやすい部位は以下のとおりです。
- 手腱
- 腰
- 膝
- 恥骨
- 骨盤
手や腰、膝の関節に痛みがでる人が多いですが、恥骨にも痛みがでる人も中にはいらっしゃいます。
恥骨とは骨盤の一部で、アンダーヘアの生え際の中央あたりに位置します。おへそからまっすぐ下に向かって手を移動させると、固く触れる部分です。子宮や腸などの内臓を守ったり、体を支えたりする役割があります。
更年期症状ではない恥骨の痛みの原因
更年期症状ではない恥骨の痛みの原因は大きく3つ。それぞれ解説します。
妊娠
妊娠するとホルモンの変化により、恥骨の痛みがでる人がいます。リラキシンというホルモンが分泌され始め、靭帯が緩むことで痛みがでるのです。3
妊娠初期から恥骨の痛みがでることがあるため、妊娠している可能性があって恥骨の痛みを感じている人は、産婦人科を受診しましょう。
恥骨骨折
恥骨の痛みが強い場合は、恥骨骨折をしている可能性があります。
恥骨骨折している場合は以下の症状がでることがあるため、チェックしてみてください。
- 歩くと痛みが強くなる
- 恥骨周辺に腫れや赤みがある
- 動いていなくても痛みがある
更年期になるとエストロゲンが低下し、骨密度が低くなります。骨粗しょう症になっていると、骨折をするリスクが高くなるのです。
恥骨骨折の症状に当てはまる項目がある場合は、整形外科を受診しましょう。
恥骨結合炎
恥骨結合炎になると恥骨に痛みがでます。恥骨結合炎は妊娠をしていたり、スポーツをしていたりするとなりやすいと言われています。
恥骨結合炎の症状は以下のとおりです。
- 発熱
- 下腹部の痛み
- 歩くときの痛み
- 恥骨や足の付け根(鼠径部)の痛み
恥骨の痛みだけではなく、発熱や足の付け根の痛みなどがある場合は恥骨結合炎の可能性があります。
恥骨が痛いときの対処法5選
恥骨が痛いときに、
適切な対処法を取ることで、恥骨の痛みを軽減できる可能性があります。
1.恥骨を冷やす
恥骨を冷やすと炎症を抑えられるため、痛みが軽減する可能性があります。
氷のうを恥骨にあててアイシングするとよいです。氷のうがない場合は、保冷材にタオルを巻いたり、袋に氷と水を入れたりして冷やしましょう。
長時間アイシングをすると、凍傷になるリスクがあります。短時間のアイシングを1日に数回繰り返すように心がけてください。
2.からだを休ませる
恥骨に痛みがあるときは、無理して動かずに、からだを休ませましょう。
とくに恥骨に負担がかかる以下のような行動は、控えるとよいです。
- 運動
- 長時間の歩行
- 階段の上り下り
家事や仕事などがあり、安静にすることは難しいかもしれません。しかし、恥骨に痛みがあるときに無理をすると、痛みが悪化してしまうことがあります。パートナーや周りの人に相談し、協力を得るようにしましょう。
3.血流を良くする
血流を良くすると痛みが和らぐことがあります。しかし血流を促進するための運動や入浴には、少し注意が必要です。
運動をする際は、恥骨の痛みがでていないときに、軽く体を動かす程度にしましょう。
恥骨が腫れていたり、熱をもっていたりするときは、温めると症状が悪化してしまう可能性があるため、長時間の入浴は控えましょう。
4.大豆イソフラボンを摂る
更年期症状はエストロゲン(女性ホルモン)が減少することで起きます。大豆イソフラボンを摂取すると、エストロゲンに似た働きをするため、更年期症状である恥骨の痛みに効果的なのです。4
大豆イソフラボンを多く含む食材は以下のとおりです。5
食品 | 含有量(100gあたり) |
大豆 | 88.3~207.7mg |
きな粉 | 211.1~321.4mg |
納豆 | 65.6~81.3mg |
油揚げ類 | 28.8~53/4mg |
5.体重コントロールをする
肥満が関節痛や恥骨痛の原因になることがあるので、適正体重をキープしましょう。
体重の指標となるBMIの基準は、年齢ごとに適正範囲が違うのです。以下の表を参考にしてください。6
年齢 | BMIの適性範囲 |
18~49歳 | 18.5~24.9 |
50~69歳 | 20.0~24.9 |
BMIの計算方法は、体重kg÷(身長m)²です。
BMIを計算し、適性より上回っていた場合は、体重をコントロールすることをおすすめします。
恥骨の痛みが治らないときは何科の病院?
恥骨の痛みがあるときは、まずは整形外科で相談しましょう。
もし整形外科で検査した結果、異常がないと診断された場合は、婦人科を受診するとよいです。
更年期症状で恥骨の痛みがでている場合は、ホルモン補充療法や漢方・薬の処方など、医師と相談しながら治療方針を決めていきます。
セルフケアをしても恥骨の痛みが治らないときは、病気が潜んでいる可能性があるため注意が必要です。痛みが続いている、強くなっている、日常生活に支障があるなどの場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
恥骨の痛みは更年期症状のひとつかも…我慢しないでケア・受診
50歳頃からエストロゲンが減少し、更年期症状として恥骨の痛みがでることがあります。
更年期症状として恥骨に痛みがでた場合は、アイシングや休息、血行促進などのセルフケアで改善できるかもしれません。
セルフケアをしても、恥骨の痛みが続いていたり強くなったりしている場合は、病気が原因の可能性もあるため、我慢せずに病院で相談してみましょう。
参考文献