更年期に「手足の冷え」で悩む女性必見!原因と対策を解説

更年期は冷えやすい?ガンコな冷えの改善策をお教えします!
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「手足が冷えて眠れない」

「日中も冷たくて困っている」

このように更年期に手足の冷えでお悩みの方は少なくありません。これは、更年期特有の体の変化が関係していることが考えられます。

この記事では、更年期に手足の冷えが起こる原因と、生活に取り入れやすい具体的な対策について詳しく解説します。冷えの悩みを改善し、快適な毎日を過ごすためにぜひお役立てください。

目次

更年期に手足の冷えが起こる原因は?

更年期に手足の冷えが起こるのは、主に3つの原因があります。ここでは、その原因について詳しく解説します。

ホルモンバランスの変化

更年期に手足の冷えが起こる主な原因の1つは、ホルモンバランスの変化です。1

更年期に入ると、女性ホルモンの1つであるエストロゲンの分泌が急激に減少します。エストロゲンには血管を拡張し、血流を促す働きがありますが、その分泌が低下すると血行不良が起こりやすくなります。

特に手足の末端部分は血流が滞りやすく、冷えを感じやすくなるのです。

筋肉量の低下

更年期に手足が冷える原因には、筋肉量の低下も関係しています。[1]2

筋肉は体内で熱を生み出す役割を持ち、血液を全身に循環させるポンプのような働きをしています。しかし、加齢とともに筋肉量が減少すると、体内で熱を生み出す力や血流が低下します。

その結果、特に筋肉量が少ない手足などの末端部分は、冷えを感じやすくなるのです。

自律神経の乱れ

自律神経の乱れも、手足の冷えを引き起こします。[1]

更年期には、ホルモンバランスの変化が自律神経に影響を与えやすくなります。自律神経のうち交感神経が過度に優位になると、手足などの抹消の血流が低下するため、冷えを感じやすくなります。

さらに、自律神経は体温調節の役割も担っているため、その働きが乱れることで冷えを感じやすくなるのです。

《睡眠・だるさ・しびれ》手足の冷えが引き起こす影響

手足が冷えた状態が続くと、日常生活や健康にさまざまな影響を及ぼす場合があります。

具体的には、睡眠の質が低下し、寝つきが悪くなったり夜中に目が覚めやすくなったりします。さらに、体全体の血流が滞ることで、肩こり腰痛しびれ頭痛便秘疲れやすさなどの体調不良を招く可能性もあるでしょう。

冷えは体全体の不調につながる可能性があるため、放置せず、対策をとることが大切です。

今日からできる【更年期の冷え対策】

更年期に手足の冷えを感じる場合、日々の生活に少し工夫を加えることで症状の改善が期待できます。食事や運動、衣類選びなど、毎日の習慣を見直し、冷えにくい体を目指していきましょう。

具体的な対策を紹介するので、できることから取り入れてみてください。

食事内容を見直す

食生活の見直しは、手足の冷えを和らげるために欠かせません。

不規則な食生活や偏食、過食は冷えにつながるという報告もあり、栄養バランスを意識することが重要です。[2]3

ショウガや根菜類、タンパク質を含む食材は、体を内側から温める働きがあるとされています。体を温める食品として、未精製の食材、冬が旬の食材、発酵食品なども意識的に摂取することが推奨されます。

逆に、夏が旬の生野菜や果物、精製された食品、冷たい飲み物など体を冷やす食品は、摂取を控えめにすることが望ましいでしょう。

運動で筋肉量のバランスを整える

運動は、筋肉量を維持し、血流を改善するために効果的です。

筋肉は、熱を作り出す役割を持つため、ウォーキングやヨガ、ストレッチなどの軽い運動を定期的に行うことで、血流を改善し、冷えの予防につながります。

日常に少しずつ運動を取り入れ、無理のない範囲で継続することがポイントです。

入浴で血行を促進する

​​入浴は、手足の冷えを和らげる手軽で効果的な方法の1つです。

38~40℃程度のぬるめのお湯に10~15分浸かることで全身の血行が良くなり、自律神経が整います。さらに、炭酸入浴剤やアロマオイルを活用すると、リラクゼーション効果も期待できます。

