「熱っぽい」40代・50代で微熱が続くのは更年期症状?

コロナ?インフルエンザ?風邪?微熱と更年期の関係を解説
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最近なんだか熱っぽい

風邪かな?と思っても他に症状もない

こんな風に感じることはありませんか?

40〜50代の更年期には、イライラ、疲れ、だるさ、のぼせ、ほてり、頭痛、不眠…さまざまな更年期症状が見られますが、これは女性ホルモンの分泌が低下することにより起こる症状です。

それでは微熱が続く」のも更年期症状の一つなのでしょうか。今回は、40代50代で続く微熱についてお伝えします。

目次

【40~50代女性の微熱】自律神経の乱れホットフラッシュのひとつ

ホットフラッシュというと一時的にほてりや発汗が起きるイメージの人が多いのではないでしょうか。実は、更年期に微熱が続くのは、このホットフラッシュの症状のひとつなのです。

更年期で女性ホルモンの分泌が低下すると、自律神経の司令塔である脳の視床下部の機能が乱れてしまい、体温調節を含む血管の収縮・拡張などの調節が適切にできなくなってしまいます。その結果、微熱やのぼせ、ほてりや発汗がおき、これらをまとめてホットフラッシュと呼ぶのです。

微熱の定義|寒気は?何度まで微熱?

「微熱」に正確な定義はありません

ただし、37.5度以上を「発熱」と言いますので、37.5度未満で平熱より高い体温を「微熱」と考えるとわかりやすいかもしれません。ただ、平熱は人によって違いますから、一概に37.5度未満だったら「微熱」とも言い切れないでしょう。平熱より0.5〜1.0度前後高い体温を微熱と指すこともあります。

また実際に体温が高くなっていなくても、ホットフラッシュのほてり感によって微熱があると感じる人もいます。

更年期症状以外の微熱の原因

40〜50代の女性で多少なりとも更年期症状が見られる方は、つい「更年期症状の一つなら放っておくしかないかな……」と考えてしまいがちです。

しかし重大な病気が隠れている可能性もありますので、あまり微熱が長く続いたり、他にも症状が見られたりする場合は、専門医を受診しましょう。

感染症

いわゆる風邪や、新型コロナウイルスなどの感染症でも、微熱が出ることがあります。

感染症にかかった場合は高熱が出ると思っている人も多いですが、そうとは限りません。また、微熱だけでなく鼻水や喉の痛み、咳の症状などがみられる場合は特に感染症を疑っていいでしょう。

自己免疫疾患(リウマチなど)

リウマチや他にも全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎などの自己免疫疾患が原因で微熱が出ることがあります。

場合によっては、全身倦怠感や関節痛など、他に症状が見られることもあります。熱が上がってしばらく続いて下がり、また上がるというような熱の変化が見られる場合もありますので、微熱が続いたり、繰り返したりするような場合は専門医を受診してみましょう。

悪性腫瘍

がんをはじめとした悪性腫瘍がある場合、がん細胞が悪さをして「腫瘍熱」という発熱を引き起こすことがあります。

微熱が2週間以上続く場合などは一度精密検査をしてもらってもいいかもしれません。受診する際は、倦怠感や食欲、痛みがないかなど微熱以外の症状も医師に伝えられるように記録しておくといいでしょう。

その他の病気

微熱が見られる疾患は意外と多く、肝臓の病気や腎臓の病気、虫垂炎、咳が出るようなら結核の可能性もあるかもしれません。長く続く微熱がある場合は、一度受診することをおすすめします。

《更年期症状の微熱》解決策は?

微熱が続くとだるさだけでなく、疲れもストレスも溜まって健康全体に影響を与えてしまいます。更年期症状としての微熱が、少しでも楽になる解決策を探っていきましょう。

ホルモン補充療法(HRT)

更年期の微熱は「ホットフラッシュのひとつ」であるとお伝えしました。

つまり女性ホルモンの分泌低下やゆらぎによって引き起こされている場合、ホルモン補充療法はホットフラッシュの頻度や程度を軽減できます。飲み薬や貼り薬、塗り薬がありますので、一度婦人科に行って相談してみてください。

漢方

漢方は、からだを支える三つの柱である、気・血・水を整えることで症状を改善します。気の不調があると、イライラやほてり、のぼせなどが見られます。血の不調があると動悸や息切れ、冷えなどが見られます。水の不調があると悪心やめまい、耳鳴りなどが見られます。

更年期症状としての微熱では、一般的に以下のような漢方が使われることが多いです。

加味逍遙散(かみしょうようさん)

気のバランスを整え、過剰な熱をおさえてイライラなどの精神症状と、ホットフラッシュなどの熱症状を抑えます。また、血を補い、水の巡りをよくしてくれる作用があります。

加味帰脾湯(かみきひとう)

気と血を補う作用と、過剰な熱を抑える作用があります。貧血や寝つきが悪いなどの症状にも効果的です。

セルフケア

微熱が続くとだるくなることがありますが、体を冷やしたり冷たい食べ物を食べすぎたりすると、自律神経のバランスが乱れて症状が余計に悪化することがあります。

湯船に浸かったり、温かい飲み物を飲んだりして体を冷やさないようにしましょう。また、夜更かしや暴飲暴食は避け、適度に運動をするよう心がけることが自律神経を整えるために大切です。

微熱が続くなら我慢せずに病院で相談を

更年期の微熱は、生活の質を下げてしまいます。我慢して仕事や家事を頑張っていると、余計にストレスや疲労がたまり、更年期症状は悪化するかもしれません。

「微熱くらいで病院に行くのも……」と躊躇するかもしれませんが、病院で相談すれば解決することもたくさんあります。また、万が一他の病気が原因だった場合、発見は早い方がいいものです。微熱が続くなら我慢せずに病院で相談してくださいね。

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この記事を書いた人

秋山真衣のアバター 秋山真衣 【薬剤師】

元国家試験予備校講師。

現在は薬局を経営する傍ら、薬剤師教育のための会社を設立し、婦人科系疾患やがん、接遇を専門に講義している。

TRULYでは、講師としての経験を活かして、医療記事やチャット相談回答をどなたにも理解していただけるようにお伝えしています。

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