その感情は愛なの?「愛に不安を感じたとき」のチェックリスト

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こんにちは。リレーションシップコンサルタントの此花わかです。

以前、読者の方から「愛と依存とはどう違うのだろう?」「愛ってなに?」「愛と友情ってどう違う?」という質問をいただきました。

愛とは、個人が自分なりの答えをみつけ、それを共有できる人とパートナーシップを育むことだと思います。愛には多様なカタチがあってもよいのですが、何らかの指針があったほうが、より考察しやすいのも事実。愛に関する研究は様々なものがあります。

今回はアメリカの性科学者であり、セックス・セラピストとしても活躍するエイヴァ・カデル博士が30年以上もの研究や臨床経験から考察した、「愛を作る5つの成分」と「愛と偽愛のチェックリスト」を紹介しますので、皆さんの愛の探究に役立てていただければと思います。

 

目次

愛を作る5つの成分

カデル博士によると、愛は5つの成分から成り立っているそうです。その5つの成分をまずご紹介しましょう。

①   友情

友情とは、ジャッジされることを恐れることなく、パートナーに何でも言える関係をさします。その根底には2人が親友であるという気安さ、安心感と信頼があります。

パートナーに忠誠心や信頼をもっていますか? パートナーもあなたに同じ気持ちをもっているでしょうか? 真の友人とは、困ったときに助け・支えてくれて、あなたを喜ばせようとしてくれる人です。

 

②   信用・信頼

信用できないパートナーとは深いところでつながることができません。そして、信用とは時間をかけて、ゆっくりと少しずつ築き上げられるもの。リレーションシップの初期では、パートナーのことを「この人は信じるに足る人間だ」と、とりあえず信じることが大切です。

そういった、あなたのあたたかく穏やかな気持ちを感じることでパートナーは心を開き、あなたを信頼します。お互いに対する信用・信頼は愛の大きな要素をしめ、長期的な”心の平穏”をもたらし、愛のスタミナになります。

 

③   リスペクト

パートナーを尊重するということは、“相手を変えようとしない”こと。つまり、パートナーの意見、考え、行動を高く評価して大切にすることです。まず、自分に対するセルフラブやリスペクトがないとパートナーを尊重することはできません。自分の自己肯定感が低いと不安になり、いつも相手を疑ってしまうから。

現代のカップルが別れる大きな原因のひとつが”リスペクトの不足”です。長期間パートナーシップを結ぶと、注がれる愛や信頼にあぐらをかいてしまい、深く考えずに傷つけるような言動をしてしまいがち。これが積み重なると愛は崩壊します。

 

④   情熱

相手への欲望を抑えきれない感情。多幸感や陶酔感がありますが、心を迷わせる側面もあります。情熱は出会ってすぐに自然発生するときもあれば、時間をかけて徐々に現れることも。情熱はお互いが“自由に奔放になれる”ときに高まります。

一方で、パートナーへの恨みつらみ、怒りや軽蔑を抱いていると情熱は薄まります。また、リレーションシップが長く続くと情熱が消えていくので、毎日キスをして“情熱的な思い出”を再現しましょう。パートナーと新しい活動にチャレンジするのも情熱を保つよい方法です。

 

⑤   コミュニケーション

良好なコミュニケーションはお互いのクリエイティビティを刺激します。フランス映画に出てくるような会話をしろと言っているのではありません。会話を楽しむ、お互いの自己肯定感を高めるような思いやりのあるコミュニケーションをとるという意味。パートナーと何でも話し合える関係を育むことは日々のストレスや不安を解消します。

そのためには、自分の喜び、願望、欲求、ニーズ、そして恐れをも率直に共有すること。難しく考えずに、毎日、お互いを褒めあうことから始めましょう。

上記の5つが愛を作る成分です。人生には様々な出来事が起こるので愛の成分配合のバランスは変わりますが、5つの成分のどれも欠けることのないよう、日々意識して愛を実践していきたいですね。

 

愛のチェックリスト

基本的な愛を作る成分を知った上で、どんな感情が愛で、どんな感情が愛ではないのかみていきましょう。本物の愛のチェックリストは以下のとおりです。

☑ 自分のプライドを捨てて相手に自分の脆さを見せることができる

☑ 本音で話すことができる

☑ エキサイティング

☑ 情熱を感じる

☑ クリエイティブ

☑ 安心を感じる

☑ お互いが価値の高い人間だと思える

☑ 熱烈・熱情

☑ 特別感

☑ 力がみなぎる

☑ 必要不可欠に思える

☑ コミットメント

☑ 貴重な贈り物

☑ ほかと比べられない感情

☑ 深いつながり感

☑ 癒やし

「喧嘩しない」「不平・不満を言わない」「自分が我慢をして相手を受け入れる」「優しい」などの行為を愛と混同してしまいがちですが、本音を隠して表面的に仲良くするのは愛情ではありません。さらに、どんなにパートナーに優しくされても深いつながり感を感じられないのであれば、愛ではないかもしれません。

 

偽愛のチェックリスト

次に、愛と錯覚しがちな感情や関係をみていきましょう。

☑ 自動的に与えられる・当たり前にもらえる思い込み

☑ 一時的な情熱/欲望

☑ すぐに消えてしまう愛

☑ 嫉妬

☑ 束縛

☑ 不誠実

☑ 対等でない関係

☑ 所有欲

☑ 執着心

☑ 依存

☑ 脅され/脅して得る愛

☑ ゲーム感覚

☑ 同情

☑ 永遠に変わらないという思い込み

☑ 何かと引き換えに得ようとする愛

「好きな人に自分だけを見てほしい」と思ってしまうのはごく自然な気持ちですが、だからといって嫉妬して束縛するのは自己不安や信頼の欠如から来る行為で、愛ではありません

よく誤解されるのが、「永遠の愛」というコンセプト。愛は放置して勝手に育つものではなく、パートナーとの相互努力により育むものです。付き合っているから・結婚しているからといって当たり前にもらえる・与えられる感情ではありません。相手を激しく思う一時的な情熱や欲望を愛と呼ぶのも早計です。愛とは時間をかけて築き上げるものなのです。

パートナーとの関係が愛に基づいたものなのか、自分の感情は愛から来るものなのかーー。愛に迷ったとき、上記のチェックリストを参考にしてみてくださいね。

 

【参考】

Loveology University by Dr. Ava Cadell

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この記事を書いた人

此花わかのアバター 此花わか 【リレーションシップコンサルタント】

ジャーナリスト
リレーションシップコンサルタント

アメリカの性とリレーションシップのコーチングスクールで学ぶ。セックスポジティブな社会を目指す「セクポジ・マガジン」を発信中。FRaU 、Newsweek、Huffpost、SPA!、FRONT ROW、GLITTERなどで執筆。

このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法や専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません。

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