毎日の入浴を習慣にすることで、冷えにくい体づくりにつながるでしょう。

からだを冷やさない衣類を選ぶ

手足の冷え対策には、衣類選びも重要です。

保温性の高い素材のインナーや靴下を取り入れ、特に冷えを感じやすい足元を重点的に温めると良いでしょう。夏場でも冷房が効いている室内では、薄手のレッグウォーマーやショールを活用すると効果的です。

適切な衣類で、体を冷やさない工夫を行いましょう。

ストレスを溜め込まない

ストレスの軽減は、自律神経を整え、冷えを防ぐために欠かせません。ストレスが続くと交感神経が優位になり、血管が収縮して血流が低下して冷えにつながります。

適度に休息をとる、趣味の時間を持つなど、自分なりのストレス発散方法を見つけましょう。

心身のリフレッシュを意識することで、冷えの悪化を防ぐことにつながるでしょう。[2]

漢方やサプリを取り入れる

漢方薬サプリメントも、更年期の冷え対策として有効です。

たとえば、エクオールは大豆イソフラボンから体内で作られる成分で、女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きをするため、更年期症状の緩和に役立つといわれています。食事だけで十分に摂取できない場合、サプリメントで補うのも一つの方法です。

また、「当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)」や「桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)」といった漢方薬は、冷えの緩和に用いられることがあります。

漢方薬やサプリメントを取り入れる際は、専門家に相談しながら自分の体質に合ったものを選ぶことが大切です。

病気が隠れているかも?注意が必要な手足の冷え

手足の冷えは更年期に多く見られる症状ですが、場合によっては病気が隠れていることもあります。特に冷えが強く続いたり、痛みやしびれを伴う場合には、末梢の血流障害によるものがあるため注意が必要です。

手足の冷えに関連する代表的な病気には、以下のようなものがあります。[1]

閉塞性動脈硬化症動脈が硬くなり血流が悪化することで、手足の冷えやしびれが起こる
閉塞性動脈炎(バージャー病)主に喫煙が原因で、血管の炎症や詰まりによる手足の冷えや痛みを引き起こす
レイノー症候群血管が過度に収縮し、冷えや指先の色の変化が起こる
膠原病免疫の異常によって血管が炎症を起こし、血流が低下して冷えを引き起こす
甲状腺機能低下症代謝が低下し、体温が下がることで手足の冷えが続く

こうした症状が見られる場合や冷えが悪化する場合は、更年期によるものと自己判断せず、早めに医療機関を受診しましょう。

更年期の手足の冷え対策を習慣化して快適な日々を

更年期における手足の冷えは、ホルモンバランスの変化生活習慣が深く関係しています。冷えを和らげるためには、日々の生活に適切な対策を取り入れることが不可欠です。

この記事で紹介した食事の工夫や運動、ストレス管理などを少しずつ習慣化することで、冷えに負けない体を目指せます。

もし冷えが改善しない場合や症状が強い場合は、更年期以外の原因も考えられるため、早めに婦人科や内科、膠原病などの専門医に相談することも視野に入れましょう。

冷え対策を継続し、毎日を快適に過ごせる体づくりを始めてみてください。

出典

  1. Japanese Journal of Nursing Art and Science Vol.15.No.3,pp227-234,2017|冷え性の生理学的メカニズム
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnas/15/3/15_227/_pdf ↩︎
  2. 日本食生活学会誌 第26巻 第4号 197-204(2016)|若年女性の冷えと食および生活習慣との関連
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/jisdh/26/4/26_197/_pdf ↩︎
  3. 働く女性の心とからだの応援サイト|冷え対策!体をあたためる食材、冷やす食材
    https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/column-18.html ↩︎
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この記事を書いた人

髙橋マキのアバター 髙橋マキ 【看護師】

・認定フェムテックシニアエキスパート(日本フェムテック協会認定資格1級)
・化粧品検定2級

看護師歴28年
都内の総合病院を中心に、循環器内科・ICU・CCUなどで勤務。切迫流産のため120日間の入院生活を経験。
育児・引越しを機に、キャリアチェンジを行う。ライフステージの変化に伴い、女性には多くの健康課題があることを痛感。
多くの女性の課題解決につながるよう、情報発信を行なっている。

このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法や専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません。

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